できたて豆腐・湯葉グラタン・いなりコロッケと、大豆百珍揃いました!葷酒生ぐさナシでも大満足しあわせ 永平寺禅豆腐の郷 幸家(永平寺町)

昨年だったかな、和倉温泉 加賀屋の若女将があわら温泉の旅館に移ったとニュースで見たのでした。加賀屋を愛する者として、そして若女将の隠れファンとして行かねばならぬ謎の使命感。

どうせ泊まるなら温泉付きの特別室がいいな。そちらは2名よりということで、友人を巻き込んで無事予約できました。

さあ7月末、予約の日になったぞ。まずは観光、目指すは永平寺〜!ちなみにグンマを出たのは0時前です、元気だね。

永平寺町に入ったのはおおむね11時、お腹が空いたのでまずはお昼ですかね。永平寺周りはおろしそばのお店が多いのですが、せっかく禅宗のお寺に行くのだから精進的なものも食べてみたい。

やって来たのは永平寺参道のインターを降りて1キロ程度の所にあります「禅豆腐の郷 幸家」さん。たぶん「さちや」さん。豆腐や胡麻豆腐を販売していて、それらを使ったお食事処もあるとGoogleマップが言っていました。

あれれ、お店の奥のレストランは準備中みたい。では豆腐やら胡麻豆腐を買うだけ買って、参道のそば屋さんでも当たるとしましょうか。

・・諸々買い込んで発送の手配なんてしていると、なんだかレストランに人影が・・あの〜、食事ってできますかね?

店員さん「もちろんです。どうぞ奥へ」

なるほど、レストランの方は11時半頃のスタートなんだな。景色がよく見える窓際の席をいただきました。と言いつつ景色撮り忘れた。

セットメニューがメインみたいですね。一番軽そうなのは心・2,200円。ヘタレ胃袋としてはこの辺でも十分満足できそうですが、

凛・3,300円のセットから名物という「できたて豆腐」が入ってくるそうなんですよね。せっかく来たなら目の前で仕上がる豆腐、食べたいじゃないですか。

禅・4,400円となると、今度は夕食までに腹が減らない問題が発生してくる。マメって軽いようでお腹にたまりますからね。間を取ってを2つお願いしましょう。

店員さん「食後に地下水仕込みのコーヒーかしぼりたての豆乳をお選びいただけますが、どちらになさいますか?」

なにその「両方!」って叫びたくなる選択肢。2秒ほど全力で悩んで豆乳でお願いしました。水出しアイスコーヒーだったら即決だったな。

そのコーヒーや豆腐に使われているという地下水が出てきました。清冽、清浄、とにかく清い。清い流れが一気にストンと胃まで落ちて行く。全く後を引かず、潔くスッキリ切れる。この清さはナニ?純水に近い勢いの超軟水なのかしら。108日飲み続けたら煩悩の全てを洗い流してくれそうだ。

次は店員さんがおでん鍋みたいなモノを持ってきたぞ。

店員さん「今ニガリを打ちましたので、14分のタイマーが切れたら豆腐の出来上がりです」

はぇ〜面白い、できたての名に偽りがなさすぎる。

友人「中見たいな、ちょっとならフタ開けていいんだろうか」

羽釜ご飯じゃないからちょっとくらい・・って、もう開けてるじゃないの。うむ、豆乳だね。あっ、店員さん来たからほら、フタ戻して。

店員さん「最初の一杯、精進だしになります」

友人「・・・まる〜〜い、なんてまるい」

最初にやわらか〜い甘味からじっくり旨味が・・昆布と椎茸か、丸〜い旨味が沁みていくねえ。しかし椎茸の旨味ってクセも同居するのに、全く引っ掛かりのない丸さはなんなんだろう。砂糖っぽい甘さに秘密があるのだろうか、超軟水で煮出した結果なのか。

友人「お店に精進だし売ってたよね。追加で買っていこう。これでお粥を作れば快適な朝が約束される」

次は白黒の胡麻豆腐と・・なんでしょう、あまり脳内にない不思議な前菜たち。

三角のおでんヘッドみたいなモノ、大豆ミートにトマトとモッツァレラのようなものがかかっているのかな?和伊折衷でめちゃめちゃウマい。国産の白ワインが欲しくなる。マグロのような味のものもあったけどホントのマグロなのか大豆なのか、素菜の世界は深淵すぎてわからん。

友人「胡麻豆腐のねっとり感も前代未聞ですごい〜。今まで気にもしなかったけど、こんなに美味しいものだったんだ。買ったの食べるのも楽しみ〜」

うまいうまいと言っていたら14分経過したらしい。ではおでん鍋のフタ、オープン!

