(撮影:O川)
ボカロPのM崎さんが買ったという紫色の服を見るために向かってしまった関西、続きです。
静岡市で寿司を食べまして、一路西へ。
Kきゃわ「M崎ちゃんに会うのは明日ですよね。今日はどうするんです?」
京都の友人に打診したところ、美味しいお店に案内してくれるということです。
Kきゃわ「ほうほう。誰でしょ?」
フリーのゲームデザイナーO川さんと、ソヴィエトと宇宙が大好きなゲーム作り学生のMッサくん。
Kきゃわ「おっと、鳥取に行ったメンバーですな」
河原町駅付近に集合して、向かうのは‥どこ?
Mッサ「駅からすぐ、錦市場より近いです。ほら着きました」
やけにおでんの提灯が多い通りにあるのは「益や酒店」さん。
新酒を表す杉玉が飾ってあるし、酒店だし‥これは…で、できる!できる店だ!
O川「僕も来たことありますけど、お酒もアテもとにかく全部ウマいですから!」
道理でお店の外までお客さんがあふれています。いわゆる行列ができる店だけど、入れるの?
Mッサ「8時から予約してあるから大丈夫ですよ!」
お店の手前側は立ち呑み形態ですが、奥にはテーブル席がいくつかあります。そちらに座るとお通しと‥あれ、いきなりお酒?
店員さん「お通しのお酒になります。本日は笑四季(えみしき)です」
なんとお通しの日本酒!しかも個性的すぎるスーパー甘口の笑四季さん!いきなりこんなすごいお酒とは‥やはりデキます。大きなグラスでやわらぎ水が出るのもありがたい。
店員さん「こちらのお水もお酒を仕込むのに使われているお水ですので」
ちょっと、入店するなりKOパンチをブンブン飛ばしてきてくれますね!
Kきゃわ「えみしきでしたっけ?あんま〜くておいひぃ」
このお酒は本当に不思議。ベッタベタと言っていいほど甘いのに、スーッと後味が切れて食中酒にもなるんですよね‥たまに通販で買いますけど、お店で出しているのは初めて見た。
それではお楽しみ、今夜のお酒を頼みましょう。なんですかこの充実しすぎなメニューはっ!さながら日本酒の梁山泊。
Mッサ「爽やか・個性的・フルーティ・濃醇・お高めプレミアムとジャンル分けされてるんですよ」
日本酒選びはよくわからん印象がありますが、こうしてもらうととっつきやすい!分かりやすい!良い!
Kきゃわ「俺はスッキリ呑みやすい感じで」
O川「僕もそんな感じがいいですね。そんな感じのをふくめて面白そうなお酒を頼んでください」
あれ、注文するのは私?ではえーと‥まずは私のイチオシである鳳凰美田の初しぼり!そしてスッキリ担当は秀鳳の超辛口、ここ京都のお酒も欲しいので神蔵(かぐら)の無濾過生原酒、強い味の担当として悦凱陣(よろこびがいじん)の生原酒といきましょう!
グラス100ccと片口180ccで頼めますが、無論全て片口でお願いします。
各自好きなおちょこを選ばせてもらって、色とりどりの片口にお酒が注がれていきます。片口が全部違うのは綺麗だし、お酒を間違わなくて良いですね。
天罡地煞の魔酒4本が揃いました。ではさっそく鳳凰美田からいただきましょう。
果物のような香り、ほんのり酸味とたっぷりの甘味、初しぼりらしいピチピチ感‥!まさしく日本酒界のJKだ!
Mッサ「JKにお詳しいんですか?」
言ってみたかっただけだ。知らん。
O川「爽やかな香りで飲みやすいのに味は力強いですね。これはおいしい。どこのお酒です?」
栃木です。北関東が誇る銘酒ですので、鳳凰美田の文字を見たら迷わず注文してください。幸せまったなしです。
さて、つまみもお願いしていきましょう。肉刺しスキーのわたくしとしては、地鶏のタタキは外せないところ。
Mッサ「ここはですね、ツブ貝わさびと炙り盛り合わせがすごく美味しいですよ」
じゃあそれも頼みましょう。というか…そんなによくここに来ているのか?けしからん!
