宇都宮の秘密基地で良い酒と良い肴をいただいた翌日は‥京都に行くんだった。あいかわらず予定の立て方がヘタというか雑というか。
熊谷駅まで車で行って新幹線に乗るワケですが、その前に朝昼兼ねて何か食べておきたい。でもさすがに少し胃が重いような‥あれだけ飲んで食べたらそりゃそうだ。
朝の9時くらいにはもう開いていて、スルッと入ってそこそこお腹にたまる。そんな都合の良いお店、はたして宇都宮にあっただろうか。
とりあえず朝から開いているということで頭に浮かんだのは、ユニオン通りに入ってすぐにあります「『今日、うどん』」さんです。たぶん『』も店名に入るのではないかと。
スルスル入ること間違いなしの朝うどんをいただいて、昼頃に新幹線で大船軒のサンドウヰッチという軽食連環の計、いいんじゃないか?
9時ちょうどくらいに入店したら先客が2組。空いていた奥のテーブルをいただきメニューを見ます。あら、少し変わったような気がする。ご時世的にお値段も少し上がったような。
メニュー変更後にそうなったのか9時を回ったからか、レギュラーメニューもお願いできるそうです。そうすると話が変わってくるな。昼のサンドイッチは抜き、ここの一食でしっかり満足の一杯、もしくはセットをいただこう。
宇都宮かまたまにバターをつけて、さらにスープ水餃子追加という宇都宮らしいゴージャスセットかな?いや待て、ちからもちうどんがあるぞ。食べやすいうどんと腹持ちの良い餅の一挙両得、コレだ!
好物の天かすをトッピングしようとしたら、「ちからもちうどんには最初から入りますから、食べてみて足りなかったらどうぞ」と教えていただきました。
お茶は一杯目は温かく、おかわりはゴクゴク飲める冷たいもの。注文の件といいお茶といい、石田三成もビックリのホスピタリティだ。
この辺で入ってきた子連れの方にサッと広めのテーブルを譲る先客の方。う〜む、お店全体が良い雰囲気ですね。
やって来たちからもちうどんがこちら。なるほど、餅がセパレートで出るたぬきうどんだったか。天かすトッピング不要なワケだ。
北関東らしい色の汁が頼もしい。天かすは青のりらしい緑が見える。特別養殖でしょうか。
かわええロゴが見える配置も心憎いちからもち。海苔が別添えで楽しみ方が広がりますね。陸の上でまず磯辺焼きとして食べて、残りの餅と海苔をうどんに投入という手もできるわけだな。
まずは汁をひとすすり。単純にカツオだけではない、少し未知な風味もある面白い出汁にキリッと切れる濃口醤油。いつでも良い仕事をしてくれる天かすは青のりパワーで香ばしさまでアップ!
ところどころ粒が見えるということは全粒粉なのかな?すべり良くなめらかな縮れうどんは粉の風味がしっかり。
ごん太な武蔵野でもコシの讃岐でもヤワヤワな博多でもない独特な麺。これが宇都宮うどんという新名物か。
キュウリは塩もみのフリをして浅漬けピクルス風。横の七味は異国七味だそうで、少しカレーを感じる素敵な味変担当です。
餅はどう攻めよう。最初の一個はざるうどんのように半分くらい汁に浸して食べてみよう。
異国七味と出汁をまとったヤワヤワ餅はどこかで見たような‥そうだ、包丁人味平の雑煮カレーだ。ビヨーンとやたらと伸びる餅まで再現しちゃったメニューに宇都宮で出会えるとは思わなんだ。
2個目の餅はドボンと投入してさらに汁を吸わせることに決定。もっとヤワヤワでビヨーン、ビッグ錠先生の描くお餅そのままになることでしょう。
うどんと餅の大半をやっつけた頃合いに第二の味変、特別酢!昆布酢にニンニクが入っているのかな、これまた七味と同じように異国な雰囲気です。
なんとも不思議にエスニックな風味を広げる特別酢と後入れの海苔で、スーッと染みこむ滋養のスープと化しました。この頃になると揚げ玉も完全になじみまして、なんだか食べたことないお粥のようなおもしろスープじゃないか。トッピングと味変による千変万化が宇都宮うどんの必殺技なのか。
おかげさまですっかり胃腸が元気になりまして、結局新幹線でも軽食を食べてしまったオマケつきでした。間違いなく腹持ちは良かったのに、朝うどんの胃を元気にするパワーが上回ってしまった!
『今日、うどん』 栃木県宇都宮市伝馬町2-20