神戸の友人2名と「岸辺露伴ルーヴルへ行く」を楽しみました。さて、メシを食べながら感想でも語り合いますか。朝9時に金沢駅でホットドッグを食べたきりなのでお腹が空きました。
友人「一応ね、中華を予約してあるのよ。本命のお店が夜営業休み中なんで、ちょっと粗雑な店だけど」
粗雑？食べ物屋であまり出てくる単語じゃないけど、中華なんてそのくらいの方が雰囲気良かったりするよね。楽しそうじゃないの。
そのお店は三宮のサブカルビルディング、センタープラザの1Fにあります「餃子屋 満園 三宮店」さんです。
ガレージの空きスペースのようなところにテーブルを並べて、結構な勢いで歩道にまではみ出して、早い話が屋台みたいなもんである。そしてまだ5時半くらいというのに皆さん頬を赤らめてご機嫌な感じ。ここ3年ばかり見なかった喧騒と粗雑だ。良い。
ところで歩道に立っている人たち、もしかしてここの待ちじゃないの？賑やかはいいけど座れないのは困るね。
友人「ﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞﾖ〜って言ってたから予約したことになってると思うけど。あの人店員さんかな？聞いてみよう」
あの人って・・なんで中華屋さんがパックマンのTシャツ着てんの？・・う〜む、心配だ。
ガレージの真ん中辺に空いているスペースがあると思ったら、そこが我々の席だったようで案内してもらえました。本物の店員さんだった、ありがとう。
無事に座れたところで飲み物をお願いしましょう。日本酒なんてモノは無さそうなので、とりあえず焼酎ハイボールを芋で願います！
店員さん「ムギ？イモ？」
芋です、イ・モ！よろしくね。
友人「餃子屋だから餃子と水餃子は頼むでしょ？水餃子おいしいからね。あとはね、蒸し鶏が名物ってことになってるの」
中華の蒸し鶏は大好物！いきましょう。お腹が空いているので炭水化物もちょっと欲しい。焼きそば食べたいな、中華の焼きそば。
友人「たぶん思ってる焼きそばとは違うけどね」
えっ、どういうことだろ。なおさら見たいので頼みましょう。
空芯菜品切れという悲しい貼り紙があったけど、おすすめの鶏のピリ辛味噌炒めなんて十分代わりになりそうだね。
友人「でも蒸し鶏がね、バカの蒸し鶏なのよ。鶏はもういいわ〜ってなると思うから頼むの待った方がいいよ」
バカの蒸し鶏！じゃあとりあえず様子見で・・すいませ〜ん、餃子と水餃子、蒸し鶏、あと焼きそばをお願いします。
店員さん「お待たせ、餃子ね」
待ってねえ〜！吉野家の牛丼ばりのスピードで焼き餃子が出てくるってどういうことよ！
友人「バンバン注文が来るからね、のべつまくなしに焼いてんのよ」
なるほど熱々、焼きたてだ！いやしかしめちゃめちゃウマいな。焼いた側はパリパリ楽しく、裏面はもっちりとした見事な皮と焼き加減。細かく刻まれたアンは滑らかでしっかり味がついてウマい汁もたっぷり・・コレで290円って、そりゃ何皿も頼んじゃうよね。
ラー油が普通のラー油と半練り状の2種類あるのも楽しいところ。神戸の味噌餃子っぽさもほんの少し感じるような、そうでもないような。
名物の蒸し鶏ってコレか！ワハハ、間違いなくバカだ、バカの蒸し鶏だ。デカい鶏の上にネギソース？なんだか野菜ペーストみたいなモノがてんこ盛りだ。一人前の量でもなければ610円の量でもないぞ。
蒸し鶏と同時に焼酎ハイボールが来たぞ。ドリンクより餃子の提供が早いってのもスゴい話ですが、かんぱ〜い！
ブフっ、麦だコレ！まあいいけど、3回くらい確認したよね？面白い店だなちくしょう。
見た目はバカっぽいけど、しっとり感をバッチリ残してなんとお利口なお味でしょう。てんこもりネギソースは刻みたてネギと生姜で作った山形の「だし」のよう、業務スーパーの激ウマ調味料「姜葱醤」の上位互換というところでしょうか。サッパリとして鶏がバンバン進みます。冷奴に乗せたら夏の間なんて毎日食べてしまいそうだな。
友人一押しの水餃子はビックリ、驚くほど正統派のチュルンと来てパッと入るヤツ。下味も十分で酢もナシでパクパク行けちゃうね。
焼きそばも来たけど、これまたバカの焼きそばだった！軽く二人前はある気がするんですけど。
おっと、焼酎ハイボールが切れたので今度はロックで頼もう。何度も呼ぶのも悪いから芋のロック2つお願いしま〜す。イモ、イモね。
・・え、焼酎ハイボールと同じジョッキになみなみと来た！ロックでこのサイズなのか。氷より焼酎がはるかに多いし、色々すごいなホントに。
すごいと言えば焼きそば、すごい！粗雑の代表みたいな見た目なのにべらぼうにウマい！醤油味とか塩味とかそういった次元ではない、鍋肌と油の味！すっぽん屋の土鍋みたいに中華鍋から味が出ているのでは？
焼きそばとは名ばかり、野菜炒めのモヤシにあたるのが中華麺といった塩梅の変形野菜炒めです。油の滑りで飲むように食べてしまうというか・・よく分からんけどスゲー酒が進む。
白身魚しそ巻き揚げもさ、中の魚なんて何でもいいんだよ。衣のアブラと、塩胡椒味の素のミックスと思われる魔法の粉を楽しむ料理だ。
友人「焼きそばうまかった？じゃあ炒飯も頼もうか」
ちょっと待って、どんなオチか見えているけど・・面白そうだから頼もう！
ワハハ、想像を超えて粗雑でバカであった。さすがに一合とはいかないけど相当なもんだぞ。スプーンはハローキティだし何でもありだな。
んが、食べるとやっぱりすごく美味しい。米の一粒一粒に油が回った、パラパラとしっとりの両立。その油っぽさを帳消しにしてくれるレタスという見事な計算。
味付けはそこそこの塩とたっぷりの味の素と、やっぱり鍋肌！チャーシューが入らない分だけ薄味の部類になると思うけど、もし一人で完食するなら最後まで美味しいのはこのくらいなんだろうね。
驚いた。八宝菜を頼んだら色鮮やかな優等生が来た。量は若干バカっぽいけど。イメージ通りの中華料理って水餃子とこの八宝菜だけなんじゃないだろうか。
乱暴な炒飯と上等な八宝菜を組み合わせれば、三宮スペシャル中華丼になるってわけだ。コレがあんまりウマいので、また芋ロックを二杯頼んでしまった。
これだけ飲み食いしてまだ40分くらいしか経過していないとか、どんだけ料理が出るの早いんだ。瞬く間にお腹いっぱいでほろ酔い加減、リアルせんべろは満園さんとみつけたり。
友人「気に入ったなら良かったよ。他にも食べてほしい粗雑な焼きそばがあるから、そのうちランチかなんかで行こう、早めに」
いいですね、神戸粗雑ツアー。ところで早めにって、その心は。
友人「お店がいつまであるかわからないのよ」
粗雑系の老舗はそこなんだよな〜。行きましょう、早めに。
餃子屋 満園（2号店） 兵庫県神戸市中央区三宮町2-11-1 センタープラザ西館 1F