「上野の西洋美術館で松方コレクション展をやるそうですけど、行きませんか?」
やあ、作曲したゲームは必ず売れると言われているゲーム音楽作家のS葉さん。曜変天目のハシゴ以来ですかね?ぜひ行きましょう。
S葉「そしたら絵師のKきゃわさんも呼びましょう」
Kきゃわ「行きますぜ」
おお、話が早い!というわけでたっぷりと芸術を堪能して‥さて飲みましょうか。
S葉「今回はオーヤマさんオススメのお店があるんですよね」
そうなんです。行ったわけではないけど一目惚れをしまして‥上野からすぐの浅草です。行きましょう。西浅草なので、駅としては浅草より田原町の方が近いかもしれん。
先日西浅草黒猫亭さんに行ったのですが、その時にお店の前を通ってビビビと来たのがこちら、「鳥輿」さんです。たぶんとりこうと読みます。
Kきゃわ「のれんのあひ鴨からもう只者ではないですな」
そうでしょう?さらに白いぼんぼりを見てください。
ほーら、純レバというこの文字に参ったわけですよ。
S葉「レバーが自慢ということは、鶏肉全部おいしいと同じですね」
おそらくきっと間違いなくそういうことです。さて入りましょうか。
カウンター数席と4人がけのテーブルが2つだけのお店はすぐに席が埋まってしまいそうなので、一応予約をしておきました。
Kきゃわ「テーブルがピカピカですな」
焼鳥屋さんでベトベトしない時点でもう素晴らしい。そしてマスターというよりは大将といった風情の店長さんが頼もしい。
まずは飲み物をお願いしましょうか。私はそうだな…表の看板に「TARUSAKE」と書いてあったにで、菊正宗純米樽酒をお願いしましょう。た〜る!
大将「燗・常温・冷たいがあるけど?」
冷たいのでお願いします!
Kきゃわ「俺は‥ザクロタンサンのノンアルってお願いできます?」
大将「焼酎入れないだけだからね!大丈夫だよ」
あっ、もしかしてここの大将‥
Kきゃわ「ぶっきらぼうな感じですが、実はすごくエエ人な感じがプンプンしますな ( ͡° ͜ʖ ͡°) 」
やっぱりそう思う?予約電話の感じ良さからそんな気がしておりました。
S葉「青レモンと普通のレモンサワーは何が違うのでしょう?」
大将「普通の方はキンミヤで、青は青一髪って麦焼酎を炭酸で割ってるんだね」
S葉「じゃあ青でお願いします!」
うぉお、マスにハマった正一合のトックリ!これは美しい‥!見るからに涼しいガラスの器も嬉しい。
わ〜い、かんぱ〜い。
Kきゃわ「暑いからザクロがしみますなあ」
樽酒もここちよい香りでなんとなく夏な感じで〜すよ。
では食べ物メニューは‥ほうほう、コースがメインなのかな?一之宮・二之宮・三之宮‥なるほど、三社祭!鳥輿の輿は神輿の輿か〜。
Kきゃわ「どうやら大将、両さん並みのお祭り男みたいですな」
フルコースの一之宮・肉串6本の二之宮・肉4本と野菜の三之宮、どれにしましょう。
S葉「ここはもう一之宮にいってしまいましょう」
そうですね。一之宮を3人前願いま〜す。
まずは小鉢2品。切り干し大根と‥これは‥さやいんげん?
Kきゃわ「大根のお味がええですわ〜」
江戸っ子な気がする甘辛がウマいね!しかし‥さやいんげんはなんなんだ。見た目そのまんまだけど。
コリコリ‥あっ、ぬか漬けだ!しかも素晴らしいぬか床由来のとんでもなく美味しいやつだっ!へ〜、さやいんげんの浅漬けはアリなんだなあ。
大将「まずは野菜からどうぞ」
Kきゃわ「きゃほ〜い!アスパラ〜!」
アスパラもネギも甘味ブーストな上に香ばしさがドーン!どちらも焼くのが一番おいしいのかもしかして。巨大なシイタケもふかふか食感とシイタケしい旨味がたまりません。
大将「つくねに砂肝ね」
S葉「このつくねは素晴らしいですね」
ふっくり食感が手作り感満載!なによりもとんでもなく味が濃い!もしかして鴨入りなのかな?