ぱか。

見事な新雪の野、一面に広がるA列車の資材〜!

こいつをすくって、あの極上だしをかけて食べるわけですね。え〜やだ、できたてフルフル〜。

絹ごし豆腐の粒子を細かくしたような、とにかく滑らかな口当たり・・でも決してもろく崩れたりしない弾力・・何コレ、未知、未知すぎる!でも味はしっかり豆腐なんだよな〜。

精進だしと一緒にトロトロと口に入ると抵抗できないウマさで、乳粥を食べたお釈迦さまのように何かに目覚めてしまいそうだ。

本日の一品は青菜と湯葉のグラタンですって。

青菜・湯葉・ゴマと味噌?そしてチーズ?なんだかマネできそうな気もするけど、やっぱり感じる甘味の塩梅が難しそう。とにかく甘味の使い方が上手で、味の角が綺麗に取れすぎ。丸さがすごいことになっている。

そしてメインのもてなし膳だ!うむ、非常に素朴で身体が喜びそうである。ニクとか刺し盛りのキターーー!感がない、でもどれにも手がかかっていることは間違いない雰囲気。

汁は白いけど粕汁かしら。すすってビックリ、崩した豆腐というか呉汁が入った味噌汁ですか、落語家が作ってくれそうだな。精進だしと味噌と大豆でなんとまあ豊かなお味でしょう。ナメコの食感も気持ちいいね。

友人「ここ数年のお味噌汁で一番おいしいかも。毎朝飲みたい」

ここは朝に食べたいものばかり出るねえ。

朝に食べたいといえばご飯、いちほまれでしたっけ?湯葉の佃煮と食べると止まらないんですけど。この組み合わせも朝に嬉しい。

焼いたもの煮たもの、いずれもがんもどきとか、大豆の変形なのでしょう。どれもまず甘さが来てからしっとりウマい。そう、しっとり。豆腐から何から、とにかく粒子が細かいから味の染みがすごいのよね。

びっくりメニューは揚げもの、いなりコロッケ!甘辛いおいなりさんのお揚げを衣に使ったコロッケ!しかも味付けはソースでなくごま油と酢と砂糖・・これはアレだ、冷やし中華のタレ!

どんな組み合わせだ意外にも程があると思わせておいて、クセになりそうな甘酸っぱさがやめられない止まらない。おかずにバッチリだけど般若湯が欲しすぎてまいっちんぐ。

できたて豆腐の後半戦。色が濃くなってしっかり感も上がって、出汁をかける以外にも麻婆豆腐とか肉豆腐とか色々な料理に転生の可能性が・・

はっ、それってつまり、序盤が汲み出し豆腐で後半がザル豆腐ってことじゃないか!究極対至高の豆腐勝負がここに再現されていた!

食後の甘味は豆乳スイートポテト抹茶胡麻豆腐、そしてしぼりたて豆乳。豆乳のマメくささが全くなくて旨味だけなんだよなあ。こんな豆乳なら豆腐でも呉汁でもウマくなるよなあ。ああ〜、豆乳と油条の朝メシ食べた〜い!とにかく朝に食べたいものばかりだ!

日本人というか禅宗の大豆への偏執ぶりをバッチリ楽しむことができました。いや全部ウマかったし、なんだか一食ですごく健康になったようだ。

そして永平寺へ参拝。いやはやすごいや。立ちっぱなしの駐車場のおじさんもすごい。有名な傘松閣の天井は写真で見るよりはるかにすごい。見上げる時に開いた口がそのままふさがらない。

そしてウルトラ暑いはずなのに境内はなんだか平気だ。木が多いから?妙に風が抜けるから?

友人が買った漆塗りの御朱印帳がすごくすごくてうらやましい。ついでに典座さん著の精進料理レシピ本なんてあったので買ってしまった。いや〜永平寺、すごいとしか言いようのないほどすごい所でした。幸家さんとあわせてまた来る。

永平寺禅豆腐の郷 幸家 福井県吉田郡永平寺町京善41-53-1

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