【夕食編】あわら温泉 つるやさんの特別室・大観に泊まってみよう あわら温泉 つるや(あわら市・芦原温泉駅)

元加賀屋の若女将を追いかけて予約してしまった「あわら温泉 つるや」さん、温泉編に続く夕食編です。

部屋の温泉でこれでもかと茹だってからゴロゴロしていると、なんだか呼ぶ声が聞こえてくる。Amazon…なわけないな。

仲居さん「お夕食のお時間になりましたのでご案内いたします」

おお、部屋まで迎えに来てくださるのですね。ツルツルになった足の裏で畳敷きの廊下を滑るように進み、2階のお食事処へと向かいます。

お食事処は完全な個室。テーブルに椅子なので、部屋出しよりこっちの方が楽チンなようだ。

さっそく飲み物を選びましょうか。ビールを飛ばして日本酒のページを開けば、ズラリと並ぶ福井の銘酒。米どころすなわち酒どころですね。好物のもあるじゃないか。

あわら温泉の女将の会が米作りから携わったという、その名も女将の酒。値段もお手頃だしこれかなあ・・でも福井に来たなら梵を飲みたいよな。梵 特選純米大吟醸を四合瓶で願いま〜す。

梵来た、BORN!氷に埋もれてやって来た!もちろん和らぎ水も一緒に出してくれますよ。

食前酒の加賀梅酒でかんぱ〜い。最近はノンアル食前酒が多いですが、こちら弱めだけど本物の梅酒らしいです。酒バカの舌では微弱なアルコールなど検知できないので、友人談。

そして先附はさすが夏の西日本、鱧湯引き!紫蘇とじゅん菜でさらに夏!

お品書きがあるとメモをサボることができるので便利ですね。

量より質の和食という触れ込みでしたが、これを見る限りなかなかの品数かもしれん。

日本酒狙い撃ちの前菜各種。エビのこのわた和えとか鮎のうるか焼きとか反則だろう。とうもろこしの冷製スープなんて、鱧に続いてつるやの夏、日本の夏。

友人「鱚のずんだ和え?おもしろいなあ」

北陸でもずんだを料理に使うのですね。前菜から美味しいのは非常に嬉しいのですが、お酒一本で大丈夫か心配になってくる。

お椀はもずくの真丈とのし鮑。ミスター味っ子で存在を知ったオカヒジキもあるじゃないか。オクラともずくのヌルヌル合戦にオカヒジキのシャキシャキが加わって、食感の大乱闘が楽しくてたまらん。

近海産という響きが羨ましい海なし県民。活魚五種盛りは左からマグロ・イサキ・バイ貝・シマアジ・ナメラだそうです。ん、ナメラ?

長野産の本ワサビを自分でスリスリしてからいただきます。いい香りだなあ。

ナメラってなんじゃらホイとワサビと醤油でいただいてみると、しっとりした食感と旨味が深い極上の白身・・後で調べたら清蒸とかに使う高級魚のハタだった!そりゃウマいだろ!

バイ貝を竹炭塩で食べればいかにも貝な食感が爽やか。シマアジの良い脂はワサビをつければつけるほどウマくなる。

旅館の料理といえばコレ、固形燃料の鍋物は2種類から選ぶことができます。黒毛和牛のルビートマトしゃぶor鮑のしゃぶしゃぶ。美味しい暗号チックなメニューでは悩む必要なし、鮑のしゃぶしゃぶをお願いしましょう。

まずは昆布だけ入ったしゃぶしゃぶベースが登場です。友人はトマトしゃぶを選んだので一部トレードできるな、よし。

仲居さんが「ちっちゃい、可愛い鮑になっちゃうんですけど」なんておっしゃってましたがご謙遜、なかなか立派な鮑さんでございますよ。

もっと言えば、鮑の場合サイズなんか問題ではない。肝をどう食べるか?の一点です。

今回の鮑しゃぶしゃぶの答えは、裏ごしして肝ポン酢を錬成!よっしゃ満額回答〜!

シャブ〜と泳がせて、たっぷり肝ポン酢をつけてクニュ・・モニュ・・肝うまい、うますぎる。そしてなんだこの出汁は。昆布が一枚ヒラリと入っているだけなのに旨味がフルバースト。鮑と昆布のWグルタミン酸パワーなのか。

うま〜い出汁をこれでもかと吸ったネギを肝ポン酢で食べて、即座に梵で迎え撃つ!ああうまいしか言えない、たまるか。

今年の金庫の暗号は決まりました!いや待て、金庫の暗号が料理名とかいくら漫画だって無茶すぎるだろなんとかしろ。

牛肉も予定通り一枚いただきました。トマトの爽やかな酸味が霜降りの脂を見事にサッパリ化してくれて美味しい。盛夏の肉はトマトしゃぶと見つけたり。

天ぷらは三度豆・玉蜀黍・赤パプリカになんと花らっきょ!らっきょうって鳥取だけじゃない・・どころか、福井の三里浜は日本で唯一「三年子らっきょう」を作っているのだそうですよ。道の駅でもたくさん売っていたのはそういうことか。ついでに知ったのは「花らっきょ」を名乗れるのは福井産なんですって。はえ〜。

肝心のお味はちょっとビックリ。島らっきょうの天ぷらのように強いネギ風味を楽しむと思うじゃないですか。ところがコレ、甘酢漬けを揚げているのね。シャキっと締まった食感からほわわ〜と香る甘酢!まさしく珍味で、その・・酒が進む。否、進みすぎる。

おかげさまで梵が全滅したのでさつま白波ロックなど。

確かに量より質で、通常の温泉旅館のように食べきれないほどではありません。が、しっかりお腹いっぱいです。食事の芦原産コシヒカリはごく少なめに盛っていただきました。山葵昆布で食べると良いコメなんですよコレが。

焼きなすと岩海苔と三つ葉でなんと香り豊かな味噌汁でしょう。見知らぬ土地の味噌汁は本当に楽しい。

スダチ風味の葛切りスイカでごちそうさま。熊川宿の葛!道の駅でもたくさん売っていたスイカ!美味しいもの満載だな福井〜。

良い塩梅に酔って部屋に戻れば布団が用意できている、と。食事部屋出しの場合は食後に布団敷き待ちタイムが発生しますが、お食事処式はこの点がいいですね。

しかし掛け布団をタテ真っ二つに折るのは初めて見たな・・とすべり込んでみて納得、こりゃ楽チンだわ。

テレビでキングダムの映画やってんなあ・・と見るでもなく見ているうちに、どうやら寝落ちたようです。だいたい24時間起きていたもんな。

次回朝食編でおしまいです。

あわら温泉 つるや 福井県あわら市温泉4-601

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朝食はこんなでした

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