Mッサ「そんなでもないですけど、女子会とか何度か‥」
こんなステキな店で女子たちと飲むだとっ!?そんな素晴らしい学生生活が実在するのか?なんだこのイケメンソヴィエトスキー!汝は岡田真澄なのか?はたまた男版上坂すみれか?
O川「まあまあ。ほら、お酒のアテが来ましたよ」
ツブ貝わさびと地鶏のタタキですね。まあ、なんてちょうどいいサイズ感でしょう。
Kきゃわ「ツブ貝のコリコリにワサビ!これは日本酒に合いますわ〜」
貝とワサビなんて日本酒に相性よすぎですからね。いきなり飛ばしますね〜。うまうま。
地鶏のタタキも鳥さんが健康そのものとわかるたくましい歯ごたえ。
Kきゃわ「柚子胡椒がたっぷりなのが嬉しさ倍増ですな。おいひぃよぉ〜」
やっぱり許せん!どうして今まで呼ばなかったんだっ!Mッサっ!
Mッサ「最近知ったんですよ‥」
歯ごたえも味もたくましいタタキには香川の悦凱陣がいいかな?どっしりとした昔ながらのお酒です。
Kきゃわ「暴れん坊天狗だ!」
あっ、この赤い片口のこと?
O川「ホントだ、暴れん坊天狗!」
ちょっと、そうにしか見えなくなってきたからやめてよ。お酒のお味はいかが?
Kきゃわ「‥やっぱ暴れん坊天狗だ!このお酒の名前は暴れん坊天狗に決定!」
O川「飲み込んでから胸のあたりで暴れるような強烈なお酒ですね!おいしいけどまさに暴れん坊天狗!」
こっそり美味しんぼにも登場していた悦凱陣、改名されてしまいました‥ヨロコビガイジンもなかなかすごい名前ですけどね。
秀鳳の超辛口はKきゃわさんにおすすめのお酒です。
Kきゃわ「どの辺が俺向きなんですか」
まずなぜか山形推しのKきゃわさん、こちら山形のお酒。
Kきゃわ「やまぎゃた!いいですな〜」
そしていかにも日本酒〜な感じではなく、軽い香りにと潔い後味でスッキリ飲みやすくないですか?
Kきゃわ「ふぉお、香りが綺麗じゃ〜!そう、俺って普段はお酒飲まないけど、おいしい日本酒なら飲めるんだよぉぉ!」
ここでやってきたのは炙り盛り合わせです。ホタルイカ・鮭とば・エイヒレを自分で炙って食べるのか〜。
ホタルイカは肝が柔らかくなる程度に軽〜く、鮭とばはこんがりと‥えへえへ、楽しい。
O川「神蔵はすごく香りがよくてスイスイ飲めちゃいますね。京都にこんなお酒があったのか〜」
Mッサ「エイヒレくらいの軽いツマミがぴったりですね」
さて、暴れん坊天狗が少し残っておりますので、合いそうな強めの肴を追加しましょうか。
強そうな肴…そうだな、炙りしめ鯖!
Kきゃわ「しゃ、しゃばぁあ!」
サバ本体、締め加減、炙りかげん全てが強め…というか、フォルテでなくフォルティッシモだ!これは暴れん坊天狗もいいけど…
奈良の花巴のうすにごりがピッタリな気がする!
Mッサ「なんですかこれ、見た目も味もヨーグルトみたい!」
最近知ったんですが、この花巴さんって乳酸菌を全力で押し出してくるんですよね。似た風味であるしめ鯖とか鮒寿司にはピッタリのはず。
O川「クセとクセがぶつかって口内に平和が訪れました!」
天狗さま用には鴨ロースの炙りカルパッチョでいきましょう。なんだか炙りばっかり頼んでいますが。
Kきゃわ「上のピンクペッパーさんがなかなかにおてんば娘で、暴れん坊とじゃれ合いながら転がり落ちていく感じで良い〜」
Mッサ「炙ったホタルイカがおいしかったので、沖漬けもいきましょう」
これはもう、あらゆる日本酒がすすんでしまう鉄板の肴でしょう。
(撮影:Kきゃわ)
Kきゃわ「てれれれんれてんてんてん」
O川「Xファイル?」
Kきゃわ「イカさん、捕まった宇宙人チックでかわええ」
あっ、三重の酒屋八兵衛・純米無ろ過生原酒がある!
