優しさ満点、しみじみうまい無化調中華はここだけの味!メインはもちろん人生最大好物「金目鯛の清蒸」だ! 仙豆飯店(伊東市・伊豆高原)

豪雨の中で向かってしまった伊豆、つづきです。

中伊豆でわさび丼を楽しんで、なんとか雨も落ち着いてきたところで伊豆高原に到着。オートマタ美術館など見学していたら電話が来たぞ・・あ、本日の宿からだ。

「大雨で箱根の道が全く動かないみたいですけど大丈夫ですか?」

四天王の中でも最強の箱根新道まで逝ってしまいましたか。大丈夫、実はもう伊豆高原にいるのです。

では宿へ向かいましょうか。伊豆高原は大変わかりにくい道が網の目のように走っているのですが、とにかくこちらの目印は「山のはちみつ」さんののぼり旗。はちみつの文字が見えたら下りの砂利っぽい細い道を進んで到着〜。

5年か6年ぶりか、とにかく久しぶりのシェンロン・・名前が変わったんだった、「チャイニーズ・オーベルジュ 仙豆飯店」さん!ちなみにシェンズと読むそうです。

ちなみに駐車場にはEVの普通充電器があります。起きたら満タンってEV乗りには嬉しいでしょうね。

チェックインしてお風呂に入って諸々は次回として、ここはオーベルジュ!何はともあれ夕食ですよ〜っ!

寺田本家とか森本酒造とか、少々頭おかしめ(大きく褒めている)のお酒がズラリ!いきなり激レア、森本酒造さんの小夜衣・顔から願いま〜す。

友人はどうする?飲みやすい系の日本酒は・・ないな、個性まっしぐらだ。

友人「じゃあソフドリかな?自家製ジンジャーと自家製コーラと工芸茶・・なんじゃこりゃ悩ましい!」

ありゃ、数年来なかったうちにそんなメニューができていたか!ジンジャーとコーラは魔女ブレンドというなんだか恐ろしいモノらしいです。

というわけで自家製ジンジャーエール。生姜はおだやか、クローブやシナモンが香るスパイシーな不思議ジンジャーだったそうで。魔女という割にはカラダに優しそう。

それではディナー開始デスよ〜!無化調・圧搾紅花油・自然塩!なんだか良さそうなワードがてんこもり。こちらのマスターは無添加オイスターソース等をニコニコ自慢する「良い変態」です。

前菜は「映える」お花畑的でなく、実質本位、質朴剛健。なんというかアレだ、骨格から違う強さを感じます。

久しぶりに来たら棒々鶏が黒胡麻になっていて、非常にもったりおいしい。

友人「この大根餅!人生大根餅でトップぶっちぎりだわ〜!マネしなきゃ!」

はえ〜、香ばしくてウマいもんだなあ。一口で半合飲めてしまう凶器ですよ・・!

友人「きゅうりと砂肝?これも香菜がふぁっと来ておいひぃ〜!」

香菜、つまりパクチー!ほわ〜んと香る程度の利かせ方が絶妙すぎてたまりません。

豆腐にのった烏骨鶏の皮蛋。やったー、ピータン大好物。パクリ。ふはっ、こっちは結構ガツンと香菜!なるほど、クセにはクセをということだな。なんと見事なパクチー使い。

夏野菜の温サラダは中華ピクルスに変更となっていました。これがまた間違いなくピクルスなんだけど、味の根っこはしっかり中華。調味料のせいかな?海原雄山の冷やし中華みたいな話?

