ボカロPのM崎さんに会うために来た関西ですが、寄り道してメシと酒ばっかりで、なかなかたどり着きません。
京都で極上の日本酒をたくさんいただいた後、怪しげなゲームバー(?)で月下の剣士などやりながらラフロイグを一杯…いやちょっと待った。ホテルは滋賀の大津市ですよ!終電、終電〜。
なんとか間に合って就寝。翌朝は…おお、二日酔いナシ!やはり良い酒は残らないのか。
これなら美味しくモーニングを楽しめる〜と街に繰り出したはよいのですが、狙っていた喫茶店に「本日11時開店」の札…あらら。
では行ったことあるお店があるからそっちにしよう。テクテク駅前に戻ってきたら、あれれ?「ちょっと早めの7:00から」という嬉しい看板があるじゃないですか。
昔も今もずうっとおいしい力餅…ほう、餅ですか…たいしたものですね。軽い朝食のかわりになるかも。
店名は「大津絵観處甘處」か「むろんお餅のたべ處」か…どちらでもないか。看板を含めてやたらと情報量が多い店舗です。
やっと店名にたどりついた。創業明治二年、「三井寺力餅本家」さんだそうです。では入ってみましょう。
持ち帰りがメインで、イートインできる席もあるよ〜という造りですね。えーと、メニューはあるのかな?
やあ、テーブルの上にあった。力餅とお茶450円、力餅と抹茶650円、あとは力餅ソフトクリーム450円。とにかく力餅オンリーのシンプルなメニューです。餅は餅屋ということか(違う)。
写真を見たところきなこもちっぽいので、お茶がよさそう。力餅とお茶のセットをお願いしましょう。
カウンター前には大津絵が飾ってあるようですが、陽の当たらない人間なので隅っこの2人用席に座って餅を待ちます。
なんでも注文を受けてから「餅をちぎって串に刺して蜜を塗ってきなこをかける」工程を行うそうです。なんて真っ当な商売をされているんだ。すごい。
壁にかかっているのは…力餅を持った鬼?ははーん、ここの力餅の由来に関係あるのだな?
調べてみたら鬼はまるで関係なかった。では由来は何かと言うと、日本中どこにでも出没することでは芭蕉翁と双璧とされる、かの武蔵坊弁慶!
脛を蹴られて泣いたり七回戻ったり松を逆さまに植えたり白紙を読むフリをしたり負け惜しみを言いながら地中に沈んだり…とかく多忙な方ですが、ここ大津市では三井寺の鐘を比叡山まで引きずったそうです。
そして結局その弁慶さんが力持ちだから力餅、らしい。
とか調べたりムニャムニャ言ったりしていたら、店員さんが力餅とお茶を持ってきてくれました。
うわー、時代劇に出てくるお茶屋さんのメニューそのまんまだ!きゃほ〜い。
小ぶりだけど、持ち上げると見た目に反してズッシリ重い。そしてワサーっと落ちるほど大量のきなこ!
やけに緑色なきなこですね…あとで原材料を見たら「大豆・青大豆・抹茶」だそうです。青大豆と抹茶の色なのね。
一口パクリ。うわっ、フルッフルだ!そしてゆよんゆよんだ〜!
も、餅なのかこれ?葛のかたまりじゃないの?口内の粘膜に蠱惑的すぎる攻撃をしてくるんですけど…!伝説の快楽お菓子、暖雪‥?
きなこは香ばしさ担当で、甘さは餅に塗られた蜜(たぶん水飴)が担当なんですね〜。上品な甘さとなんだかエッチ(?)な食感でいくらでもいけますよコレ。うまいうまい。
Kきゃわさんにも食べさせてあげよう。持ち帰りを3本願いま〜す。
店員さん「あさってまでに食べきってくださいね」
なるほど、原材料を見たら全力で無添加。このフルフル感はすぐになくなってしまうのでしょう。
甘さ控えめとはいえ、やはりきなこもち。3本いただく頃にはお茶が怖くなります。ズズーとすすってふ〜と一息。あ〜、ええ朝だなぁ…あれ?なんだか力が湧いてきたようだ。
茶屋で餅といえば、弥次さん喜多さんって餅ばっかり食べている印象があります。やはり宿場といえば茶屋、茶屋といえば餅、江戸の昔から旅人のエネルギー源は餅ということか!(あとお酒)
ここ大津は東海道五十三次のラスト、53番目の宿場ですしね〜。よし、エネルギー充填完了!出発、出発〜。
三井寺力餅本家 滋賀県大津市浜大津2-1-30