群馬県民のソウルフードといえば、他県民が食べると死に至るとさえ言われている「焼きまんじゅう」が挙がります‥えっ、そんなの知らない?原作版のゴローちゃんも食べていましたよ!しかもレアなあんこ入り。
でもアレって、食べない人はほとんど食べない。むしろ「登利平」さん(とりへいと読む)の「上州御用 鳥めし」こそ、ほぼ全県民が食べたことがあり、かつ愛するソウルフードじゃないかなーと勝手に思っております。
だって地域のバス旅行から会議にいたるまで、「主催側が弁当を配るイベント」では絶対にコレなんですから。「たまには気分を変えよう」なんて気の利いた幕の内など配ろうものなら、幹事は袋叩きです。
群馬人の遺伝子に刷り込まれている恐怖の弁当、鳥めし!この日も買い物の途中にいきなり食べたくなりました。これがヤク切れってヤツか‥!
ぐむむ‥と、鳥めし‥食いたい‥!たしか近くに登利平さんがあったはず‥!あ、あったー!!
群馬県内を走行していると必ず見るこの配送車。「県内一円50000食迄配送」ですよ!いつかビッグになったら、群馬最大のイベント会場であろうグリーンドーム前橋に5万人集めて、全員に鳥めしをふるまうんだ‥
が、今調べたらグリーンドームの収容人数は2万人でござった。あれ?すると県内に5万食配れる会場なんか無いのでは‥
気を取り直して買い物をしましょう。店舗を撮ったら見事な逆光でしたね。キレイな写真を撮ろうとか、写真を修正するとかに無頓着すぎてすみません。
店内に入ると、山のように積まれた鳥めし!そしてショーケースには焼き鳥!量り売りの唐揚げもあります。
焼き鳥は皮・ねぎま・なんこつ等があって1本140円となかなかのセレブ価格。お客を招いた際には、大皿に盛ったこの焼き鳥を用意するのが群馬における最高のもてなしとされています。
でも今日は発作を抑えるためのランチですので、とにかく鳥めし!茶色い方が県民みんな大好きの「竹」710円、緑の方は食べていると「何かいいことあった?」と聞かれてしまう「松」で820円。よし、奮発して松にいっちゃいましょう。
またひどい写真で文字が読めませんが、レアキャラのソースかつ弁当と麦豚炙り焼き弁当がありますね。ソースかつはチキンカツでものすごくウマいのですが、880円という強気の値段と、生産数の少なさゆえにほとんど口にできません。炙り焼きに至ってはSRすぎて未食。
ここはイートインもできる店舗なのですね。イートインどころかレストランの店舗もありまして、かっこいい箱に入った鳥めしや揚げたてのチキンカツを楽しめます。
とはいえイートインを決めるほど遠くもないので、一応家に帰ってから食べましょう。はい、着きました。これぞ「上州御用・鳥めし」!上毛三山(赤城・榛名・妙義)が描かれたパッケージも美しい!
‥のですが、左のおっさんはなぜ人様のオカズに箸をのばしているのか、いつも気になります。ついでに言えば、下に置いてあるのフタじゃないですよね。二人とも2コめなのか‥
裏面には店舗がズラリ。この圧倒的店舗数!まさに群馬を制圧していると言っても過言ではありません。全店舗で売られている鳥めしを集めれば、確かに5万食はいきそうです。
原材料もシンプルです。漬物にはちょっとカタカナ原料が多いけど、気にしてはいけない。
なお鶏肉(国産もも肉・むね肉)とありますが、これこそ松と竹の違い。竹はむね肉オンリーなのです。なんの話かといいますと、開ければわかるさーッ!ということで、ベリベリと包装をはがしましょう。
フタのくぼみにビシッとおさまった割り箸も美しい、完璧としかいいようがないパッケージングです。ただこの箸、私の手にはちょっと短い。マイ箸でいただくとしましょう。
パカッとフタを開ければ一面の肉!そぼろや炒り卵など不純物、鳥めしなら鳥だけのせておけばいい!これが国定忠治より伝わる上州の侠気!!
上州御用・鳥めしの主役は、このタレが染みまくったむね肉です。竹はメシの上にこのむね肉のみという、侠度200パーセントな構成になります。
本日は松なので、厚みも照りもゼイタクな雰囲気が漂うもも肉ものっております。実は竹派の人の方が多いのですが、私は松推し。
漬物はつぼ漬と葉唐きゅうり、そして肉の下にコッソリ小梅。この漬物は群馬創業の漬物メーカー「新進」さんのものです。昔の群馬の給食カレーには、必ず「しんしん」と書かれた小袋入りの福神漬けがついてきた(今はしらん)。
つまり漬物すらグンマー民のノスタルジーをかきたてる!これこそ真のソウルフード!もうたまらん、いただきまーす!
スライスにもほどがある、むね肉のこのペナペナ感はどうですか。この厚みなればこその、完璧なタレの染みこみ具合がたまらんのです!他県民には少し濃いのでは?と思えるくらいの甘じょっぱさ。なじむ‥なじむぞ‥!
ご飯の上の一面に肉が敷き詰められているので、肉一枚ごとにご飯を底まで掘りながら食べるのが正しい作法。ちなみにご飯、結構深いです。コンパクトに見えてボリューム大です。
ものすごくタレが染みたむね肉のカケラ(写真中央右上に落ちているヤツ)がありますので、回収しきれなかったご飯はカケラでいただきます。カケラこそ真のオカズという人が多いかもしれない。
甘辛なタレの鳥肉ですので、もちろん七味との相性はバッチリ。小袋をもらってくるのを忘れたので、自宅の七味をパラリと振りましょう。
ご飯にも頼もしい量のタレがまぶしてあります。下まで真っ茶色ですね。弁当全体として味が濃いので、やろうと思えばご飯もろとも酒のツマミにもなりますよ。
鳥めしと焼き鳥数本で群馬の銘酒「水芭蕉」を決めれば、たちまちあなたも上州セレブに!
これまた血圧とか気にしてはいけない、しっかりとした味の葉唐きゅうりとつぼ漬で舌をリフレッシュして、次〜!まだまだ〜!!
これだ!この分厚くたくましいもも肉!みんな竹派だけど、私はこのもも肉が好きなんだ〜!!だって皮もあるし、歯ごたえもプリンプリンで最高なんですよ!?たしかにむね肉ほどタレしみしみではないですが‥
でもやっぱり松最高!もも肉とカケラ肉だけの超松とか、期間限定でもいいから出してくれーい!登利平さーん!!
なんて興奮していたら、あっという間に空っぽになってしまった‥!
タテに食べる作法を守ると、自動的にご飯の一粒も残らないことになります。しかしグンマー民の食事はこれで終わらない。
フタをとめていた輪ゴムを利用して、元の状態に戻すまでが群馬の弁当です。なぜかは知りませんが、みんな戻します。本当なんです信じてください。
登利平 大泉南店 群馬県邑楽郡大泉町朝日5-27-21
登利平さんは群馬県内各地にあり