「World for Twoの京都コンサート、行きますのん?」
おお、絵師のKさんじゃないですか。ゲーム音楽の第一人者、我らが椎葉さんのコンサートなんてあなた、告知当日にチケットを取って東横インまで予約済みよ。
「さすがすぎて声も出ねぇ!俺もあわててチケット取るんで、車に乗せてもらっていいですかい?」
もちろんよ〜。よし、行こう!
そして当日、渋滞等で遅れてはならぬと早めに出たら・・
「早すぎましたね。京都に着いたけど、まだ開場の2時間半前」
あんまり順調すぎるのもアレなもんですな。まあここは京都、のんびり歩いて会場に向かいながら昼メシを食うなり御朱印をいただいたり、どうとでもなるでしょ。
「この辺は平安神宮近くでしたっけ〜。ビッサミがあるとこか〜・・・あれ?なに立ち止まってんです?」
ほらほら、道路の向こう側。「発酵×茶」ってデキそうな看板がありますよ。
「えっ?見えねぇ〜!どんな視力だ」
見るのでなく感じるのです。ほらほら、良さそうな香りがプンプン、お茶なりメシなり楽しめそうだから寄りましょう。「茶と糀 つきあかり」さんだそうです。
店内はテーブル席がズラっと横に並ぶ造り・・あれ、その並んでいるテーブル、もしかして全部合わせると木目ピッタリの一枚板?かっこいい〜!
かっこいいテーブル席を確保してメニューを拝見しましょう。ランチメニューは海鮮丼・焼物御膳・親子丼・糀カレーの4種類か。
「甘酒を使った糀カレーってめっちゃ気になるけど、途中のサービスエリアで食べたたこ焼きが効いてる・・ご飯は入らなそう」
人生たこ焼き史上最高の粉っぽさとダシのなさみたいなことを言っていましたね。つまりただの粉のカタマリだもんな、腹にたまるよな。
でもお茶と発酵のお店だから大丈夫、ドリンクメニューも豊富だホラ。おっと、アルコールも豊富だな・・さすが発酵。
「うっわ、ほうじ茶がいっぱい!糀甘酒デザートジュースなんかもある!」
ぼくはサービスエリアで何も食べなかったのでしっかりいきましょう。焼魚御膳にしようかな。ところで焼魚って発酵なの?
店員さん「焼魚はこちらから選んでください。お肉がよろしければ鶏もあります」
えっちょっと待って、鯖糀みそ・鮭塩糀マスタード・鱧糀みそ!全力で発酵だったよ!どうしよう、こんなのどれもウマそうで選べない・・けど、せっかく西側に来たのだからハモでお願いしましょう。
「俺は季節ものっていう新米の玄米ほうじ茶をお願いします」
あ、ぼくもほうじ茶飲みたいぞ。
店員さん「御膳には特上かりがねほうじ茶がつきますよ」
そいつは嬉しい。ご飯は大盛り無料で雑穀米も選べるということですので、雑穀米の普通盛りでお願いしました。
おおむね12分で出てきた焼魚御膳は品数多いし彩り豊かだし器も綺麗だし、リアルに御膳であった。飛び込みで入ったお店でこんな料理に出会えるのか京都!
まずは味噌汁をひとすすり…未知めのダシと味噌、これだ、これが旅情だ!未知だけどうんめえ!
造りはもうひたすら美しい。1500円なんですよねこの御膳は。採算とかそういったのは大丈夫なんですか?
自家製っぽさあふれる豆腐と茄子の炊いたん。あ、Kさん茄子大好きでしたよね。茄子のひとつくらい食べられるでしょ。
「いいんすか!いただきます!ふぁ〜、上手に煮含まっちゃってたまらん。これ2切れで白メシ一杯!」
塩気が強いわけでもないのにしっかりはんなり美味しくて雑穀米が映えるぜ!そしてこの豆腐がズルい、豆自体の味が濃厚な上に、のっているのは醤油豆、いわゆる醤油の実ですよ!大豆と発酵が大好きな日本人は一発KOじゃないですか。
漬物もスグキになんだか甘辛い不思議な味がついていて未知ウマい。口直しというよりはガチめのツマミな気がしてならない。確かお酒に大信州があったよな・・でもコンサートで酒気帯びはよくない、ガマンだ。
メインディッシュの鱧さん!糀みそで焼いたという肌はあまりにも美しい・・・食べたそうですね、Kさん・・・一切れどうぞ。
「え〜そんな申し訳ない、いただきま〜す!」
お味はいかが?
「皮のパリッパリに身のぷっぷくに塩麹みたいなエラい旨味でこれは大変ですよ。白メシが欲しい!」
白メシか!あれ、雑穀米でしたよ。でもきっと合うはず。
たっぷりついてきた大根おろしと共にマウントポジション!いただきま〜す。
ぐは、焼魚のお楽しみ皮の裏が全力で楽しめる焼き方、切り方じゃないですか!カリッときてじゅわ〜じゃないですか!皮の香ばしさと身の締まりの素敵さは糀みそのチカラ?
雑穀米もモチモチ感と雑穀の香りが強めでおいしいな。ちょっと買いたくなった。
特上というかりがねほうじ茶は茎茶らしい清々しいほどの香ばしさとふくよかな甘味がたまらん。なごむなあ。
店員さん「実家がお茶屋なんですよ」
えっ、じゃあこれ、ご実家の!うわ〜すごい、うらやましい!
「そうそう、お茶といえばこの新米の玄米ほうじ茶がすごい!」
お茶単品で頼むとかわええ急須で来るのね。お湯がポット入りなのもいいじゃないか。
「これの一煎目をいただいたら、とにかく丸い!もう液体そのものが丸くてまろいんですわ。まる〜く、やさしい」
「いまから二煎目いきますんで、半分くらいどうです」
すみませんね、いただきますとも。
「はい、最後のひとしずく、絞る!」
一番エエところをすみません・・・ふぉお、丸い、玄米とほうじ茶のダブル風味に全くカドがない。まる〜い、ふくよかでうま〜い。
「一煎目はこれよりまんまるだったんですよ〜。これ売ってませんかね」
店員さん「玄米茶はお分けするほどないんですよ。かりがねほうじ茶はあります」
ではそちらを買っていきましょう。
食後に散策した平安神宮の庭園は松がメインで緑多めだけど、いい感じの紅葉もありました(11月中旬)。
先ほどのお店はお茶と発酵という面白コンセプトで大変おいしいのですが、開店がなんと今年の3月だったらしいです。
「うわ、飲食店的に1番かわいそうなタイミング」
そんなわけでですかね〜、お弁当やお惣菜のテイクアウトもやっているみたいです。レジ前のお惣菜がどれも1つ500円だったけど、ウマそうなタイの兜煮があったよね。あんなの近所にあったら週1で買いに来るわ。
「俺は生姜と鰹節の煮たやつがめっちゃ欲しかったんですが、帰るの明日だからな〜。絶対白メシをワシワシいけるやつですやん」
平安神宮付近は何かと用がありますからね、また来る機会も、というか・・
「夜に来て飲みたい、と」
はい。
茶と糀 つきあかり 京都府京都市左京区正往寺町462-2 インペリアル岡崎 1F