Kきゃわ「このつくねは白メシに8個くらいのせて食べたいやつや〜」
大将「はい、さび焼き〜」
なるほど、さび焼きってなんじゃろと思ったらワサビでしたか。
Kきゃわ「いい香りじゃ〜。おろしたて本ワサビはずるいわ〜」
ワサビでお酒を飲むの大好きなわたくし、随喜の涙。これは3本くらい欲しい逸品ですね。
手羽先は表面は香ばしく、かじると肉汁がぴょいぴょい出て、骨離れは素晴らしいという極上の一品です。お銚子がポンポン進むのはやむなし。
大将「はい、かしわと肝ね」
S葉「肝が看板の純レバですかね。こんなにぷっくり焼き上げられたレバー、なかなか見ません」
Kきゃわ「俺レバー得意じゃないけど、コレならウホウホ食べますわ〜。レバーのイヤな部分が全くないもの!」
かしわの肉もとんでもない旨味が詰まっていて幸せ一直線。そういえば「塩ですか?タレですか?」とか聞かれませんね。
S葉「コレはこの味!と大将が決めておられるのでしょう。全部ピッタリです」
メニューから逆算するとあと三品くらい‥焼酎のロックを2杯お願いしておきましょう。翌日早起きなんでこの辺にしておかないと。
Kきゃわ「それで切り上げてるつもりなんですかい」
こんなウマい鳥、本気を出して飲んだらえらいことになります。これでも自制なんです。
大将「づけの相鴨ですね〜」
あっ!これがあひ鴨!しかもづけ?鴨をづけちゃう?
大将「味噌床に漬けてます〜」
ちょっとちょっと‥味噌床に漬けた相鴨を焼いて大葉をかけるって‥おいしい要素しか見当たらない。
Kきゃわ「やっぱりすんげぇ〜おいひぃ〜!」
味噌床でぎゅむむと締まった相鴨肉!味噌と脂の香りを爽やかに転じる大葉!!この一串に宇宙が‥!あるかもしれん。ホントに。
ちなみに単品ですと1本980円の高級メニューですが、コースには必ず入るみたいです。これはもう必食なのでコースがお得な気がします。
串のラストはなんでしょう。
大将「相鴨しめじ巻きですね〜」
しめじを薄切りの鴨で巻いたのですね!このお店‥酒飲みのことが好きでたまらないのか?うん、たまらん!
S葉「キノコの香りと鴨の香りの多重奏ですね」
まあ、まるで作曲家みたいな素敵な感想!ちなみに小耳にはさんだ情報によれば‥
Kきゃわ「相変わらずよく挟む小耳ですな」
なんとですね、このシメジが松茸になったバージョンが秋になったら出るとか…
Kきゃわ「なっ!?まちゅたけ?」
S葉「それは‥また来ないといけませんね」
大将「はいお待たせしました!ドライカレーね。半分から3分の2くらい食べたら鶏スープをかけてお茶漬けみたいに食べてみて」
ちょっとちょっと!さっきからやたらとカレーの香りが漂っていると思ったら、こちらでしたか!
Kきゃわ「とんでもなく香ばしいですなあ。いただいてみましょ」
あっ、これは‥ンマーイ!!
Kきゃわ「ドライカレーというか、カレーピラフ?なんかスープで煮た雰囲気ですよね」
カレー粉をフライパンに投入していたのは見たけど‥注文してから炊き上げるカレーピラフなのかもしかして。贅沢すぎない?そしておいしすぎない?
(撮影:Kきゃわ)
Kきゃわ「ではスープをじゃじゃっと!ありゃ、うずらのタマゴ入りでしたぜ」
おお、松越しに見える満月のよう。ではいただきましょうか。
(撮影:Kきゃわ)
ちょちょいとうずらをつぶして‥ズズッと。
Kきゃわ「はぇ〜!!」
S葉「これは‥まさにご馳走ですね」
極上カレーピラフの鶏スープ茶漬け‥チートだ!超ウルテクだ!焼き鳥六段のS葉さん、こちらのお店はいかがです?
S葉「脱帽です」
六段の脱帽をいただいたので、次回は松茸や天然鴨を狙って、また‥!
S葉「来ましょう!」
鳥輿(とりこう) 東京都台東区西浅草 2-10-4 あけぼのビル 1F