筑波嶺を見ながら鴨汁そばをいただき、ウイスキー蒸留所を見学して、即身仏をお参り‥茨城観光のB面・海無し編みたいな感じで良い一日でした。
シメは栃木に戻りまして、宇都宮の肉の象徴みたいなお店でステーキなどいただくとしましょう。
オリオン通りからかまがわプロムナードに抜け、たどり着いたのは「びふてき 洋食 存じやす」さん!北関東のステーキといえばほとんどが「宮のたれ」ライクの和風おろし野菜ソース。その発祥の店がこちら、存じやすさんなのだそうです。
あの白メシとステーキの結びつきを最強にするソースの元祖!最近宇都宮に来ることが増えたので、ぜひとも来たいお店でした。
土曜のディナータイムだけに満席のようで予約しておいてよかった。フレンチとステーキハウスのちょうど間のような、上品でありながら適度にガヤ感もある居心地の良い空間です。
「びふてき 洋食」ですからね。洋食の部分もいただけるようコースでお願いしました。6,000〜12,000円と2,000円刻みのところ、12,000円の極(きわみ)コース。いきなりテッペンを獲るのだ。
そんなわけで飲み物だけ注文しましょう。洋食コースということはブドウのシュワシュワがいいのかな。
ボトルならぬグラスで出してくれる泡はこの辺ですか。お手頃価格で嬉しいね。
ブルエット プレステージなんとか、2番をくださいと番号で言えば通じるので楽チンなり。念願の存じやすさんに到達おめでとう、プロージット!
ブドウなのにモモのような甘味と柑橘のような香り。これは危険、ボトルで頼んでも空いてしまったかもしれん。酒屋で見かけたら買おう。
まずは自家製ハムの盛り合わせ。どうしよう、いきなり四人前くらいお土産で包んでくださいと言いたくなる極上ハムが出ちゃったんですけど。バゲットに全種乗せして朝食にしたい、切実に。
天使のエビとサーモンのサラダ仕立て。清々しい酢で映えるサーモン!甘味が濃すぎる天使のエビ!こいつは泡で大正解でした。
というわけで泡が空っぽ。次は‥
親の顔より見たかもしれない惣誉に「存じやす限定酒」なんてお初の方がいらっしゃる。ちょっとワインをすっとばしてお願いしてみましょうか。
はえ〜、大吟醸って華やかな香りと澄み切った軽快な風味のお酒が多いけど、これはまるで別物だね。ものすごい熟成感にチョコのような濃厚さ。これ好き。限定と言わず市販してください。
次のお皿は和牛たたきです。体温で溶けてしまいそうに軽やかな脂はなんですかコレ。さらにニンニクがしっかり効いた醤油だれのうまさたるや‥たたきとたれで丼にしたら特盛り不可避だ。
ニンニク醤油と和牛の脂ということで、濃厚な日本酒を頼んで大正解!これぞマリアージュというやつだね。
お次は白いので行きますか。14番、リースリング クラシックを願いま〜す。
お酒を飲み始めた頃、サブウェイのフットロングと白ワイン一本という食事にハマりましてね。いまだにワインといえばスッキリした白が好き。三つ子の魂というやつです。
ここで出たのはフォアグラのクレームブリュレ!フォアグラならアルザスで正解だ、たぶん。
ふわ〜、ほんのり甘くて本当にクレームブリュレで‥こんなに軽くてレバーを感じさせないフォアグラ初めて。おかげで辛口の白がピッタリじゃないか。問題はアレだ、バゲットがまるで足りないもっとください。
いよいよメインが近づいてきて、ステーキの前のサラダですって。
やや、このニンニクが効いたオレンジ色のドレッシングは知っているぞ。東武宇都宮百貨店の地下で売っている存じやすのフレンチドレッシングにソックリな味だ!‥って、そりゃそうだ、そのリアル店舗にいるんだもの。
このフレンチとコールスローと、
そして主役のこちら、あらゆる肉をおいしくする存じやすのたれが売っていますので、東武宇都宮駅をご利用の際は地下食品コーナーへどうぞ。
というかステーキソース来ちゃったじゃないの。赤だ、赤を呼べ〜。
グラスの赤ワインはここか。名前を知っているところでE.ギガルのクローズ エルミタージュ ルージュ、24番をいただきましょう。
その昔、芦屋のフレンチでE.ギガルの赤をいただいた記憶があるのです。あの時は羊だったような。お高いわけではないのにパワフルでスパイシー、色々な肉に合いそうだな。これも酒屋で見つけたら買おう。
さあお待ちかね、メインのステーキ!極コースの場合、極和牛のロース100gかヒレ80gを選ぶことができます。和牛のステーキならヒレ一択です、はい。
店員さんが熱々の鉄皿にソースをかけて紙をかぶせ、目の前でステーキを完成させてくれました。脳内に響く「上手に焼けました〜!」
長い面白いカットだなと思いつつ、横から見て納得しました。80gでもステーキらしい厚みを担保してくれているわけですね。
いざ入刀すれば何の抵抗もなく切れてしまう。ステーキナイフではなく脇差だったのかしらとビックリ、にっかり。
まさしくレアという注文通り、この上もなく美しいピンクの断面をみれ〜。
今年の四半期でベストの肉来ちゃった!馥郁たる和牛の風味、絹も恥ずかしがる滑らかさ、そして肉のうまさを何倍も増幅してしまう、玉ねぎと醤油が効いた存じやすのたれ!もちろんイモやナスまで極上のツマミと化します。魔のソースとしか言いようがない。
この和牛のウマ汁とたれが残った鉄皿で炒めご飯を作ってくれることになっているので、少々肉を残しておくのが「存じやす通」らしいですが‥残せるかこんな肉っ!この大バグ者っ!
ああよかった、少し肉の切れ端を足して仕上げてくれました。これは何ていうんだ?炒めご飯かガーリックライスか‥とにかく肉・ニンニク・玉ねぎ・醤油が香るうまいメシ。
チャーハンより中華お焦げに近いほどしっかりパリパリ。そして一粒一粒に肉とたれの旨味が染み込んで、うまいなんてもんじゃない、うますぎる。フグやスッポンのように、シメご飯のためにコースを食べるまであるかもしれない。
デザートはティラミス。ふう、ドッカンドッカン続いたうまさの絨毯爆撃をスーッとクールダウンしてくれるぞ。
アイスコーヒーもおいしいね。友人はエスプレッソですか。ではイタリア風の食後ということで、
グラッパでキリッとシメますか〜ッ!ドリンクメニューにごく普通に書いてあるのが素晴らしいわね。
もう大変、五臓六腑どころか足の指先まで満足感が染み渡りましたよ。毎月来たいレベルで全部が好きな味でした‥ウワサによると「超極 存じやす」さんなんてさらにとんでもないお店があるんですよね。絶対行く。
食後はすぐ近くにあるバーで半世紀前のウイスキーなんて飲ませていただきました。このお店のこともそのうち書かなきゃね。
びふてき洋食 存じやす 栃木県宇都宮市中央5-9-2