神戸四泊の二泊目、晩酌の時間がやってまいりました。昨日は貝のつぼ焼きを食べようと思っていたはずが脱線してしまったので、今宵こそはと勇んで湊川公園駅の方面に向かいます。
昨日ビビビと脱線したちぢ金さんを過ぎてすぐのところで、またビビビと来てしまった。なんですこのThis is 昭和な雰囲気は。端的に言えば、赤羽一番街にありそう。
たまらずに白く輝くノレンをくぐってしまったのは「丸萬」さんです。まだ5時前、明るいうちから入る居酒屋はたまらんぞなもし。
厨房を取り囲むような長いカウンター席、さらにその周りにテーブル席。全部で40席くらいはあるのでしょうか。テーブルにはすでに酔っ払っている方もチラホラ。カウンター席に陣取りメニューを‥卓上にはないのか。
壁メニューを見てみると、焼き鳥とお寿司がメインなのかな?
厨房上方の黒板メニューには海鮮強めの居酒屋といったメンバーが揃います。サバ生ズシってなんだろ、頼んでみよう。
ところで飲み物メニューはどこなんだ。「とりあえずビール」体質なら楽なんですがね。店員さんが来ちゃったから、え〜と冷たいお酒‥冷酒をお願いします。
店員さん「普通のと山田錦と吟醸があります」
山田錦は純米ということだろうか。よし、それで願います。
あっという間にサバ生ズシが登場。生ズシの正体はシメサバ、大好物だバンザーイ。
後から来た人のほとんどが最初に頼んでいたので、もはやお通しに近い存在なのでしょう。そういえば昨日も今日もお通しって出ないようだけど、湊川あたりはそういうもんなのか。
山田錦は白鶴の特別純米でした。灘が近いだけに白鶴専門のようです。
脂のり良好のサバを軽く締めた生ズシ、なんというツマミパワーでしょう。添えられたキュウリですら酒が進む。なるほど、これが350円ならお通しなんていらないね。
300円の漬物も想定の2倍くらいの盛りだった。生ズシと漬物で二合いける。なんだよ、真のセンベロを見つけちゃったじゃないの。
黒板メニューのオバケってなんです?と聞いてみたらさらし鯨だそうです。しばらくお目にかかっていない、いただきましょう。
うまいのかなんだかよく分からんけどクニクニが楽しくて食べてしまうよね、さらし鯨。
鯨クニクニ、漬物ポリポリとやっていたらまさかのまさか、昨日隣席で一生タバコを吸っていた田山幸憲似のおじさんが入ってきた。席に座ると同時‥どころか、火をつけながら座る勢いなので間違いなく同一人物だ。ひえ〜、またケムリを喰らわされるのか‥
注文もしないのにサワーと小さなお皿がサーッと出されたので、きっと常連中の常連なんだな。5時くらいにこの辺の飲み屋に現れる妖精なのかもしれん。
生ズシが350円なのに焼き鳥の若鳥ももが650円ってどういうことだろ。価格設定の謎を解くため頼んでみたら、もも一本丸ごとデーンと来た!串の焼き鳥が数本単位と思ったらこう来たか!
マッチョな食感の若鳥にしっかり甘辛のタレと山椒が効いて、そのうめえこと食べごたえありすぎること。ももをちょっとかじって山田錦、漬物を挟んでさらし鯨で山田錦、ふは〜!
イカゲソ焼きを頼んだら、こっちは串なのかい!あっさりと塩とレモンで、これぞまさしく酒の肴。イイデスネ。
本日の田山幸憲さん、席が少し離れているのと空調の風向きのおかげでノーダメージ。よし、バンバン吸ってくれて構わないぞ。しかしホントに飲み食いもせず吸い続けだね‥
他のお客さんが揃ってお寿司を頼みはじめた。名物なのか。それではこちらもと思ったけど、お寿司の注文が重なって時間がかかるそうなので、
すぐ出そうなチーズをお願いしました。間違いなくすぐ出てきたのはなんじゃこりゃ、巨大プロセスチーズのぶつ切りじゃないの。ワハハ、350円でこの盛りっぷり、いくらでも飲めちゃうヤツだよ。
こういうお店で長っ尻はよくない、1時間ちょっとでごちそうさま。まさしく居酒屋な雰囲気でどれもお安い、良い飲み屋さんだなあ。早い時間からヨパラーイ(ごく一部チェーンスモーカー)が揃うのも納得です。次に来ることがあったら最初からお寿司を頼もうと心に決めたのでした。
丸萬 兵庫県神戸市兵庫区福原町27-5