作曲家のS葉さん・絵師のKきゃわさんと来た関西、奈良で曜変天目を見てうっとりした後は京都入りです。
京大近くの駐車場に車をとめて、テクテクと出町柳駅に向かって歩きましょう。
Kきゃわ「出町柳ということはroom6さんの人と飲むんですかね」
そうです。京都のゲーム会社といったらニンテン‥ではなくroom6さん!でも社長のMさしさんは運悪く東京に出張中。
Kきゃわ「全力ですれ違いましたな」
デザイナーのAちゃさんと、初めてお会いするプログラマーの方がしごおわ後にかけつけてくれるらしいので、先に飲んで待つとしましょう。
出町柳駅のすぐ近く、出口によっては本当に目の前にあるのがこちら「炭火串焼き 隠家」さんです。かくれやさんではなくなばりやさんだそうです。
Kきゃわ「なばりや。串焼きということは焼き鳥六段のS葉さんオススメのお店ですか」
S葉「ところがオーヤマさんが選んだんです。串焼きといってもニワトリではないらしいですよ」
Kきゃわ「はぇ?東松山の豚肉をやきとりって言い張るアレみたいなもんですか?」
いやいや、串焼きなんですよ。入ればわかるさ〜っ!
テーブル席と座敷がありますが、5人ということで6人くらいが座れる座敷席を融通してくれました。
まずは飲み物‥あらうれしい、日本酒がいっぱい。ここは京都なので京都の名門、玉乃光酒造さんの中屋 六左衛門をいただきましょう。
S葉「僕はビールにします」
Kきゃわ「俺は少し日本酒を‥どれがいいですかね。スッキリなやつ」
奈良の春鹿超辛口なんてたいへんスッキリかと。
Kきゃわ「春鹿!手がめちゃめちゃ鹿せんべいくさいからピッタリかもしれませんな」
玉乃光はお酒好きになるきっかけになったお酒なのです。うう、尊い。お通しの肉味噌豆腐もウマい。お酒がたくさんあってお通しがよければもう安心、食べ物を頼みましょう。
メニューの冊子には飲み物とおでんしかないと思ったら、壁の黒板がメインメニューらしい。
Kきゃわ「ジビエ( ͡° ͜ʖ ͡°)」
気がついてしまいましたね。そうなんです、こちらはジビエの串焼き屋さんでございました。
Kきゃわ「な〜るへ〜。相変わらずそういうの好きですなあ」
「まずはコレ!」という猪鹿鳥盛合せは頼まねばなりますまい。
S葉「鹿の刺身もあるのですね。さすが馬刺し八段、いい店を選びますね」
シカやキジの刺身や串焼きを食べることができるお店!馬刺し八段の私と焼き鳥六段のS葉さんにピッタリとは思いませんか?
Kきゃわ「‥まあ、珍しいもんを食べられるのはいいことだ!」
はいはい来ました、猪鹿鳥盛合せ!低温調理の猪ハツ・鹿刺し(タタキ)・低温調理鹿タン・雉のササミとモモ‥だった気がする。
キジ側からもう一枚。モモ肉の脂身から圧倒的ウマさが伝わりますね!
ではでは、好物の鹿からいただきますよ。
Kきゃわ「よく食べるお馬さんは主張控えめですが、鹿さんはすごくシカシカしいですな!」
そうですね。噛みごたえといい香りといい、ケモノ感があって大変おいしい。こうして食べてみると、おウマさんは家畜なんだなあと納得です。
S葉「これはおいしいですね。奈良にいたあの子たちもこんなでしょうか」
あの子たちというとアレですね、シカハザード。
Kきゃわ「右手は鹿せんべいくさいし、上着はヨダレでベトベトですわ、も〜」
キジ鍋やモモ焼きといった火が通ったキジ肉は食べたことあるのですが、キジ刺しは初めて。どんなでしょう。
Kきゃわ「あっ、めっちゃおいひぃ〜!みっちみちぎゅむむな筋肉を感じる。これ好きだわ〜」
力強い風味ですねえ。ニワトリさんは家禽なんだなあと納得です。
Kきゃわ「イモ来た!イモばんざ〜い!」
これは‥ああ、長芋でフライドポテト!さっくり揚がったイモの中はほんの少ししっとり、そして甘ウマ。これはいいなあ、もっと流行るべきだ。チーズがびよ〜んドッグなんかに並んでいる場合じゃないぞ!
