今回は飲み会記事のため、会話部分は「こんな話をしたかもしれない」程度ですので、気にしないでください。実は食べ物の記憶も曖昧ですが、ウマすぎて飲みすぎたからです。とにかくウマいです。
「Switch版サリーの法則」等の音楽を手がけるスーパー作曲家であり、焼き鳥道五段の猛者でもある二天一流のS葉さん。焼き鳥の方で昇段をかけた勝負の日がやってまいりました。決戦の場所はどちらですか?
S葉「本日は麻布十番でお願いします」
なお今回の昇段審査にあたり、審判長は馬刺し八段のわたくし。そしてゲスト審判員としてゲーム作家のお二人であるHげた氏とKきゃわ氏をお招きしております。
Hげた「焼き鳥関係者が一人もいないですね」
黙っていればわかりませんって。えーと、昇段のルールは「審判たちがウマさに震えたらよし!」とシンプル。でも段位が上がるごとに、必要EXPが多くなります。例えば三段以降はスゲー店を5軒くらい連続で紹介しないとダメなんです、たぶん。
S葉「麻布十番の飲み屋といえばココ!と言われている代名詞的存在、あべちゃんで勝負をかけようと思ったのですが、本店には予約というシステムがありません。なので予約ができるこちらにしました」
「あべちゃん 別館」さん‥!ウン十年タレを継ぎ足しつづけてツボがえらいことになっている、あの「あべちゃん」さんの別館ですか!こっちは予約OKなんですね。いきなり高ポイントを叩き出しますね!
Kきゃわ「ツボがえらいことに、というのは?」
焼く時にタレがツボにかかる、また焼くとかかるを繰り返して、ツボが巨大化というか、モンスター化しているのです‥「あべちゃん ツボ」でググると面白い画像が出てきますよ。
Kきゃわ「どれどれ‥うわっ、すごい!暖簾と一緒にこのタレを分けてもらってるんでしょうか」
きっとそうんですよ。楽しみだなあ。
ビルの2階の店はカウンター席が10席くらい、テーブル席が5・6卓でしょうか。予約した旨を伝えると、テーブル席に案内してもらいました。すごく綺麗でいい感じの店舗ですね。
Kきゃわ「老舗の焼き鳥屋さんというとなんとなくベタベタしてそうな感じですが、ピカピカですなあ」
ドリンクメニューの表側は写真撮り忘れた‥生ビール・瓶ビール・ハイボール・サワー類と日本酒でした。日本酒は大関だけですね。はい、生の人は?
「・・・・」
まあ0次会もやりましたしね。裏面は焼酎とか紹興酒(!)ですか。私はとりあえずいも焼酎をロックでいただきましょう。
Hげた「僕も」
S葉「ウーロンハイで」
Kきゃわ「マンゴーサワーっすかね!」
そんなのあった?ああ、表か‥写真撮り忘れた。
はーい、二度目のかんぱーい。ふと気がついたけど、お通しがないのね。気の利いたお通しが出ると嬉しいけど、いっそナシにしてしまう潔さも良い感じです。
S葉「では食べ物を頼みましょう。牛もつ煮込みは必須でしょうが、はくさいマンもいきたいですね」
しらすおろしもいきましょう。焼き鳥に大根おろしはよく似合う。
Kきゃわ「厚焼玉子が築地松露とありますぜ」
あの甘くてウマいやつですね。よし、注文だ!
Kきゃわ「焼き鳥というかやきとんがメインなんですね。やきとんを焼き鳥と言い張る東松山とはちょっとちがうんすかね?」
カシラがあるからそれで違いを見ましょうか。あとはももにとり皮、シロもいいなあ。
S葉「1串170円と高くはないですが、国産牛ハラミだけ迫力の値段ですね。頼んでみましょうか」
店員さん「ハラミは今日切れてしまって‥」
あら、残念なようなホッとしたような。ちなみに串は二本からの注文になるそうです。
尖兵としてやってきたのは牛もつ煮込み。赤味噌バッチリっぽい、見るからにうまそうな色でやってまいりました。
Kきゃわ「このフルフルっぷりはヤバいヤツですぜ‥!」
たまりませんな‥いただきましょう。
見た目の通り濃い味つけにぷるぷるしてとろりと来るモツ‥!焼いてあるので味は染みても煮崩れない豆腐‥!これは最近のもつ煮の中でトップクラスに好みなヤツだ‥!
