武庫之荘のスパイスカリーは非常においしかったのですが、同時に大変なボリュームでもありました。夕食に板宿のお寿司を予約してあるけど、まだ豆やスパイスが胃袋でがんばっているんだよな・・
ま、うまい寿司とうまい酒があればどうにでもなる、と思う。迷わず行けよ、行けばわかるさ!
というわけでやってきたのは板宿駅のすぐ近くにあります「鮓 ちかもち」さんです。ほぼ月イチのペースで来ていて、そろそろ「行きつけの店」とかっこいいことを言えるかもしれません。
カウンターのみ9席はいつも予約でいっぱい。空席情報はインスタで随時更新、予約もインスタのDMからになります。
夜は6,600円と11,000円コースの二択のところ、お高い方でお願いしてあります。おまかせなので選ぶのは飲み物だけ。例によってビールはスルーして日本酒です。おや、大好きな紀土があるじゃないか。コレ願いま〜す。
女将さん「これで最後の一合になっちゃいますね。これからメニューに載せる秋田の阿櫻ゆきのふって生原酒があります」
生原酒!そんなの飲みますとも。次は決まった。
ハナを切るのは穴子の湯引きです。最初にキリッと酢の効いたものが出ると胃が動き出しますよ〜。
女将さん「毛ガニ・・なんですけど、カニはアレルギーなんでしたよね」
ごく軽微なんですが、一応避けております・・というわけで、カニは友人のものを撮影だけ。
「明日で人類終了」とか決まったら、毛ガニだけと言わず松葉ガニとガザミとモクズガニとマッドクラブあたりを並べてワシワシ食べてみたいもんです。え、どっかのジャズ奏者たちがもうやったの?
毛ガニの代わりにウニいくらとケンサキイカ。まるで北海道にでも来たかのような組み合わせじゃありませんか。つるつると入ってくるイカにウニが絡んで、きっとカニよりうまいよ、うん。
カツオの漬けに酒盗なんかのっちゃったら酒を盗みすぎだろ!まだ梅雨前(でした)なのに戻りガツオばりのもっちり感じゃないか。
ホタテの冷製茶碗蒸しはスッキリおいしいジュレが涼を呼びますねえ。胸に風鈴が入ったようだ。
鮎甘露煮のペーストはひと舐めでおちょこが空いてしまうので、これは握りの合間にちょいちょいいただくとしましょう。
ガリが置かれて握りスタート。白身の代表選手、鯛の登場です。明石の海が近いので、御食国の新鮮な魚介を多く取り扱ってくれます。海なし県民は随喜の涙。
光り物と白身のいいとこどりはシマアジの大先生。そうか、この方も今まさに旬ですね。
ムチムチ楽しい平貝は塩で甘味が引き立ちます。
あぶりを食べてから目覚めたのが太刀魚。身がぷっくぷくのぷーになるんですよね。
北海道のウニは本日2度目の出会いですね。ウニがあまり得意でない友人も、こちらのお店ではウマウマ食べます。だってウマいんだもの。
ケンサキイカもさっきぶりですね。細く切られてねっとり絡まる。甘味も舌に絡みつくようだ。
ノドグロ炙りはやはり格が違うのか別皿での登場。焼き魚ではサンマとノドグロが大好きの双璧。つまり炙られたノドグロの握りなんて大事件、ほっぺたを落として紛失するところだった。
車海老の美しさに思わず襟を正してしまうじゃありませんか。チラリと柚子とか降りかかったり、見た目もいいけど香りもいいねえ。
握りの王、柏手まったなしの大本命である本マグロさんです。包丁目に煮切りが絡んでトロの脂と見事な合体。うまい、うますぎる。パアァーン!
金目鯛の炙りの皮目は罪の味。
直接手渡してくれるうなぎ白焼き。あまから手帖6月号でも紹介されていた新名物ですね。
パリパリに焼き上げられたうなぎはあまりにも香り高く、コレ一つで片口一つが空いてしまうじゃないか。
光り物が美味しい季節に嬉しいアジ。上にのっているのはただのネギじゃないのかな、ニンニクにも近い不思議な香り。すごく好みなのに何だったか聞き忘れたぞい。
深淵の落とし子みたいですが正体は赤貝です。甘いだけでなく渋味や苦味入った複雑な風味が結果としてすごくウマい。間違いなく深淵だ。
さわらに玉ねぎポン酢なんて好物の上に好物がのってしまって、少し泣いていいですか?
握りのトリはふっくらとした煮穴子。どの握りも一仕事どころか二つや三つも仕事がなされて幸せだなあ。
全20品くらいと盛りだくさんですが、一つ一つが小ぶりなのでスルスルと完食してしまう。締めの赤出汁の頃にはこれでもかというほどお腹いっぱい、ごちそうさま!今回も大変おいしゅうございました。
もちろん次回の予約も入れてしまって、勢いがついて都内の寿司屋を2軒ほど予約してしまいました。こちらのせいで寿司中毒になりつつある・・困ったものです。
鮓 ちかもち 兵庫県神戸市須磨区平田町1-1-20 谷崎ビル 1F