神戸に行く前日に長浜で昼メシを食べて松阪に宿を取る。自分でもよくわからんコースです。そもそも全部県が違うじゃないか。
松阪牛のすき焼きを食べようと鼻息も荒く来た松阪市、でも有名な金さん銀さんは「来店は2名様より」というね。
砂糖と醤油で仲居さんが焼いてくれて、一人でも大丈夫なんて都合の良いお店が・・あった。旅館だけど。いや、旅館ならすき焼きで飲んでそのままバタンキューできるから、むしろ望むところじゃないか。
というわけで予約を入れてやって来たのは、創業220年という老舗どころの騒ぎではない「鯛屋旅館」さんです。見た目から歴史ある旅籠です。寺田屋とか池田屋に見えなくもないです。駐車場は建物横にたっぷりあります。
チェックインして風呂に入って〜、はい!夕食開始、開始〜。なお宿泊ナシで昼夜のお食事だけも可能みたいというか、そっちのが多いみたいです。
食事用の大きめの部屋に来ると、すでに前菜が並べられています。
あら美しいと目を細めつつ、ところでニクはどこだとキョロキョロ。我ながら風情も何もあったもんじゃない。
冷酒をお願いして一人かんぱ〜い!鯛屋さんオリジナルのお酒なのね。おちょこもあるのにビール用のグラスで飲んでしまいますよ〜。
前菜でカプカプとやっていますと、マスク&フェイスガードで武装した仲居さんが大きなお皿を持ってきました。
仲居さん「今からこちらのお肉を焼かせていただきます」
いよいよか!よっ、松阪屋っ!
ひぇぇ〜と変な声出た。こちらのすき焼きは並・中・上・特上とありまして、何を血迷ったか特上でお願いしてしまったのですが・・間違いなく特上も特上、絵に描いたような、いや、絵にも描けない松阪牛!
並から特上は肉質の違いで、量はどれもたっぷり200gということです。
ステーキではヒレや赤身が好きですが、すき焼きなら霜降り一直線。しかも焼いてくれるときたもんだ。アーレキュイジーヌ!
もっともこんなご時世ですので、同じテーブルで焼いてもらえるわけではありません。2メートルほど離れたところですき焼きライブ開始!最初の一枚を焼くところだけちょっと失礼、撮影させてください。
牛脂をひいて肉を広げて、スプーンで砂糖をバサっ!結構な量をホントに直接かけるのね、へ〜。
そして特製のたまり醤油をジュっ!
なるほど、まさにすき「焼き」なんだなあ〜。ジリジリ素敵な香りがするなあ。エエ写真が撮れました。席に戻ろう。
そしてこちらのテーブルまで鍋を持ってきて、タマゴの鉢に入れてくれます。ああ、ついに聖地で松阪牛のすき焼きを・・ぱく。
さすが「焼き」だ、なんて香ばしい・・と思うやいなや、サラリと脂が溶けて赤身がほぐれて旨味の洪水だ。ワハハ、こりゃすげえや。
極上の和牛の香りが鼻に抜けて飲み込むのが惜しいようだけど、勝手に喉まですべっていっちゃう。そこで酒をキュー・・・しわわせ〜。
もう一枚を同じように焼いてくれまして、その後は野菜や豆腐を入れたまさしく「すき焼き」に仕上げてくれます。ザクも砂糖と醤油だけなんだね。
本当は同じテーブルで、もう少し小刻みというかライブ感があるのでしょうが、まあやむなし。
牛脂を吸った青ネギうめえ!シラタキや豆腐もさすが!ですが何より、ささがきのゴボウが驚くほどすき焼きにピッタリ!ふえ〜、ウチでやる時もマネしよう。
仲居さん「タマゴのおかわりはいかがですか?」
そんなの是非お願いします!新鮮な風味が蘇ったところで醤油を吸った玉ねぎがたまりません。あ、そういえば玉ねぎと長ネギのダブルジェットだ。米沢牛のすき焼きもそうだったな。
お肉を全部平らげて、ザクがちょいと残っていますが満腹警報は鳴りっぱなし。仲居さんの「お肉さえ食べていただければ」のお言葉に甘えて、少々お残しを・・
あ、これからシメのお食事ですよね?卵かけご飯にしようと思っていたけど余力ゼロ、味噌汁だけください。タマゴは・・ゴクーンと飲んじゃう。うめえ〜。
たっぷりお酒をいただいた後の味噌汁はしあわせのかたち。赤寄りの合わせ味噌に名古屋の近さを感じるような。
抹茶アイスとお茶は液体です。いただいてしっかり締めましょう。
いやはや大まんぞく。肉に砂糖を直接かけるなんて大惨事かと思いきや、醤油と合わせ技で香ばしさが一気に増すのだな。恐れ入りました!
でもコレはサシがバッチリ入ったワギューでないと食べられたもんじゃなさそうな気もする。松阪牛はすき焼きと見つけたり!
・・でもステーキも食べた〜い!次はヒレステーキにしよう。たしかこの宿、同じ金額でステーキプランもあったはず・・ぐ〜・・(お布団で意識を失った模様)
鯛屋旅館 三重県松阪市日野町780