外食どころではない世の中になってしまいました。楽しかった頃の思い出記事やおうちごはんでゆるく更新していきます。テイクアウトとかも書ければいいけどグンマだからな…
まずは昨年の12月のお話から。
「またフォアグラ鍋の季節になったからどう?」
ゲーム開発界の生き仏、O尚さんからありがたいお誘いが来ました。フォアグラ鍋というと、練馬の超がつく名店「鳥長」さんですね。行きます行きます。師走も押し迫った頃ですが幸い(いつも)ヒマですし。
植木で看板を隠しているような不思議な店構えです。前回の使い回し写真ですが。
こちらの鳥長さんは予約必須だけど電話番号は非公開というベルリンの壁よりも厚く高いハードルがあるお店です。O尚さんと知り合わなければまず入れなかったでしょう。
メニューはおまかせコースで、カウンター席は焼き鳥コースのみ、テーブル席は焼き鳥と鍋物のコースがいただけるということです。
お願いするのは飲み物のみですね。小布施ワインもおいしいでしょうが、私の目は右下に釘付け。新政4合瓶、本日は何があるのですかーっ!ほうほう、6種類も・・ではこちらでお願いします。
選んだのは新政エクリュ・別誂中取り!これ1本で4千円しないんですよ…良心的すぎて泣ける。
最初からテーブルに置かれている漬物はお通しなのか口直しなのか・・おいしいからすぐ食べちゃうのでたぶんお通しです。ぽりぽり。「おかわりできます?」っ人を見たけど気持ちはよくわかります。
はい来ました、名物…といってもどの料理もほぼ名物だな。とにかく名物の生つくね!そして胸肉のづけと肝刺しです。
ねっとり旨味が絡みつく生つくねで一杯、ニンニク・生姜がスッキリ香るタレがたまらない肝で一杯、しっとりとはこのことかという胸肉で一杯…うう、このペースでは新政4合で足りるわけがない。
モモ肉のたたきは皮目の香ばしさにクラクラして、ベリーレアなモモ肉の歯ごたえと旨味の濃さにKO寸前。元気に駆け回る鶏さんの姿が見えるようだ。
ささみカツだったりその時によって違う揚げ物はチキン南蛮でした〜。タルタルと甘じょっぱ〜なタレががががが!これは新政というより白メシ案件ですってば!
もしかしたらフォアグラ鍋と同じくらい好きかもしれないレンコンつくねです。レンコンのコリコリと健康的なトリさんを圧倒的香ばしさで食べさせてくれるというね。私・・あなたに会えて本当によかった。
イチョウ並木を歩くとなんともいえない香りですが、ギンナンになるとどうしてこんなにウマいのか。串焼きでうれしい植物といえばアスパラとギンナンですね。
串焼き・・そうだ、ついに串に刺さった焼き鳥が来た!焼かれた鶏肉界不動のエースたるもも肉だっ!パツパツな皮を噛みやぶれば脂とウマ汁が弾けるっ!ああああダメだ、日本酒さんはここで空っぽに。
ありがたいことに焼酎の前割りが300mlで900円という破格でいただけますので、三岳と六台目百合に援軍に入っていただきましょう。ロックでちびちびいけば最後まで持つはずだ。
お次の串は人気者の皮!なんですが・・なにこれボンジリ?ってくらい肉々しさと脂身が混ざったところが分厚くて素晴らしい。鮭の皮がこんなだったら十万石くらいもらえてしまうぞっ!うまい、うますぎる。
胸肉のたたきは胸肉のイメージがひっくりかえる食感と追いかけてくるディルの風味がたまらんであります。これから鍋が控えている気がするのですが、その前にどれだけご馳走が出るのだろう。
苦手な人も一撃で改心してしまうこと請け合いのレバー串!そりゃもうしっとりして澄んだ旨味が詰まっているんですから。
カセットコンロと鍋がやって来た…つまりアレが始まってしまうのですね。冬のテーブル席限定スペシャルメニュー、フォアグラ鍋!!
マスターが直々にフォアグラをドジュウウゥと投入すると、途端に店内に満ちる馥郁たる香り!ひええ、匂いで酒が飲めそうじゃないの。
さすがよくお太りになった肝臓です、脂が出るわ出るわ。ヨダレも出るわ出るわ。
脂がウマウマの油と化したところにドサっとネギが投入されます。鴨の油を吸って大変なことになるネギがフォアグラの油を吸ってしまったら…?うう、たまらん。
まずはフォアグラさんを取り分けてくれました。特製のタレでいだきましょう。脂を絞り出してもしっとりとして旨味が詰まっていて・・そしてやっぱり香りがたまらんでござる。
フォアグラ脂の池に鶏スープ・鶏肉・キノコがどさーっと入って、フォアグラ鍋のできあがりー!
トリ!キノコ!ネギ!大地のパワーが炸裂!この鍋から新しい生命が誕生しそうな力強いウマさですよもう!
さらにクレソンがどさーっと入ってしまいます。ステーキのちょっと気の利いたオマケと思っていたクレソンが大地のきょうだいたちの旨味を吸い込みつつ、茎のシャキシャキ感も楽しめてしまう!きりたんぽのセリくらい完璧な相性じゃないか。
シメはちょっと鶏スープを足してもらってうどんが〜。なんて罪作りなうどんだ〜。プリプリ感が尋常でない黄身と一緒に釜玉風でいただきましょう。これは昇天確定、天国モード突入!
ウマさの波状攻撃でボヤーとなったところにデザートがわりのアメーラトマトが出まして、本日のコース終了。飲み物まで合わせて一人8千円程度って少し・・いや、だいぶおかしくないですか?最高だ。
東京は近いと思っていましたが、すっかり遠くなってしまいました。少しでも早く楽しい食事が楽しめるよう、おうちでおとなしくしていましょう。
鳥長 東京都練馬区豊玉北4-31-8