いつの間にか少人数で予約ができるようになっていた!神田の老舗ゾーンであんこうを堪能だ! いせ源(千代田区・淡路町駅)

冬に食べたいフグ・クエ・あんこう・真鴨の至高の鍋メンバー!え、カニもそうなんですか?元アレルギーなんでよくわかりません。

しかし今年は捗らないことはなはだしい。かろうじて真鴨鍋だけですよ。鍋はどうしたって数名での会食になるのでアレがねえ・・やれやれですね。

でもせめて2人くらいならセーフじゃないかと未練がましく調べていたら、あれれ、あんこう鍋随一の老舗である「いせ源」さんがネット限定で少人数の予約ができるようになっているじゃないか。

予約は6人以上から、少人数は店の前で待つと聞いていたので今まで行かなかったけど、こうなったら話は別だ。あんこうと聞けば飛んできそうな友人に連絡して予約だ金太郎!

秋葉原駅から歩いて万世橋を渡ってすぐ右折、神田まつやにぼたんに竹むら、どこをのぞいても池波正太郎先生が座っていそうなスーパー老舗ゾーンにありますいせ源さん!

あまりにかっこいい店舗を見て、なぜ今まで来なかったのだと入る前から後悔をする有様です。

グルっと回れば菊正宗の看板。酒造さんの名入り看板って大昔からあるもんなんだな。

酒は銘酒(菊正宗)で御商談御会合にご家族連れで御気軽にのキャッチコピーも味わい深い。

お店の入口では巨大なあんこうさまがニッコリ出迎えてくれます。少し寒そうですが。帰りにはいなくなっていたのでそういうことだな。

玄関には下足番の方がいらっしゃるのがまさに老舗!予約名を告げると靴を預かってくれて引き換えの番号札を渡されます。

「検温と消毒を済ませたらお二階へどうぞ」

おお、下足番さんに新しい業務ができてしまったのですね。36.4℃、オッケーです。

いかにも昔の建物らしい急な階段を登って2階のお座敷へ。

「五十七番さんですね、こちらのお席にどうぞ」

あ、下足札は客番号でもあるのか。仲居さんがにっこりと案内してくれたのは2人用の小さな朱塗りの座卓。ガスコンロもスタンバイ!

メニューは基本的にコースです。メインはもちろん鍋で金額に応じて料理が増えていくみたい。鍋のボリューム感がイマイチつかめないので少し控えめに1万円コースを選んでみました。

15000円コースからあんこうの刺身がつくと知ったのは予約してからなんですよね、ちょっと食べたかった。

料理は決まっているので、ここで選ぶのは飲み物のみ。入口でああも推されては菊正宗に行かざるを得ない気もしましたが、一合単位か・・何度も呼ぶのも悪いし鍋はタイミングの食べ物だし、四合瓶で頼めるお酒にしよう。水芭蕉の冷たいのをお願いしま〜す。

今どきなのでマスク入れをくれますよ。まあかわええ。

はい、神田の老舗たちにかんぱ〜い。水芭蕉なんてわざわざグンマから来てグンマのお酒を頼まなくてもよさそうなものですが、スッキリとした後味の万能選手だから仕方ない。

前菜はホタテのイクラ挟み・子持ち昆布・柿のなます。柿と甘酸っぱい大根の組み合わせがなかなかの日本酒キラーでいいじゃないですか。

煮こごりの断面に見えるのはあんこうの卵巣ということです。ゼリー部分の味が非常に上品で卵巣の食感が面白くてこりゃンマいや。白メシの熱で溶かしながら食べてもたまらんでしょうね。

来たぞ来たぞ、あんこう七つ道具の中のメインイベンター、あん肝!こちらのお店ではきも刺しという名で登場です。

よく見るあん肝は橙色の部分が滲んだり脂が浮いたりと、決して見た目が麗しい食品ではないのですが・・こちらのものは大理石のような滑らかな肌に美しい色合い。

食べると脂の旨味がまったり広がってたまらんのですが、後味が澄みすぎて怖くなるほど。こんなにウマいあん肝なら、おフランスかぶれたちが唸るのも無理はない!

ついに来ました、いせ源さんの看板メニューであるあんこう鍋!椎茸にぎんなんに絹さやに柚子・・ゴボウみたいな白いのはなんだろ。全体的にバエない印象である鍋物ですが、こちらは色とりどりで美しい!

