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昼メシにおける好物はそばです。その中でも特に好きなのは鴨せいろ。鴨汁そばとも言いますね。鴨南蛮もいいけど、立ち食いでないそばは冷たい方が好き。
そんなわけでそば屋さんでメニューを見る時はまず鴨の文字を探すのです…が、世の中は広い。探すまでもなく、お品書きのほぼ全てが鴨というすさまじいお店があったりします。しかも近くに。
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館林市の白鳥飛来地として知られている(かもしれない)多々良沼の近くにあります「そば処 鴨亭」さん。店名からもう鴨です。気合が違います。
現在は座席数を減らしての営業らしいので開店10分後くらいに来てみたところ、ギリギリ一回転目にすべりこみ成功。兵は拙速を尊ぶのである。
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窓に面した小さなテーブル席に案内していただき、おもむろにメニューを開けばホラ。モモせいろにムネせいろにムネミックス。
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うす切せいろにヒレせいろ。もう鴨であることは大前提、選ぶのは部位と切り方という鴨せいろマニアックス!鴨南蛮も同じような感じです。
一応カレー南蛮とか辛味大根そばもあるようなので鴨が苦手な人も安心…って、そんな人が「鴨亭」なんて店には来ないわな。
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本日は一番人気というきざみ鴨せいろをいただきましょう。鴨肉を細かく刻むことで、鴨ダシや脂がたっぷり汁に溶け出すのだとか。
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蕎麦は細打ちと太打ちを選べるそうなので細打ちで。盛りは普通の200gでいいかな。
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ほいほい来ました、きざみ鴨せいろ!大変シンプルで美しいじゃありませんことかしら。
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ざっくり盛られた細打ち蕎麦は見るからに瑞々しい。
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汁はお椀や丼でなく、細い湯呑みのような器で出てきました。実はこのタテナガに秘密があって、汁を冷めにくく、上に浮く脂の層を分厚くする役割を果たしている…んだと思う。
確かに脂が表面に浮くどころか2ミリ以上の厚みがありそうです。これはすごい。
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「まず少量のそばで、浮いている合鴨のおいしい脂を味わって下さい」だそうです。なるほど、ここまで厚みがあればそれも可能だ。
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では少量つまんで、表面のあたりでクルクル。脂を巻き込むイメージで…
そしてゾゾっ。うほっ、あふれる鴨の香り!舌の上で脂がおいしく広がって、そばはなめらかに喉を滑り落ちていく…はわわ〜、おいしすぎてもう一回!ゾゾゾっ!
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その後は出汁の効いた鴨汁、薄切り肉やネギをからめてズズズ〜。バッチリ辛口濃い口の江戸そばの汁に合鴨の旨味をたっぷり溶け込ませるなんてズルい、ズルすぎる!
そばはほんのり香る程度で、鴨汁をおいしく喉まで通すバイパス役なんですね。いやはや素晴らしいバランスだ。
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栃木のなんだか強そうな七味もあるので途中でパラリとね。合鴨の脂にゆず七味がピッタリざます。
誰だっ、普通盛でいいやなんて言ったヤツは!あっという間になくなってしまったじゃないかっ!
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まあ蕎麦屋で満腹コースというのも締まらない話、蕎麦湯でヨインを楽しみましょう。こんな汁「一滴ものこせないわっ!」ですよ、ねえ。
数年ぶりに来たけど堪能したなあ…もっとマメに来ないとね。よし、次はモモせいろを中盛…いや、大盛だ!
そば処 鴨亭 群馬県館林市大谷町929-1