ゲーム音楽を中心に活躍されているS葉さんと美術館に行くことになりました。S葉さんといえば音楽も素晴らしいですが、実は焼き鳥道の達人でもある。これは昇段審査もやらねばいけませんね。
S葉「望むところです。もうお店は用意してあります」
それは頼もしい。ではゲスト審判員を2名ほど集めましょうか。
というわけで、スマホのゲームを出しているけれど本職はよく知らないHげたくんと、同人ゲーム作家のKきゃわさん、4人でぞろぞろと六本木の国立新美術館へ。本物のイレーヌ・カーン・ダンヴェールちゃんにノックアウトされました。
Kきゃわ「俺は1枚だけあったロートレックさんのポスターにメロメロです。あのシャレオツ感は現代でもぶっちぎりですな」
S葉「焼き鳥でも食べながら感想をぶつけあいたいところですが、予約の時間は6時半なんですよね」
えーと今は‥ワハハ、5時前だ。お店は麻布十番でしたっけ?テクテク歩いてテキトーなお店で0次会でもやりましょう。
麻布十番の街に来ると、そうだった‥永坂更科さんとかあるのでした。こりゃ〜目移りしますな。
Hげた「あっ、ここ飲み屋さんだけど、もう開いてそうですよ」
Kきゃわ「ナマズ呼吸?」
S葉「鰓(エラ)呼吸、ですね。魚のお店なのでしょう」
焼き鳥の前に軽くサカナというのもいいですね。ここにしましょう。「鰓呼吸 麻布十番商店街」さんに入店です。
威勢のいい店員さんに案内されて、奥の座敷席へ。飲み物‥0次会の最初だからとりあえず竹鶴ハイボールかな。
S葉「電気ブラン、ソーダ割りで」
電気ブランあるのか!しかもいきなりそれか!さすがS葉さんだ。
Kきゃわ「いつも一杯目は飛び道具みたいなモノを頼みますよね‥!」
日本酒や焼酎もなかなか渋い品揃えです。群馬が誇る尾瀬の雪どけに個人的に大好きな山形の白露垂珠。泡盛もザンクロがあるから早くハイボールを飲み干さねば。
というわけで、イレーヌちゃんにかんぱーい!
Kきゃわ「ロートレックにかんぱい!」
Hげた「睡蓮にかんぱい!」
S葉「やはりイレーヌ嬢にでしょう。かんぱい!」
店員さん「はい、お待たせしました〜」
あれ?まだ飲み物しか頼んでおりませんが。しかも刺身五点盛りとか、どこのテーブルと間違えましたか?
店員さん「こちらお通しです」
Kきゃわ「ぐむっ?コレがお通‥し‥!?」
なん‥だと‥?しかも生しらすがあるし、マグロも上物。なんですかこのお店!ちなみにお通しは480円だった、と思う。300円で切り干し大根モドキが出てくるお店の50倍は幸せです。
Hげた「すると僕が頼もうとしていた刺身盛りは‥」
とりあえずお通しが片付くまで見送りましょうか。あ、箱盛りのウニとかイクラがある。インスタ映えだ。
Kきゃわ「カニ味噌甲羅焼きとか、磯○さんを思いだす」
0次会といえば磯○ですからね!24時間開いている、どこにでもある、店員さんの服が妙にかわいい。でも今日はそこから離れましょう。
えーと、他のメニューは‥おすすめメニューがこの数?しかも日付が入っているということは、毎日ちょっと違うのか、もしかして?
S葉「実は本腰を入れて飲めるお店のようですね」
Kきゃわ「セロリの浅漬け、生かぶポリポリあたりが気になりますな。春アスパラ焼きもウマそう」
Hげた「初カツオと新玉ねぎのサラダが‥」
私は初わかめのしゃぶしゃぶかな?
S葉「あれ?カツオ以外エラ呼吸がいませんよ?」
本当だ。なんだこのベジタリアン集団。
まずは初ガツオと新玉ねぎのサラダ。「初」に「新」とフレッシャーズが揃いました。
Hげた「この一皿に春が揃った!」
ニンニクはどうなんだろ?とにかく初ガツオらしいさわやかな風味と、生でも甘い新玉ねぎに良い塩梅のポン酢。完璧な組み合わせでお酒がすすみます。いつの間にか泡盛を飲んでいるのは内緒ですが、これには日本酒だったな‥
セロリの浅漬けは言うまでもなくさわやかすぎて、己の原罪まで洗い流してもらえそうです。
Kきゃわ「セロリうまいよセロリ。ぽりぽりぽりぽりぽりぽりぽり」
生かぶポリポリも来た。
S葉「思いっきりそのままのカブが来ましたね」
なんだかんだで漬けてあるカブかと思ったのですが、柔道一直線、生カブ一直線でしたね。
Kきゃわ「赤い東松山っぽい味噌で食べるんですかね?」
赤い味噌を見れば豚カシラにつける辛味噌と思うのは、埼玉県北部の人の悪い癖ですよ‥私は横のわさび漬けが気になる。生のカブにわさび漬けをのせて食べるとか、絶対ウマいでしょ。
たっぷりのせてコリっとかじったら‥ふはー、わさび漬けに見えたけど、マヨネーズに切り昆布だった!いや、すごくウマいんだけど‥鼻ツンに備えた私の覚悟を返して!
Kきゃわ「あー、このカブはありですわ〜ぽりぽりぽりぽりぽろりぽりぽり」
Hげた「ぽろり?」
そしてカセットコンロと共に、お楽しみの初わかめのしゃぶしゃぶがやってまいりました。実はわかめのしゃぶしゃぶ、好物なのです。
S葉「これは初めてですが、どう食べるのでしょう」
なに、しゃぶしゃぶですからどうもこうもありません。
このようにしゃぶ〜とワカメをダシに泳がせると綺麗な緑色になりますから、そしたら引き上げてポン酢でいただきます。
Kきゃわ「ほえ〜、楽しそうですな。やりましょ」
Hげた「洗濯するアライグマのような手つきでしゃぶしゃぶ、しゃぶ‥」
お、さすが。
やあ、いい色になった!パクリと食べると、肉厚で良いワカメだ。こりゃーうまい!
S葉「480円と安いしワカメはたっぷりの量があるし、ツマミ能力高いですね」
このお店、どれも安くてウマいなあ。今回は0次会だからこんなところで終了ですが、メインで来てもいいお店だ。
Kきゃわ「エラ呼吸だけど、おやさい80パーセント強でございました。鰓と気孔呼吸に改名ということで」
ほとんどの野菜、頼んだのはあなたよっ!まあいいや、次のお店で動物性タンパク質をたっぷりいただくとしましょう。
S葉「とっておきの焼き鳥をお見せしましょう‥」
鰓呼吸 麻布十番商店街 東京都港区麻布十番2-3-2