Kきゃわ「誰に怒ってるんです?」
いや、よくわからん方向にいきました。
この辺でお願いしておいた串焼きが焼けてまいりました。まずは兎ロースです。兎は‥そういえばこんな感じのメンバーで丸焼きを食べたことがありましたね。
S葉「あのウサギはおいしかったですね。たしかあの時はクミンをたっぷりつけて‥」
Kきゃわ「オーヤマさんがクミンのビンをひっくり返したから強制的にたっぷりつけたんでしたな」
そんなことありましたかね‥やあ、こちらのお店もスパイスがありますよ、ほら。
店員さん「お肉に合ったスパイスがありますので、ぜひ使ってくださいね〜」
Kきゃわ「あっ、な〜るへ〜。お肉ごとに調合されてるのか」
うずらにクマ、シカ‥ウサギって書いたのがないな。
Kきゃわ「説明書がありましたぜ。スパイスの調合はなんと大山スパイスさん!」
ひぇ〜、なんとウマそうな名前!ではオールラウンダーという炭火焼肉用スパイスをつけてみましょうかね。
というわけでいただくと、すっきりさっぱりな白身。脂はほとんどなく、すこしシットリ感の強い鳥のササミといった雰囲気です。炭火焼肉用スパイスは極上カレー風味であらゆる肉に合いそう。うまい スパイス うまい。
S葉「こちらは穴熊でしたよね。ところで穴熊というと冬眠中のクマか、種類としてのアナグマかどちらでしょう」
こちらは種類としてのアナグマと聞きました。アナグマは初めてなんで、内心ちょっと盛り上がっております。アナグマということは熊のうちな気がするので、熊と猪用のスパイスをふりかけてモグー。
Kきゃわ「あれ、これ俺好きですわ」
クニャクニャした頼りない歯ごたえですが、ケモノ味ひかえめ。あ〜、以前食べたリスに少し似ている‥
Kきゃわ「わからん、誰もわからんそんな味っ!」
S葉「これはもしかしたらんですけど、スパイスの美味しさが大きくないですかね?シナモンが脂身のケモノ感を美味しい方向に誘導しているように感じます」
Kきゃわ「それですよ!この熊用スパイスをおうちカレーに振って食べたいほどおいひぃ!」
うむ、さすが大山スパイスさんですな。買いたいけどどこにあるのかしら。
イノシシのハツ!さきほどの刺身に低温調理ハツがありまして、珍しいね、悪くないね、くらいだったのですが‥
Kきゃわ「すんげぇウマいわ〜、これ!さっきのはクニュクニュが面白いくらいだったけど、こっちはぱっつぱつで味も濃い!」
焼いてパツパツにはじけそうになっているからでしょうか、食感がまるで違う!パチンとはじけそうな身をかじると、内臓とは思えない切れる旨味が流れ込んできますよ!
S葉「ここまで切れるのは、やっぱりスパイスですかね」
クミンとシナモンの力でしょうか?血抜きが完璧なのでしょうか?たぶん両方。いや〜、いいもん食べた!
S葉「こちらはなんですか?」
なんとですね、ジビエのへしこ(糠漬け)です。左から鹿タン・猪睾丸・鹿ロース・キジ!
Kきゃわ「しれっと睾丸って聞こえた( ͡° ͜ʖ ͡°)」
まあね、睾丸食の権威としては仕方ないよね‥
S葉「ものすごい歯ごたえですね!噛みきれない!」
ああ、それは皮というか…皮ですね。中はなんかザックリとしたレバー風食感。味は‥うん、あまり白子を感じない…糠漬けの味だ。
S葉「おいしい糠漬けです。あまりしょっぱくないんですね」
市販のサバへしこなんて3切れも食べれば血圧が24くらい上がりそうですけど、こちらは糠の爽やかさがわかる適度な塩ですごくおいしい。キジはへしこにしてもキジキジしいな。キジは大好き食材に追加だ!
店員さん「ウズラの炭火焼、お待たせしました〜」
あら、ウズラは串焼きではないのですか。
店員さん「部位ごとにお持ちします」
えっ?ウズラを部位ごと‥?フレンチのカモみたいなことをしちゃいますね。これは手羽とかにあたる部分でしょうか。
ここはフィレだったかな?せせりに当たるのでしょうか…ちっちゃく難しいぞ!はっきり言えるのは、これ肉の味が濃くて好きだった!
こちらは胸肉。パサつき感ゼロ、しっとりして皮目はもちろん最高で肉の味も濃くて‥なんでこんな美味しい鳥なのに卵しか食べないんだろう。八宝菜のてっぺんとか串揚げの衣の中以外にも輝く場所はあるはずだ!
モモや手羽に当たりそうな部分を色々なスパイスで楽しむとめっちゃめちゃウマい!うずらも大山スパイスも最高!
最高すぎて芋焼酎ロックツインターボを始めたころにroom6さんのお2人が来た。
Aちゃ「さっそく焼酎2杯同時を決めてますね!」
いや、さっきまで日本酒1本だったんです信じてください。あ、何食べます?キュウリ?
Aちゃ「キュウリ好きとか言ったことありましたっけ」
いや、お通しの肉味噌がおいしかったので、私が食べたくなっただけです。
というわけで肉味噌キュウリ!この肉味噌にもジビエの肉が使われているそうです。何かはわからんけど、とにかくおいしい!
Aちゃさんたちに猪鹿鳥盛合せを楽しんでもらっている間に、我々は気に入りの刺身を単品でお願いするとしましょう。
Kきゃわ「キジ一点張りで願いますぜ」
賛成賛成、キジ刺しくださ〜い。うわー、たっぷり来たぞ。
Kきゃわ「この黄色い脂たっぷりな所、くにくにくにくに噛めば噛むほど甘ウマい」
どの部分も素晴らしい、脂の風味が良いなあ。雉刺し道の稽古もしたいけど、いかんせんお店がないぞ。
Kきゃわ「埼玉の山の方とかありそうじゃないですか。秩父とか秩父とか」
あるけど‥そこはほら、埼玉の山なんで、車でないと行けない‥
Kきゃわ「つまり飲めないと。そりゃオーヤマさん的にはアウト」
ジビエすじ煮込みも頼んでみましたが、すじってことはシカなんですかね。そこは聞かなかった。
S葉「優しい味でいいですね」
Kきゃわ「スジ肉に柚子胡椒なんて最強の組み合わせ!これは白メシにざぶざぶかけて‥」
あっ、柚子胡椒信者が覚醒した!
白メシざぶざぶとはいきませんでしたが、お店特製のだし茶漬けでシメとなったのでした。
うむ、京都名物はシカとキジにイノシシ、そしてスパイスと見つけたり。
Aちゃ「どれもおいしいですね。会社のすぐ近くなのにこのお店知りませんでした!」
さすが隠家(なばりや)…!店名に偽りなし。
Kきゃわ「なばりすぎの名店じゃ」
炭火串焼き 隠家(なばりや) 京都府京都市左京区田中下柳町13