発作的にトンカツを食べたくなりました。しかもカツ丼とかカツカレーとか、ちょっとひねったやつが食べたし、食べたし。
トンカツひとすじウン十年みたいなのじゃなくて、バラエティ豊かなトンカツ屋さん…足利の方にそんなお店があると聞いたな。行ってみよう。
グンマと栃木の境界線である渡良瀬川にかかる葉鹿橋を渡ってすぐ、良い顔をした豚さんが迎えてくれるお店は「新興軒」さんです。
なかなかの繁盛店とも聞いたので開店の11時に合わせて来てみました。おっと、それでも先客アリ。
2人がけのテーブル席に案内してもらい、厚みのあるメニューを開くといきなり海老フライ。これは確かにとんかつだけのお店ではなさそうですよ。
ページをめくるとまずとんかつ…なんだなんだ、とんかつだけでこの有様か。野菜に梅じそに納豆と、ストロングスタイルにルチャに邪道と勢ぞろい。チーズかつのとろけっぷりにドキドキしてしまう。
チキンやひれも多彩だ。から揚げはわかるけど、とり肉定食ってナニ?
どうやら定食はすべて味噌汁かミニらーめんを選べるらしい。ミニらーめんって選択肢がもうとんかつ屋じゃないよね。
そしてさらにページをめくると中華に麺…だと…いったい何屋さんなんですかーっ!他の中華メニューは3ケタなのにいきなり倍の1800円という酢豚と肉団子、どんなのなんだろ?
カツ丼かカツカレーの心で来たからいいものの、なんとなく来ていたらメニューの迷宮でさまよった挙げ句に肉そば(すきやき風)という謎なメニューに着地していたかもしれん。
そうだよ、肝心な丼や飯ものは…あったあった。かつ丼と親子丼が同料金、カレーライスとかつカレーライスの差が200円ぽっちという少し不思議な金額設定。
写真の福神漬けが赤いのが良いのでかつカレーライスをお願いします。かつ丼に三つ葉があったらそっちだったかもしれん。
注文してから肉をペシペシ叩くような音が聞こえてきたぞ…そこから調理スタート?なんと楽しみな。
でもそうなると当然時間はかかるよね。メニューに「あたたかいお茶・コーヒーご自由に」と書いてあったからゆっくり待つか。
そのお茶のバリエーションがすごかった。かつカレーの罪深さから黒ウーロンか減肥の2択かな。黒ウーロンにしよう。
卓上には冷たいお茶のポットがあるからカレーが激辛だったとしても安心です。そんなことはないと思うけど。
だいたい20分くらいでお盆が運ばれてきましたよ。
さてご対面、かつカレーライス!
うわぁ、これだ、これが食べたかったんだ!食べる前から夢がかなった!
大きなお皿に広がるカレーの海がカツの3分の1くらいまでかけられている見事な様式美。
後ろに回ればほら、見事なご飯の盛りっぷりです。とんかつとカレーの競演ではライス少なめコールなどできるわけがなかった。
黄色みも香りも強め、食べやすそうな粘度のカレーは安達祐実が喜びそうな大きい具がゴロゴロ。
ひと匙すくってみると肉と野菜の旨味がたっぷりで、見たの目通り少しも辛くはありませんが、とにかくンマーイ!香り高き甘口モッタリカレー!テラさんのカレーはこんなかな〜と勝手に想像しちゃう。
なんでも屋感はありますが実はとんかつ屋さんです。主役のお味はいかに?
実質200円のかつはさすがに厚さこそ控えめですが、なかなか主張のあるサイズ感。卵液を2度漬けしているのかしら、黄色い部分がたっぷりの面白い衣だなあ。
ザク・・モグ・・モニュ・・あ、コレはサックサクじゃない、適度にざっくりで口内を攻撃しない優しい衣。タマゴ層の力かな?
カレーと一緒に食べやすい厚みだしアブラは良い香りだし、やっぱりとんかつ屋さんだよここ、ウマいよこのとんかつ。かつ丼にしたらタマゴの挟み撃ちで面白そうだな。
そしてとんかつ用に甘口辛口と用意されているソースを使わぬわけにはいきますまい。辛口ソースをかけて、カレーがついていない所のご飯と一緒に食べてとんかつ定食気分。うまうま。
そしてソースもかつもカレーも全部まとめてガブ〜といけばもはやウマいを超えて、なんだかぽかぽかします。好きってことです。
黄色いカレーのベストパートナーである赤い福神漬けがたっぷり別皿で来るとは嬉しくてけしからん。そっと控えているデザートのコーヒーゼリーもかわええじゃないか。
口直しあり、デザートあり、かつもカレーもウマい!これはスプーンが止まりませんよ。わっせ、わっせ。ぼくには少し多めだったけどこんなにウマいんだもの、完食です。
一般的な男性ならちょうど気持ちいい満腹というところかな、まさに「かつカレー食べたな〜」といったボリューム感でいやはや大満足。
とんかつとカレーがこれだけ美味しい以上、他のメニューも推して知るべし。いやこりゃまいったな、また通うべき店が増えちゃったぞ。
新興軒 栃木県足利市葉鹿町484