O川「好きなんですか?」
祇園の馬肉屋さんの女将さんにイチオシされて、確かに美味しかったのです。一言でいうと「まろやか〜〜」
Kきゃわ「もう一丁いく?( ͡° ͜ʖ ͡°)」
押忍!
自家製くんせいナッツという文字列が気になって仕方ないので頼んでしまいました。燻製ってなんて尊いんだ。そしてなんて香ばしいんだ。
Kきゃわ「ハチミツ入りか?ってくらい甘いのもあれば、焦げ目がしっかり苦いのもある。ナッツもいろいろあって面白いですなぁ」
テイクアウトOKって書いてあるよ。
Kきゃわ「おっ、包んでもらって明日姫路城の鳩に見せびらかしますか」
鳩なんかいるのかな?まあお土産にもなるし、もらって帰りましょう。
O川「カニミソを頼みましたけど、どんなお酒がいいですかね?」
実は元カニアレルギーなので、いまいちピンとこない。でもチラッとなめて酒をクイっといくイメージなので、香り控えめの辛口かな‥
山形のばくれん超辛口吟醸なんてどうでしょ。写真はスーパーピンボケだったのでナシで。
O川「なるほど、キュウリにカニミソをのせるとスッキリ同士でいいですね!」
ビシッとした辛口のあとは、この上なくフルーティーなお酒でいきますか。長野の豊香・純米吟醸生原酒!口に含むとじゅわっと微炭酸を感じて…
Kきゃわ「すんげぇ〜華やかな香り!コメじゃなくてマスカットでできてる?コレすごく好き〜!」
おお、それはよかった!ついでに気になっているツマミとかあったら頼んでしまってどうぞ。
Kきゃわ「いいんですかい?それじゃさといもアンチョビ!」
きぬかつぎにアンチョビのみじん切りがパラパラとか思っていたら、想像の240度くらいナナメな形態で来たのでビックリ。
Kきゃわ「はぇ〜。さらさらと入ってきてもったりして、アンチョビさんがすさささ〜っと寄ってきて、これはたまりませんぜ。柚子胡椒を包んで饅頭状に食べるのがオススメ」
えーと、柚子胡椒を包んで…はわわ〜、もったりトゥルットゥル。アンチョビの旨味がほんのちょっとこんにちはしてから〜の、柚子胡椒がビシッと決まる!
Kきゃわ「これをなめながら豊香さんをずーーっと飲めるわ〜。はぇ〜、しわわせ」
(撮影:Kきゃわ)
Mッサ「トドメにハラスの塩焼きなんてどうです?」
どうもこうもあるかっ!こんなの最高に決まっていますよっ!
Kきゃわ「ふわ〜、日本酒もツマミも全部おいすぃ」
このお店はどの肴も旨くて、しかも酒飲みが泣いて喜ぶ小ぶりなサイズ。サイズゆえにお値段も400円前後と抑えめ。トドメに店員さんみんな親切でにこやか!
Kきゃわ「乳と蜜ならぬ、酒と芋流れる約束の地でしたな。近所に欲しい〜」
(撮影:Kきゃわ)
混雑具合で席は2時間になるかもということでしたが、日曜の夜だから大丈夫だったらしい。結局3時間くらいと長居をしてしまいました。
Kきゃわ「お土産もゲットしたし、素晴らしい夜でしたな」
うん、Mッサくんたら今年一番良い仕事!次の女子会の時は呼んでね。
Mッサ「Нет」
なんとおっしゃったの?
Kきゃわ「たぶんロシア語でイヤとか言ったんでしょう」
Mッサ「だって、絶対ホントに来ちゃうじゃないですか…」
Kきゃわ「正解 ( ͡° ͜ʖ ͡°)」
ちぇー。
益や酒店 京都府京都市中京区大日町426 1F