加賀屋のテッペン、天游に泊まろう・夕食編 本物の花嫁のれんをくぐって始まる秋の宴は・・なんと嬉しや松茸三昧! 加賀屋(七尾市・和倉温泉駅)

うっかり予約してしまった和倉温泉「加賀屋」さんの迎賓室・天游。つづきです。

美人の湯でスベスベのホカホカ、トドメに人をダメにするソファーに寝っ転がって完全に脱力・・なんなら消力まで使えるレベルのリラックスモードとなっていたところで、部屋のチャイムが鳴りました。

「失礼いたします。お食事のご用意ができました」

おお、部屋担当の仲居さんが呼びに来てくれたのか。インターホンで「お食事の用意ができました」なんてことはやらないのが加賀屋さん、さすがです。

19階の月見茶寮に案内していただきまして・・あれれ、入口に下がっているコレってもしかしてアレですか。

仲居さん「そうです。100年くらい前の、本物の花嫁のれんなんですよ」

え、ホンモノ!そんな貴重なモノをくぐっちゃってよろしいの?ではお嫁入りを・・

掘りごたつ式の個室は綺麗に飾られて、本当にお嫁入りやら結納やらが始まりそうな雰囲気じゃないの。やったことないけど。

広〜い卓は掘りごたつ式で座りやすいのもありがたい。

まずは飲み物を注文しないと始まらない。ズラリと並ぶ加賀や能登の地酒。四合瓶では少し足りない可能性があるので、300ml瓶3本から焼酎ロックで締める作戦でいきましょう。黒帯の悠々をとりあえず2本ください。

母「私は生」

仲居さん「メーカーはどちらがよろしいですか?」

母「めーかー?」

いつもスーパードライでしょ?アサヒって言っておきなさいな。

これまた瓶だけドンと置くのではなく、氷たっぷりの大鉢で美しいじゃありませんか。

仲居さん「お猪口はどちらがよろしいですか?」

そうですね、一番でっかいので・・なんて風情がないんだ。

最初の一杯は注いでいただきキュッとひと口。おお、コメの旨味がありつつも軽めで料理の味を引き立てる、食中酒の鑑のようなお酒です。

月型の盆?皿?とにかく綺麗な器で先付と前菜の登場!ノンアルの葡萄みつで乾杯をどうぞと言われましても、母と何をカンパイすんだ・・そもそも二人ともお酒飲んじゃったしな。

昭和天皇がおかわりしたという赤西貝とか真鯛の昆布締めとか、いきなり酒が欲しくなるじゃないか。醍醐車海老ってなんじゃと思ったらエビチーズ、つまりお酒が進むやつ。

新銀杏梅貝旨煮と、どこまで気の利いたツマミなんだ。

椀替りは土瓶蒸しです。秋ですからね、もしかしてあの方の登場?なんて言って、もう香っております。バレバレです。

蓋を開ければまぎれもなくヤツさ〜。松茸さまの登場だ!もちろんオトモは!ふは〜!

お猪口に注いでスダチをちょっとしぼって、グビリ・・

う、うまい。ドニョ〜と脳が溶け出しそうなほどうまい。馥郁として芳醇で、ああもう。

チビっと飲んでお酒、具をつついてお酒、止まらな〜い。最後の一杯はちょっとイタズラしてみたり。ああ名残惜しい。

お造り甘エビタコに白身はハチメだったかな。抹茶塩or醤油でいただきます。エビの卵と頭の中のミソがうめえ。今日は甘エビの特異日ですね。

この辺で支配人が挨拶に来てくれました。いつも挨拶は若女将だけどそうか、福井のつるやとかいう旅館に行ってしまったような記事を見たな。よし、福井、行こう。

凛々しい板前さんと能登名産の珪藻土七輪が登場しまして、焼き物はライブ調理となります。

ナマコの卵巣を干した高級珍味の口子はおなじみですが、朴葉で包まれたものはなんだろう?

軽く炙られて登場しました干し口子は、三味線のバチのようなサイズに3ミリ近い厚み。専門店で値段を見たら軽い心房細動を起こすレベルの極上品です。

母「あれれ?口子ってこんなにおいしかった?いくらでもビール飲めちゃうね」

確かに・・毎回焼いていただきますが、もっちりした歯ごたえと良い方の磯臭さ、過去最上級においしい!焼く方のウデマエですかね?と言ったらニコニコしてくれたのできっとそうだ。

朴葉の中身は・・実はこれまた既に香っていた。焼き上がりをパラリと開くと、まぎれもなくヤツさ〜。また松茸の登場だ〜。アワビ酒蒸しと松茸の朴葉焼き!ほわほわ立ち昇る香り松茸と朴葉の香りにヨダレが止まりません。

火を通したアワビと松茸って似たような歯ごたえで面白いですね。磯の女王アワビと山の王松茸・・少しセンシティブな気もする組み合わせですが、生きてて良かったレベルのおいしさです。

大きなお椀で登場したのは・・ん?またまた覚えのある香り・・まぎれもなくヤツさ〜。能登牛と松茸のすき焼きだ!和牛はすき焼き味が一番ですねえ。そこに松茸と黄身おろしなんて・・白メッシにのせたら日本一品位の高い牛丼になってしまいそうだ。

金目鯛の丹波蒸し。丹波蒸しって栗でしたっけ。そこに銀杏まで入っては秋の蒸し物としてこの上ないじゃありませんか。黒帯の三本目がちょうど終わったので、なじみのある富乃宝山ロックをいただいてシメましょうか。

仲居さん「この後はお食事になりますけど、どのくらいお召し上がりになりますか?」

母「わたしはもう降参。入らない」

ぼくはそうですね、ほんの一口、こんくらいと指で円マークを作ります。

まさしく「そんくらい」でいいんだよ、という量で出てきたのは鮭ときのこの炊き込みご飯あおさたっぷりの味噌汁と合わせて、宝山を飲み切るのにバッチリだ。しかしさすがにお腹がはち切れそうですよ。ゲープ。

仲居さん「では果物は明日の朝に回して、甘い物だけいかがですか?」

母「甘い物は別腹だから仕方ないね。ください」

なんでしたっけ、求肥のようなもので羊羹を巻いたものとメレンゲアイスだったかな。穏やかな甘さでスーッと入ってしまう。おいしい。

相変わらず監視カメラでもあるのかというほどの絶妙なタイミングで運ばれてくる料理たち。しかも熱いものは熱々なんだからすごいなあ。浜離宮には専用の調理場があるそうで、なるほどね。

ゆっくり飲みながら食べてちょうど2時間、素晴らしい秋の宴でした。

歌劇団の公演も復活していてちょっと見たかったけど、苦しくてダメです。部屋に直行して寝っ転がりたい・・

ほ〜ら、バッチリ布団が用意されていますよ。料理やお酒のタイミングを測りつつ、こっちも仕上げていたの?仲居さん超人か?

エアウィーヴの敷き布団に転がって、そういえば今日はログインするヒマもなかったなとウマ娘をひら・・グゥ。加賀屋の夜を楽しむ間もなく寝落ちたのは当然なのでした。つづく。

加賀屋 石川県七尾市和倉町ヨ部80番地

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