
グンマ東部の民なので、前橋高崎といった中部西部の主要都市はよく知りません。富山に行った帰りに高崎駅で乗り換えはチャンス到来、途中下車してお昼を食べていくとしましょう。
高崎名物といえばなんだっけ‥大盛りパスタに黄色いカレーに焼きまんじゅう、豚骨ラーメンの名店もあったような‥う〜む、今回は母もいるからどれもピンと来ない。
あ、そうだ。挽きぐるみの蕎麦をぼっち盛りで出す有名店があったな。母もぼくも蕎麦が好きだからいいんじゃないか?

でも有名店だけに土日は混みそう。並ぶのキラ〜イということで、他の蕎麦屋さんを開拓してみよう。高崎駅から徒歩7・8分の所にある「そば芳」さんに来てみました。
「十割そば」や「襷そば」という字が踊っています。十割はよく聞くけど、襷とはなんぞや。入口の「新そば」の張り紙を見て、心を躍らせつつ入店します。
四人がけのテーブルが五・六卓。明るい店員さんとチリ一つない店内は美味しい雰囲気満点です。

二八・たすきそば・十割という三種のそばと合わせるつけ汁を選ぶという、ちょっと独特な注文スタイルのようだ。

京鴨使用の鴨汁があるなら汁は即決。

三種の蕎麦はどうしようかな‥おや、せいろを増やして二種類以上楽しむこともできるのか。鴨汁の二段せいろ、たすきそばと十割でお願いしましょう。

母は天ぷら必須でしたね。おや、蕎麦がきとかだし巻玉子の天ぷらなんて面白そうな物があるぞ。

というわけで、だし巻き玉子の天ぷら盛り合わせを頼んでシェアすることにしました。

うお、本当に厚焼きのだし巻き玉子がまんま天ぷらになっているよ。
ガブリといけば、薄い衣からとび出る熱々のだし巻き。そば屋さんの美味しい玉子焼きに衣をつけて揚げるなんて、なんてえアコギなやり方だい。嬉しいじゃないかもっとやれ。
しかし分厚い玉子に衣だからね、ボリュームもすごいのよ。シェアで正解でした。

それでは本丸の鴨汁二段そばに取りかかりましょう。
すごい、石焼きのような器で鴨汁が地獄の釜のように湧き立っている。

上が襷そば、下が十割そばという世にも珍しい重ね盛り。

まずは十割からがいいのかな?一寸あたり二十本くらいでしょうか、気持ち太めな蕎麦は見るからに風味が強そう。

太打ち十割とは信じられないほどのなめらかさ。それでもさすがに二・三回は噛むわけですが、そこで蕎麦の香りがフワッと広がる。ああ、こいつは良い十割ですねえ。新そばや ああ新そばや 新そばや。

グラグラがおさまった鴨汁は濃厚鴨スープとなり、十割そばの風味とバッチバチのタイマンを張ってくれます。京都よりお越しの鴨さん、うまいでありますよ。

さて問題の襷そば。同じグンマでも桐生の名物である「ひもかわ」うどんのごとき幅広麺。
ワサビと塩で食べれば、おお、これは蕎麦の刺身。なんだこのピロピロ気持ちいい食感は。これは蕎麦粉だけでは出ないだろうから二八なのかな?

鴨汁にひたせば温かさで蕎麦の香りがアップ!ちょっとふやけて食感のなまめかしさもアップ!ピロピロしゃきりを楽しんでからふあっと香る。ネギを巻いて食べるなんて蕎麦らしからぬ技もできるぞ。楽しいなあ、たすきそば。
当然のように「喉ごし」は皆無なので、十割や二八とあわせて楽しむのが正解と思われます。二段以上を頼むべし、べし!

ボリュームたっぷりの天ぷらと二段の蕎麦で腹いっぱい。しかし味わい深い鴨汁で蕎麦湯を楽しまないワケにはいかない。残ったネギと生姜を投下してほっこり締めましょう。
香り高い十割、楽しいたすき、蕎麦屋さんの天ぷらの集大成みたいなだし巻き、どれも美味しゅうございました。
飛び込みで入ったお店がこんなに面白い高崎、さすがグンマの中のグンマだな‥!もうちょっと頻繁にランチに来てもいいかもしれない、とか思ったのでした。
そば芳 群馬県高崎市通町90-13 黒沢ビル 1F