「山菜料理 出羽屋」さんでいただく秋のきのこコース、後編です。
仙人が食べていたコケ、見たことも聞いたこともないキノコ、山伏が食べていた豆腐と前菜から飛ばしてくれました。さらに担当の方が大変美しいという幸せタイムが続きます。
前半で五重までが終わりましたね。
「次はあけびきのこ味噌焼きになります」
「こちらではアケビは皮がご馳走なんですよ。中にお味噌とキノコを和えたものが詰めてあります。ぜひ皮の苦味を楽しんでください」
おお、アケビの皮!こうして見るとなんだかナスみたい。食感もなんとなくナスみたい。ナスとの違いは‥ほろ苦い‥いや、しっかり苦い。弱ゴーヤくらいの苦さがありますね。でも中の味噌と合わせるとオカズにもツマミにもなるから不思議だ。
「次は七茸汁になります。お客様の幸運を願ってラッキーナンバーの7種のキノコが入っています。出汁は取ってませんので、キノコの美味しさを味わってください」
おお、鍋っぽいメニューはキノコ入り芋煮と予想していましたが、まさかのキノコだらけ汁!これは嬉しい誤算です。
ふぉー!こんな立派なナメコ!そしてキクラゲ!あとはなんだろ、ナラタケとかブナシメジとかに見えるけどよくわからん。あ、鶏肉もあるぞ。こちらが唯一のアブラ要員か。
キノコの味がたっぷりと溶け出した汁はとにかく美味しい。ホントに美味しい。大鍋でデーンと出してもらって、後は白メシとお酒だけってプランがあってもいいんじゃないかってくらい美味しい。七茸汁、最高!
「せっかく来ていただいたので、米沢牛のバターソテーをお付けしますね」
なんとなんと、ここに来てメニュー外のお肉ですか!ニンニク・玉ねぎ・そしてやはりキノコが添えられた米沢牛はもちろん驚くほど美味しいのですがちょっと待て。
残りのメニューが鮎と天ぷらだろ‥胃袋の容量ガイドマップとお酒の残りゲージに若干の誤差が出てきたぞ。
とりあえずお酒不足対策として芋焼酎のロックを2杯ほどお願いしましょう。ニンニクとバターがきいた肉には日本酒よりこっちかな〜と。
あとは胃袋の方だが‥これは気合とか根性とかいった昭和的な対策しかない。
鮎の塩焼きがドーン!秋なので子持ち鮎で食べ応えありすぎ問題。満腹カラータイマーがピコンピコン脳内に響きますが、おいしいからついつい頭から骨まで食べちゃう。
「季節の天ぷらになります。舞茸は天然ものです」
きゃー!山のダイヤ・天然舞茸にキノコの王者・松茸!こんなに嬉しい季節の便りがあるものだろうか(いやない)。
松茸の天ぷらはズルいですよね。ガブっとかじった時のウマ汁の飛び出しっぷりといい、閉じ込められていた香りの広がりっぷりといい、とにかくどエライことになります。
天然舞茸はなんじゃこれ。シャキシャキ・ジャクジャクとしたものすごい歯ごたえだ。普段のヘニョヘニョ舞茸と本当に同じキノコなのか。こりゃ確かに見つけたら舞い踊りますよ!
食事はこれまた嬉しい松茸ご飯!松茸のかぐわしさはもちろんながら、すごくコメがウマいですね〜!なんと釜ごと持ってきてくれて三・四杯分くらいはありますが、さすがにおかわりはできない。うう、自分の少食を呪いたい。
味噌汁がまた未知の出汁でおいしい‥出先の味噌汁って素晴らしいですね〜。この辺の味噌なのかしら。買って帰りたいな(結局忘れた)。
「自家製のカボチャプリンと果物になります。こちらでお食事はすべて終わりです」
なんとか食べ終えた‥と思ったらデザートまでありました。カボチャプリンが濃厚というか、全力でカボカボしい。これは洋酒と合わせてみたいぞ。
前菜から最後まで珍しくておいしいものばかりでした‥!いや、素晴らしい。ここでしか味わえないものばかりなんて最高ですよね。
山菜がどっさりの春か、月山筍が旬の6月か、次はいつにしようかな‥
山菜料理 出羽屋 山形県西川町間沢58