アホほど雨が降る中で来てしまった伊豆、最終回です。
地獄極楽めぐりを楽しんで、昼メシでも食べて帰ろうかと思ったのですがもう一箇所。
沼津に寄らねば。聖地とかそういったアレではない、決して。
さて、やることを済ませたら昼メシだ。沼津に来たならやはり海鮮でしょうか。たしか鯛丼がウマい店や行列ができる海鮮丼やかきあげ丼のお店があったような。
と言っても今は2時半といかにも中途半端な時間、多くのお店は中休みタイムである。通し営業で、しかもできれば静かそうなお店を検索・・やあ、あったあった。
沼津みなとパーキングに車を置いて、有名店があるメインストリートをちょっと折れたところにあります「すし処 古川」さん。見るからに落ち着いたふいんきじゃありませんか。すし処というのもいいですよね。海鮮は丼より握った方が好きなの。
しかし困った、門番がドッシリがんばっている。すみません、通ってよろしいでしょうか・・どかない。そうか、下のマットが気持ちいいのか。それじゃ仕方ないな。
そーっと引き戸を開けてそーっと入店しましょう。おや、砂利に踏み石・・もしかして高級店だった?
カウンターとテーブルどちらがよろしいですかということなので、カウンター席をいただきましょう。あ、用紙に名前と連絡先を記入するのですね。そういう時代ですけどホントに連絡が来たら怖いね(もちろん来なかった)。
メニューを見るとやや高級寄りといった価格帯ですね、助かった。せっかく沼津だし、駿河湾地魚入りという駿河にしようかな。
地鯵丼にちょいと惹かれますが、やっぱり握りが好きなんだよな。駿河を願いま〜す。
イカしたお値段の地魚入りおまかせにぎりもあった。お酒が飲めるならこちらに行ったかもしれない。
でもね、お茶で寿司を食べるのにもすっかり慣れちゃったよね。
大将「いや〜、こんなにお客さんが来ないお盆は初めてですよ」
そうですね、貸切状態ですもんね。いくら中途半端な時間といってもこれではなあ。困った世の中になったもんです。
どちらから?ああグンマ、昔スキーで行きました‥なんて話をしながら握ってくれましての登場、地魚入り握り駿河!地魚というと真っ白になりがちですが、こちらは彩りもあって見目麗しゅうございます。
四角いお椀も出た。パカっと開けると嬉しや、あおさたっぷりのみそ汁じゃないの。うまい あおさ うまい。
タコとイカはわかるが白身はなんだろ。
大将「この白身はマダイ、イカはアカイカですね」
おお〜、わさびが透けるほど澄み切った白身の美しさよ。箸でつまみあげても崩れないのに、食べるとサラリとほどける握りも素敵。
大将「こちらの白身はメイチダイですね」
はえ〜、名前を認識して食べるのは初めて。いや〜、脂がのってこりゃンマイや。分厚い貝柱にいかにも地物のアジ。アジ、スゲー、ウメー!語彙力をなくす青魚の突破力!
シマアジにトロの高級軍団に悶絶!寿司ってなんて美味しいんだと改めて感動してしまう。
アワビかと思うほど立派なトコブシ!いやはや、歯ごたえと甘味が大変ですね。切実に飲みたい。玉子はデザートにもってこいの優しい甘さです。
イクラは軍艦でなくミニ丼で登場!コレがね、醤油漬けじゃなくて塩イクラでね・・そう、ぼくはプチプチな醤油漬けでなくネットリ食感の塩イクラが大好きなんだよ!嬉しい〜!
沼津港の喧騒とは無縁の中で地魚や江戸前の仕事がなされた寿司をいただく・・素晴らしいじゃないか。そして門番のネコさん、帰りには隣のお店の前でアクビをしていた。港中のお店で働いているのですね。
すし処 古川 静岡県沼津市千本港町115-4