10月末だというのになんだかまだ暑かった頃の話です。
「何ゴロゴロしてるの。うなぎ買いに行くよ、うなぎ」
のんびりあつ森をやっているところに水を差すのは母じゃないですか。そうですね、近大がうなぎの完全養殖に成功したというニュースも耳に新しい。ひと足早く大ぶりのヤツをいただいて、大量生産成功祈願とまいりましょうか。
さっそく電話で取り置きをお願いしたら出発、那珂川町の林屋川魚店でうなぎを購入します。うなぎとなると100キロ以上離れたお店についてくるのだから母も大したものです。
もっともうなぎを買いに行く時に必ず寄る「道の駅きつれがわ」での買い物、そしてこちら「そば処 一徳」さんでのランチも楽しみなのでしょう。
いつも開店の11時を回ると駐車場がいっぱいになりそうな勢いですが、この日は天気が悪かったせいか先客はひと組。6人用の広いテーブルへどうぞとありがたいお言葉をいただきました。
こちらはご当地馬頭産の玄蕎麦を使った碾きたて打ちたて。みずみずしく風味豊かなので、冷たいそばでいただきたいところ。
「新そば」なんて張り紙が出ていたらせいろの大盛りにしようと思っていましたが、見当たらない。この辺の新そばは11月くらいからかな。
新そばには早かったとなると、カレー南蛮やニラ玉といった変化球メニューをつけ麺に変更してもらう手が浮上してくるわね。
おおっと、冬の風物詩けんちんそばがあった!しかもつけ汁可!雨で少し涼しいというのもあるしコレにしよう。
けんちんそば(つけ汁に変更)の登場です。普通のかけそばが入りそうな丼になみなみと入ったけんちんつけ汁が頼もしい。
こちらのおそばは他店の大盛りみたいな量なので、いきおい汁も多くなるわけか。
いや〜、相変わらず濡れ濡れつややか、活きの良いおそばだなあ。
まずはそのままズズッとひとすすり。ふわわ〜んとそばの香りが鼻に抜けて、こんなの新そばと言われても納得してしまうよ。軽く噛めば甘味が広がり、勝手に喉を滑り落ちていく。気持ちいい〜!
丼いっぱいの大迫力的けんちんつけ汁。ネギ豆腐キノコ芋大根にんじんとヘルシー部隊がゴロゴロたっぷり。
そばの半分ほどをひたしてすすりこめば、冷たいシャッキリ部分が心地よく、温まった所は汁のおいしさとそばの甘味アップのコンボがたまらない。
冷たいそばを温かい汁で食べるのがすっかり好きになりました。鴨せいろ食べすぎだからな。
掘れば掘るだけ具が出てくるぞ。一日分の根菜は摂取したも同然。
コレ芋がらだよね?最近すっかりお目にかからなくなったけど、けんちん汁という居場所があったんだね。腸内の掃除をよろしくお願いします。
そばをたいらげ具もきれいにさらって、さあシメだ。
けんちん汁と言ってもつけ汁用の濃度だから、少し蕎麦湯をさした方がいいかな。アチチ、ああうまい。全部飲んでしまいたいけど器がデカいから半分くらいにしておきましょう。
ふは〜と顔を上げれば汗がタラタラ。けんちん汁ってあったまるなあ!大変美味しゅうございました。
そして晩飯はうなぎですよ。林屋さんは白焼きをタレで煮る煮うなぎ。煮ると炭火の香ばしさが蘇って絶品の蒲焼きとなるのです。かの岸朝子さんもお取り寄せしていたとか。こちらも大変美味しゅうございました。完全養殖大量生産、お待ちしております。
そば処 一徳 栃木県那須郡那珂川町松野1001-1
林屋川魚店 栃木県那須郡那珂川町小川171-8