母と来てしまった和倉温泉・加賀屋さんの迎賓室・白韻宿泊記、今回で最後となります。
朝食を7時半でお願いしておいたところ、7時20分に部屋のチャイムが鳴りました。
「朝刊をお持ちしました。よくお休みになれましたか?」
やあ、我々の客室を担当してくれているIさんだ。いや〜、よく眠れました。起きたら腰が軽いのなんの。この辺にエアウィーヴの広告を貼りたいようだ。
Iさんに先導されて昨晩と同じ19階の月見茶寮に行きましょう。あ、部屋も同じだ。
昨夜は着物の帯で絢爛な雰囲気でしたが、朝はベージュ単色のクロスで爽やかになっています。
私のMacくらいになると「たんしょく」を一発変換で「男色」としてくれるから困ったもんです。
母「この手拭い綺麗だね。あれ、前にもこんなの持ってきたよね」
Iさん「季節によって花が違うんですよ。よろしければお持ちください」
遠慮なくいただいて帰って、2枚あるからよかろうと中華鍋の柄に巻こうとしたら怒られました。
ベジファースト的なアレでサラダからいただきましょうか。
ドレッシングがおいしい。売店にあったから買えばよかった。
あら、葉っぱは軽くゆがいてありますね。生野菜は結構な刺激物だったりしますがこれなら安心、お腹に優しくゆるゆると食欲が目覚めますよ。
ご飯の前にほんの二口ほどのお粥が出てきてさらに優しさがアップ!朝粥は大好き。デカいアサリとご当地海藻が入った味噌汁もうれしい。
そして充実のご飯のオトモ部隊。海苔の佃煮だけであっという間にお粥が消え去った。
Iさん「普通のご飯をお持ちしましょうか?」
お願いします!・・でも昼メシ等々のことを考えて、ごく少なめで。
少しと言ったものの、先ほどのオトモ部隊プラスほっかほかの筑前煮や
朝市でも売っていた卓上で炙るカレイの干物なんかもあってコメ不足の予感しかない。大盛りと言える胃袋が欲しかった。
届いたご飯はさすが加賀屋さん、お願いした通りのジャストな少なさ。これは嬉しいがしかし大変だぞ。
そう、メシ配分という厳しい勝負が始まります。とりあえずご飯だけ一口…ああやっぱりウマい。油断すると最初のオトモ部隊だけで全滅するなこりゃ。
よし、筑前煮はご飯なしで食べる作戦でいきましょう。あっさり薄味で滋味深い。うまいしご飯なしでもイケる。カレイは・・こんなのご飯が進まぬハズはなし、兵力の半分を投入しましょう。
Iさん「そろそろ湯豆腐も食べ頃ですので、お出汁と一緒にどうぞ」
フタを取ってくれた湯豆腐はまさにポコポコと沸いている。レンゲですくってフウフウ、アツツ・・と出汁もろともいただけば・・あ〜、これは白米もいいけどアレだ、飲みたくなるやつだ。
Iさん「だし巻き卵が焼き上がりました」
ああもう、メシ後半に合わせてこんなズルいことしてくれちゃって!
母「どうやったらこんなふわふわでしっとりして表面がきれいになるんだろうね」
甘味なし、ウマウマ出汁にふわとろ混在の完璧な火加減。大根おろしともろとも食べればもう酒の瓶しか頭に浮かばない。おかげでご飯の配分はなんとかなりましたが、この飲みたさはどうしてくれるんだ。
ああ、能登ミルク・のむヨーグルトがあるじゃないか。酒もヨーグルトも発酵だからカラダを騙せるかもしれん。
酸味がおだやかでなめらかですごくウマい。グンマでも売ってほしいぞ能登ミルク。
母「またお腹いっぱいだけど果物はいけちゃうね。パインがおいしい」
これはたぶんですが、昨晩寝る前にテーブルに置かれるはずだったフルーツかと思われます。満腹で帰っちゃったから朝に回してくれたのでしょう。
食後にコーヒーはいかがですかということで、チェックインの時に抹茶をいただいた雪月花倶楽部に案内されます。
Iさん「まずは水出しのお茶をどうぞ」
まあまあ、グラスごと冷えてこれはおいしそう。そしてやっぱり、まあ、まさしく甘露。山歩きしてから出される水出し玉露のようだ。
一年中アイスコーヒーマンとしては珍しい熱いコーヒー。
母「器がきれいだね〜」
コーヒーもうまくて器もきれい。いいですねえ。
能登の海ひねもすのたりのたりかな。ああ〜、チェックアウトしたくない。けどその時間は迫っている。
伝えておいたチェックアウト時間の10分前にIさんが部屋まで迎えに来て、荷物を全部持ってくれます。帰りの荷物まで運んでくれるのって珍しいですね。
お楽しみのお会計は・・GOTOの宿泊代補助2人分で消費税がカットになるかな〜といったところでした。言わなかったのに手続きしてくれていてありがたや。
白韻も天游もやたらと広いし人数が多い方が割安になるので、4人くらいで行くのが正しい使い方かもしれません。
最後はIさん・若女将・浜離宮コンシェルジュみなさんでのお見送り・・あ、そうだ。すぐそこのケーキ屋さんに行くのでちょっとクルマ置いたままでいいですか?快く了解していただいたので、テクテク歩いてさようならみなさん、さようなら。
母「よかったね〜。来年また来ようね。同じ部屋でいいよ」
でいいよって、最後の加賀屋じゃなかったの?そしてまた白韻かい!恐ろしいことをサラッと言いますが・.・うん、私もまた来たいのでアリですな。
来年 つづくかも
加賀屋 石川県七尾市和倉町ヨ部80番地