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1年ぶりにやって来ました和倉温泉の加賀屋さん。3フロアにまたぐ広大な温泉にたっぷり浸かり、お楽しみの夕食が近づいてまいりました。
お願いした時間の10分くらい前に呼び鈴が鳴り、部屋担当の仲居さんの登場です。綺麗な方に丁寧に挨拶されてまごまごしちゃう。
仲居さん「お食事の際の飲み物はいかがいたしましょうか」
母「私は生」
キリンとアサヒと選べたのでキリンにしたようです。ぼくはもちろん日本酒ですよ。
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仲居さん「日本酒はこちらですね」
やあやあ、石川の地酒が勢揃いですね。手取川の酒魂・純米吟醸を四合瓶でいただきましょう。
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19階の月見茶寮という個室のお食事処に案内していただきます。
母「うわ〜、きれいだ〜」
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四合瓶で頼んでも、ちゃんと徳利に移してくれます。切子に氷で目にも涼やか。
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お猪口はクールな水引きにのって。誰ですか?もっとデカい湯呑みの方がいいとか言うのは。
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先付・前菜から全速全開!能登なまこ酢に芋このわたという珍味タッグで酒が飛ぶ。かぶら寿司に吟醸チーズでもう一杯。柚餅子揚げとあん肝トーストなんてビックリメニューは杯を重ねざるを得ない。
そして・・え!ローストビーフ?いきなり?
仲居さん「本当は昨日解禁になった加能ガニなんですが、カニNGということで」
あっ、そうか。北國新聞にズワイガニ解禁ってありましたね。伏線回収。
仲居さん「昨日が初競りでしたので、お店や旅館で出るのは今日が最初です。お母様の方・・」
母の方・・
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ぎゃー!!石川のブランドズワイガニ・加能ガニの証である青タグ付き!
仲居さん「丸い器にはミソ、四角い器には香箱ガニの内子と外子が入っていますのでお楽しみください」
母「こんなに身が詰まったズワイガニ初めて!甘〜い!おいしい!!」
初競りで500万という無茶な値段が付いたモノもいるという加能ガニ!こちらもサイズ的に一杯でウン万円は余裕でありそうですよね。ああ〜、食いたし、食いたし!
母「身の付きがいいなんてもんじゃないよ。脚とハサミだけでお腹がいっぱいになっちゃいそう」
いいんです、ローストビーフだっておいしいんだから。でも変だな、目からヨダレが・・
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お椀は甘鯛白味噌仕立て。いきなり古都ムードとなりましたね。
仲居さん「お椀の蓋には加賀屋のキャラクターっていうんですかね、雪月花の人が描かれているんですよ」
ほう、どれどれ?
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ああホントだ、館内にチラホラいるこの方。ぼくは勝手に雪月花くんと呼んでいます。
仲居さん「そうですね、この人は月くんですね」
おっと、雪月花キャラで正解でしたか。
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お造りは能登大海のご機嫌次第ということで、ホンマグロ・ブリ・アマエビ・アカイカ・アカニシガイ。おお〜、ご機嫌よろしゅうございますね。アカニシガイは昭和天皇がおかわりを所望されたとか。
唐子が支える大皿に唐子が遊ぶ醤油皿、正直どっちも欲しい。
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焼物はこで焼かせていただきますということで、能登特産の珪藻土コンロと焼き方さんが登場です。
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まずはさっと炙られた干口子。この三角一つでナマコ何匹分なのか。ぎゅうぎゅうに詰まった磯の風味は「さあ飲めどんどん飲めうまかろうがてめえ」と言われているようだ。
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さらに来るのは鮑と能登牛の朴葉包み!
母「鮑って噛めないから好きじゃないけどこれは美味しいね〜」
ムチムチプリンな歯ごたえに朴葉味噌がエエ仕事をしすぎですね。こいつはたまらん。
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ここでレモンがのった熱いおしぼりが。
仲居さん「お腹の具合はいかがですか?あとは煮物と鍋物、そしてお食事になりますが」
え、まだそんなに!正直はち切れそうですが頑張ります。
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煮物はまさしく能登大海の恵み、鰤大根がドーン!ビックリするほど甘辛な味付けなのに上品な風味であら不思議。このくらい思い切った味をつけないとブリの地肩に追いつかないんだろうな。
そしてこの辺で支配人の方が挨拶に来てくださいました。若女将でなくて残念なんて思っておりませんよ。
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さらにポカポカメニュー継続、鱈味噌鍋が出ましたよ〜。富山の鱈汁街道に行きたいけどなかなか行けないのよね。
味噌と鱈って合いすぎるところに白子もたっぷり。白子と春菊で一杯やって、汁にメシをドボンで晩酌と晩飯が完結できちゃうね。
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仲居さん「お食事はお母様の方は蟹のご飯とお味噌汁になりますが」
母「もう入らない。お茶だけください」
ぼくは白メシを少しだけいただきましょう。見事な銀シャリとアラ汁風の味噌汁でおなかいっぱい。満腹中枢が悲鳴を上げています。ぼかぁ幸せだなあ。
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ところが甘いものまで出るんだな。果物にアイス、そしてなんだかパイの実のようなお菓子。
母「これは食べる。食べちゃうよね」
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この箱はなんじゃと開けたら楊枝であった。しかも細くて両端がとがった使いやすいヤツだ。こんなところまで良いモノ使うなあ。
母「今回もおいしかった〜。来るたびにおいしくなる気がするね」
寿司屋でもそんなこと言っていませんでした?でも確かにどれもウマかった。
そして皿が終わる頃に次の皿といった完璧なタイミングが味を引き立てます。固形燃料なしでも熱いものはバッチリ熱々で提供って、こんな大規模旅館でどういうことよ。
部屋に戻ったら和室にぼくの分の布団が敷いてあるじゃないか。仲居さん超人か?何人いるんだ?いや〜、そういうとこだよな。リピーターにならざるを得ないよね。
次回朝食で白韻再訪編終了です。
加賀屋 石川県七尾市和倉町ヨ部80番地