Hげた「汁ごとご飯にざばざばかけたくなりますね」
なんでも白ご飯で解決するのは日本人の悪いクセだっ!‥と言いたいけど‥
Kきゃわ「やりてえですね、ソレ」
うん。
焼き鳥軍でまずやって来たのはとり皮ですが、これはアカンやつですね‥!
Kきゃわ「大ぶりな皮、タレによるコゲと照り、なんでかお尻にあるネギ‥!こんな完成度のとり皮串は初めて」
S葉「香りも楽しんでください」
そうですね。たぶん炭火焼ではなくガスですが、ガス焼き鳥も極めると素敵な香りを楽しめるのね!適度なコゲの香りにヨダレが止まりませんぜ‥!
そしてコレは‥なんだっけ?完全に忘れたけどめっちゃめちゃウマそうでないの?
Kきゃわ「タレか塩か?と聞かれて全部タレ!って答えたのオーヤマさんですけど、正解でしたね〜」
継ぎ足しタレにどんな意味があるのかよくわかりませんでしたが、今回で理解しました。鳥の脂や旨味が溶け込みまくっているわけですね‥!そして毎日加熱するから劣化もしないワケですね‥!見た目よりさっぱりした甘辛のタレに、トリの旨味がズガンと来る!
S葉「スッポンを煮続けた鍋そのものがウマいように、トリを漬け続けたタレそのものが味なのです」
あれ、これがカシラだったかな?タレたっぷりでみんな大ぶりに切られていてよくわからん。
Kきゃわ「東松山のカシラは塩で焼いて辛味噌ですが、こちらは完全にタレだけで味噌はなしですな」
ゴリゴリ迫力の歯ごたえと、ウマウマなタレがたまりませんな。もしかしてこのタレ、無双‥?
とんでもないウマさの焼き鳥を楽しんだら、みんな大好きしらすおろしでサッパリしましょう。いや、大根おろしってウマいですよね‥なにがウマいのかよくわからない味ですが、とにかくウマいですよね‥
築地松露の厚焼玉子がいらっしゃいました。ウチの母はたまに築地に行くと、こちらを買ってきます。
S葉「厚焼玉子って手間がかかるメニューですけど、あえて仕入れただけというのは潔くていいですね」
そうですね。モツを煮てトリを焼く、あとは知らん!というこの美しい姿勢は素晴らしいです。他の調理は不純物‥!焼き鳥界の範馬勇次郎か。
こちら別館のオリジナルメニューという「はくさいマン」も、生の白菜に塩昆布とほんのりごま油と醤油をかけただけの、シンプル極まりない一皿。
Kきゃわ「おいひぃ、おいひぃよぉ〜」
コレはめちゃめちゃウマい上に、自宅でもマネしやすいですね!ありがたやありがたや。
コレはシロと、なんだあ〜?
Hげた「審判長、酔ってませんか?」
ええ、順調に記憶を失っていますとも。とにかくいただきましょう。
なんですかこのシロ!普通は塩で注文のメニューでしょうが、この美しさ、タレ以外の選択肢がない‥!シロくもなんともないけど。
クニュクニュコリコリとした健康的な歯ごたえと、タレの圧倒的旨味が焼酎を呼んでなりません。芋をロックで2つ〜!!
Hげた「審判長、お酒がすすむのはわかりますが、そろそろ昇段審査を‥」
おお、そんな時間?そうか、お席は2時間程度でということでしたね。では審査‥お値段も味も雰囲気もつけいるスキなし!異議なく即昇段!と言いたいところですが‥
Kきゃわ「が?」
規定種目であるせせりがなかったので、そうだな‥ワイに指相撲で勝ったら昇段!
Kきゃわ「なんすか、そのふわっふわなルール」
S葉「わかりました、受けて立ちましょう‥!」
Kきゃわ「えっ?しかも受けるんですかい?」
Hげた「はーい、ハッケヨイ!」
えいっ、このっ!ああっ‥やられた‥
Hげた「ただいまの決まり手は上四方固め、上四方固めでS葉富士の勝ち〜」
というわけで二週間前に五段だったS葉先生、あっという間に六段に昇段。
Kきゃわ「将棋の天才少年みたいなペースですな」
S葉「勇猛邁進、不撓不屈、不惜身命で焼き鳥道に精進いたします!」
あべちゃん 別館 東京都港区麻布十番2-2-8 2F