金糸瓜がちょっと良くなかったということで、急遽納豆と明日葉を天ぷらにしてくれました。納豆天ぷらに花椒と塩がめちゃめちゃ合う。目からウロコだ。

友人「明日葉が食べたことないフカフカ食感だけど、春巻きの皮みたいなの入ってるのかな。おいひぃわ〜」

中華の基本にして華の青菜炒め地物空芯菜!みごとに芯が空の青菜がシャッキリ炒められて、まさしく炎と鍋の味!う、うまい。うますぎる。

友人「これも人生青菜のベストだわ〜。これと白メシで毎日いける。どの料理もマネしたいな〜」

フカフカで良い香りの花巻に空芯菜を挟めば気分は台湾の屋台。

そして本日のメイン料理であります金目鯛の清蒸がドーンと登場!軽井沢の鳥の丸焼きと並ぶ人生最大好物、最後の晩餐候補の筆頭であります。

とれとれの金目鯛に腸詰や椎茸をトッピングして老酒蒸し、トドメに香菜と白髪ネギをのせて熱したネギ油をジューっとかけ回す・・ウマい要素しかないじゃないの!

ぴょこんと飛び出す目玉は新鮮さの証!と教わったのはここに初めて来た時だ。ちなみにこのフルフル部分がとんでもなくウマいです。泣けます。だから涙袋というのかな。

皿に取り分けていただきましょう!皮、胸びれの根元、頰肉、丸ごとだから素敵な部位を余すところなく楽しめる〜。そしてやはり香菜よな、風味に一本筋が通るよな。実はパクチー開眼したのもこの料理なんです。

(友人撮影)

そちらは綺麗に取り分けましたね。

友人「腸詰を薬味に使うなんてゼイタクな話だけど、白身に合いすぎる!おいひぃ〜。これはマネのしようがない」

まさにここだけ、唯一無二の味。ちなみに伊勢海老の大蒜蒸しも心房細動が始まるくらいウマいんですが、さすがに食べきれない気がして今回はお願いしなかった。

友人「金目鯛がデカいからなあ、たぶん正解」

金目鯛をつまみつつコースは続きます。中華といえばの北京ダック。甜麺醤をこのように使いこなしたい人生だった。

(友人撮影)

友人「冬瓜のスープがひたすら沁みる〜。トリさん優しい〜」

こんな丸鶏スープはズルい!滋養なんかどこにある?どこだ?ここだ!

さらに国産豚バラ軟骨煮込みなんてトマホークが来た。ホロホロほどけるバラ、とろっとろの軟骨、ほんのり八角の中華な香り。

友人「角煮丼で食いてえ〜」

丼と言えばさらにご飯を呼ぶのがこちら、松阪豚の四川麻婆豆腐!ここで合わせよとばかりに自家製米五分搗きご飯も出ます。

松阪豚を包丁で叩いたので肉々しい食感と旨味がたっぷり、熟成豆板醤と花椒の穏やかだけどしっかり刺激的なウマさにご飯が進まぬはずはない…けど。

友人「メチャメチャおいしいんだけど・・胃袋の上限を超えた!」

マスター、なんかボリュームが増しちゃいませんか?いつもはなんとか食べ切れたのに、無念。

友人「持ち帰りてえ〜、いや違う、胃が2つ欲しい〜」

だがデザートは別腹、黒胡麻餡のココナツ団子杏仁豆腐に・・なぜ春巻

友人「あ、中がバナナだこれ!」

へー、ネットリ感と甘味が大幅アップでこりゃンマイや。

急須まで温かなジャスミン茶でウルトラ満腹を落ち着かせましょう。

お腹いっぱい、苦しい、もうダメだと思ったはずが、小一時間ほどで胃が軽くなってきたのは良い油と優しい味つけのチカラでしょうか。

数年ぶりだしマスターと積もる話でも…と思ったら、あまりにも積もりすぎでビビった、たじろいだ。ナニやってんだあの人。

友人「初対面の人にあんな特濃話を聞かされるとはな〜。面白い宿だわ〜」

料理は軽やか極まりないのに、人生はカラメアブラとにかく全部マシですよ、マスター…あ〜面白かった。料理も話も確かめたい方、伊豆高原に直行じゃ〜!今は少人数でね。

仙豆飯店  静岡県伊東市富戸1317-5719

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