
京都三泊四日メシだけツアー三日目の夕食。翌日は帰るだけなので実質トリです。お店はもちろん、京都といえばの「佳肴 岡もと」さんです。
実はほぼ毎月のように来ていますが、記事を書くのをサボっている。あとでまとめて上げよう。

お店は清水五条、馬町の交差点を東に入って100mほどにあります。
カウンター8席の完全予約制でおまかせコースのみ。正確なコース料金は知りませんが、これでもかと日本酒を飲んで2万〜2万5千くらいです。
土日は18〜18時半スタート。目の前で作るのを見ながら、おおむね3時間くらいの楽しい夕べとなります。

ほとんどの方は生で始めますが、ぼくは最初から日本酒なのだ。なんせ常時60種類程度は置いてありますからね。
オススメのお酒を三本ほど並べてもらい、味わいの説明を聞いたら「コレ」と選ぶ方式。一杯目として選んだのは青森の陸奥八仙 V1116。
白ワイン酵母・V 1116で醸したお酒は、米だけでなくリースリングでも使っているのかと思ってしまうスカッとした酸。夏の最初の一口には最高だ!

そして葉っぱでフタをされた料理が。

オープン・ザ・葉っぱ。
出ましたものは、ずんだの飯蒸しに北海道のウニ。
これでもかと香る枝豆が、いやが上にも夏の空。

次のお酒はジャケ買い、福岡は寒北斗のピリ辛純米吟醸 DIABLO。ピリ辛酒は明太フランスの夢を見るとか、何を言っているのかわかりませんがとにかくすごいお酒だ。
言うほど辛味を感じることなく、むしろ最初は甘味と旨味を感じる。スカッとした後口の爽やかさを辛いと表現しているのかしら。

淡路天然ハモとクルマエビを黄身酢とスダチあんで。シーアスパラとディルの花が彩りと風味を添えます。
祇園祭真っ只中の京都だから鱧は必ず出ると思っていましたが、岡もとさんお得意の黄身酢で来るとは。嬉しいとメガネが曇るんですよ。

鱧を迎え討つのは能登大慶×天狗舞 能登の酒造 復興応援酒。穏やかな香りでしみじみうまい。色々な料理に合いそうです。飲んで応援?任せてください。

明石天然スズキと翡翠ナスのお椀。オランダ煮で一味加わったところを吸い物に仕立ててしまっては、これは飲めるお椀。

島根の天隠 生酛 無濾過生原酒。そろそろ夏っぽいお酒ではなく、濃厚モード突入ということですか。

ホタテの柱とヒモをトマト醤油とレモンオイルで。なんともイタリアンなようで、食べてみるとまさしく和食、正しくお造りだから面白い。

福岡の庭のうぐいす 北嶋山田錦80 純米。高精白が流行る中で精米歩合80%はなんとも頼もしい。旨味・甘味・酸味どれもが濃厚で芳醇、好きなお酒だ。見つけたら買おう。

おなじみイワシの辛煮。酢などを使って計5時間も煮たイワシに本枯節の粉をかける、佳肴の真骨頂。ひとかけかじってうぐいすを飲んで、もうひとかけ、もう一口、ホケキョー。

赤蒟蒻と万願寺とうがらしをおばんざい風に。さりげなく見える一皿が、その実ちっともさりげなくない。毎日つまみたいなあ。

7月ということで鮎です。シュッとしていますね。塩焼きはアホほど食べたであろうということで、本日は違う食べ方で出してくれるそうですよ。

鮎を下処理している間に、明石のタコの金華ハム出汁煮!上にかかるのは磯辺おろしとニジマスキャビア。
スッと歯が通るのに歯ごたえはモニュっと残るタコ。こりゃ楽しいともう一度噛むと、あっさり上湯のようなうまうまスープが染み出してくる。か、佳肴〜!

奈良の花巴 水酛生酒。初めて飲んだ時はヨーグルトみたいな風味にビックリしたなあ。が、二口目からはクセになる。
料理に合わせるというより、お酒をメインにツマミ然としたものをチビチビ食べるといい感じかも。たとえばカラスミとか‥

なんて言っているところでカラスミ餅だ〜!海苔に餅にカラスミ!日本酒好きの89%が卒倒する組み合わせだよ!

カラスミ先生が出てしまっては、こちらも本気を出すほかない。石川の至宝、今度はコラボではない天狗舞 山廃仕込 純米酒!真っ黄色でヒネ香バリバリ、個人的には埼玉の神亀と双璧のお酒であります。

同時に秋田の花邑なんて、極めてたおやかで甘いお酒も頼むことができるのが岡もとさん。先程の天狗舞とはまるで違うベクトルなんですけfど、みんな違ってみんないい。

先ほど見せてもらった鮎が見慣れぬ姿となって登場しました。なんと鮎の酒蒸し・鮎魚醤風味。
魚田は鮎の香りが生きない気がしますが、蒸して鮎魚醤で味をつければ塩焼き同等のフル・オブ・鮎風味。塩焼き以外にこんな手があったのか!

そろそろ食事ものの波動を感じたので芋に移行しましょう。GLOW EP05。芋を醸して果物の香りになる理由はわかりませんが、とんでもなくフルーティーなんです。

実山椒入りの鯖寿司。京都の鯖寿司は良いところが揃っていますが、岡もとさんのは余裕で最上位に食い込むでしょう。
最近他で鯖寿司を食べなくなったのはコレのせいです。責任取ってください。

シャポーンコンソメにフカヒレと玄米麺。季節感あふれるご馳走でたっぷり飲んだ後にほんのちょっとの麺。ヨッパライの気持ちを読みすぎて怖い。

思わず芋をもう一杯。お店で見たらジャケ買いまったなしの爽やかなイラストはジョイとベニーです。ジョイホワイトと紅まさりという芋を使ったからジョイとベニー。見た目や名前とは裏腹に、百年以上の歴史がある甕で醸した本格焼酎。
何年も醸してきた甕。つまりスッポンを煮つづけた鍋に味が染み込むの原理なワケだ。たぶん。

桃のコンポートにはかわええ麦わら帽子が。冷たい水菓子で飲む焼酎、なんでこんなにうまいのか。

目の前で包んで蒸しあげる饅頭でシメ。本日は八丁味噌味です。
本当に毎月季節感あふれる献立で楽しいなあ。岡もとさんで食べることで、季節の食材を覚えているフシまである。8月はちょっと予定が合わないので次回の予約は9月。果たして松茸の大先生などは出るのでしょうか。
佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4