「沸いたら少し火を弱めて野菜を浸す感じに広げていただいて、ウドが茶色くなってきたら食べごろです。よく煮たほうがお味が出ますので」

仲居さんがマッチで火をつけてくれながら、鍋の食べ方を教えてくれます。ああ、白いのはウドですか〜、鍋に入るのって珍しいね。珍しいと言えば、そもそも醤油仕立てのあんこう鍋って初めてだ。

ここにもあん肝さんがいた!しかもタテだかヨコだかわからんスーパーサイズ!

皮や胃袋のフルフル軍団も控えております。うわ〜、早く煮えないかな。

煮え待ちのタイミングで唐揚げが運ばれてきましたよ。フグの唐揚げにも負けない旨味たっぷりのホクホク白身で衣の味もすごくおいしい。レモンを絞るとさらにおいしい。

ポコポコいってきたので具を広げましょうか。やあ、美味しそうな部位が見えてきたぞ。七つ道具とはいいますが肝・皮・胃袋くらいしか知らん。ああ、あと卵巣か。

あんこうのオスってスーパーミニサイズだから食べられるのは全部メス、白子不在なんだそうです。

なんとなくウドが染まってきたような。ちょっとすくってみましょうか。

ホイホイと拾ってならべていただきま〜す。あっ・・醤油の割り下、すんげ〜うめえ!あんこうといえばクセのない白身とゼラチン。そこにこんなにおいしい割り下が染み込んだらそりゃ最高でしょうよ。

またね、ウドのシャキシャキ感と香りがあんこうにピッタリなのね。時々ひょっこり顔を出す柚子は爽やか極まりなく、こいつは箸が止まりませんぜ。

鍋の途中で茶碗蒸しが来た。ちらりと見える橙色は・・なんと嬉しや、あん肝入りだ!プリン体フリーのタマゴ対プリン体トマホークのあん肝、ファイッ!

あれ、まだ料理が出ますのね。こちらはとも和え。煮込んだ身と肝を味噌で和えたそうです。また肝だ!しあわせだ!

コクしかねえという肝をちょいと酢が入った味噌で後口よく食べさせようというんです、こんなの酒が蒸発してしまうわ。

ので、鶴齢を追加するハメになった。あんこう料理はどれもこれも日本酒がすすみすぎて困ります。

大変おいしそうなお新香が運ばれてきましたが、つまりこれってアレの時間ということですか?

仲居さんがタマゴとご飯を持ってやって来た!やったぜ、おじやタイム開始、開始〜!

手早くご飯を入れて「ぬめりが出ちゃうんでこのままにしておいてください」と立ち去る仲居さん。つまり全部お任せにしておけということですね。

・・しかしアレだな、あんこうや野菜をたっぷりと煮たのに出汁がこんなに澄んでいるのってなんで?あんこうの下処理が完璧なのはもちろんのこと、アクが少ない食材を具にしたということなのでしょうか。老舗の積み重ねがすごすぎて怖い!

ぽこぽこしてきたな〜というあたりで仲居さんがスス〜と来てタマゴを3つ投入!ざざざっと混ぜて

絶妙のタイミングでネギを投下!

「じゃあ火を落としますね〜」

素晴らしい、ペルフェクトなお仕事だ・・!俺は今、猛烈に感動しているっ!座っているだけでこんな素敵なおじやができちゃうんですよ?ありがてえありがてえ。

前述したように旨味がた〜っぷりと溶け込んでいるのに澄み切っている出汁、そちらを全部吸ったご飯とタマゴなんてもうなんと言うか・・全国のおじや好き、出てこいや〜!と叫びたい!

フグちりやクエ鍋でもあることですが、このおじやの瞬間のために具を平らげているフシもあります。とにかくっ、全人類このおじや、食べてっ!そして今までなぜ食べなかった自分!バカー!!

みかんゼリーで己への怒りをクールダウンしましょう。

結局おじやも残らず全部平らげてしまった。それぞれの料理が「もう少し欲しい」くらいの一番おいしい量なので、品数が多くても腹一杯で食えないなんて事態にはならないみたいです。よし、これなら15000円コースもいける。次はそうしよう。

御会計コーナーでは下足札をお盆に置くシステム。この既視感は・・そうだ、換金のアレとおんなじだ。

スッゲーうまかった!やはり超老舗、ず〜っと繁盛しているのには理由があるのですね。こうなるとご近所のスーパー老舗であるぼたんさんのとりすきも食べざるを得ないっ!と、友人と意見が一致したのでした。

いせ源 千代田区神田須田町1丁目11番地1

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