しばらく金曜日は京都の岡もとさん編です。今回は2月のお話。
ランチがわりにこの上もなくオシャレないちごパフェをいただいた京都。いったんチェックインして夕方再始動します。目指すは馬町交差点。
「ほぼ」ではなく、本当に毎月来てしまっている「佳肴 岡もと」さん。仕方ないよね、コースが月替わりなんだからね。
毎度ですが一応。カウンター八席の完全予約制、お酒込みで二万円前後のおまかせコースになります。
予約の18時を5分ほど過ぎたらビリっけつだった。みなさん美酒佳肴に飢えていますね。急いで飲み物を注文するからちょっと待ってください。最初のおすすめ3本の中からどれだ。
新潟の麒麟山 ぽたりぽたりなんて淡麗なところで喉を潤してから、佐賀の竹の園 パンダ出没注意 無濾過生原酒を五臓六腑に染み渡らせるコンボでいきましょう。
まずは温かい一品、深谷リーキと雑穀のおかいさんから。リーキってポロネギでしたか。地元からごく近い深谷め、ネギだけでなくそんなモノも作っていたのか。
味の強いネギに熱を加えたら甘〜くなるのは周知の通り。なんたる滋養なお味のおかいさんでしょう。節分だからの炒り豆がクルトンより香ばしくていいかも。
お次はなんとも美しい一皿。明石のオニオコゼとウルイと湯葉の黄身酢だそうです。力強い弾力のオコゼと優しい湯葉の対比が面白くてお酒が進んじゃう。大変だ、パンダが空になってしまった。
あっ、素敵なラベルを見つけましたよ。滋賀の笑四季 赤い糸。甘口至上主義の笑四季さんは個性的すぎて昔から大好き、スティルインラブ。
赤い糸もやっぱりあま〜い、けど、和三盆のようにスッキリ軽い後味でいくらでも飲めそうです。
みなさんケガニしんじょのお椀ですが、ぼくだけ天然車海老しんじょのお椀。エビの玉を崩しながらすすり、甘いお酒をクイっと。お椀で飲むお酒っておいしいもんですねえ。お互いがチェイサーになるから止まらないよ。
岡山の十八盛 朝日 純米大吟醸無濾過生原酒をいただきますか。漢字が増えれば増えるほどエラくなる日本酒ですからね、極上間違いなしというところ。
果物のように華やかな香り、ジュワッと来るガス感、なんかゴージャスでおめでたい気分になるお酒だなあ。
トラフグぶつの白子がけ!黄色いニラとたんぽぽが添えられます。
友人「フグほんと好きで、子供の時にお年玉でフグ食べたいって大騒ぎして‥」
なんてイヤなガキンチョなんだい。そんなあなたにコレは刺激が強すぎますね。
友人「おいしいおいしすぎる。もっと大きなお皿で欲しい‥」
次にオススメのお酒は奥播磨 山廃純米大吟醸 龗雫だそうです。オススメの理由はいつもぼくが龍の柄の服を着ているから、だって。
山廃で大吟醸とか、乱暴だか繊細だか分からんお酒じゃありませんか。飲んでみると果実の香りが間違いなく大吟醸!軽い酸でいつまでも飲める感じもいいですね。見た目だけじゃなかった!
岡もと流八寸のスタートはおなじみイワシ辛煮から。5時間煮たイワシは鰹節の旨味に酒が進み、酢の酸味で次の酒を呼ぶまさしく佳肴。
宍道湖寒シジミの茶碗蒸し。飲みながらオルチニン補給とはなんたる喜び。肝臓の自転車操業とか言うな。
さすがシジミ、肝臓に活を入れるだけでなくコハク酸の旨味が爆弾のようだ。これに対抗するには、そうだな‥黄色いというかヒネたというか、昔ながらのお酒が欲しくなるような。
そんなわけで、ぼく専用というお酒が出た。菊姫の山廃!無濾過生原酒のバリバリくる旨味と山廃らしいクセのある香り!ドうめえ〜!石川を飲んで応援だ!
秋田のセリと滋賀の赤コンニャク、ふりかかるベビースターのようなものはジャコです。今まで隠してもいませんでしたが、セリ大好きなんだ〜!シャキシャキとした歯ざわり、胸のすく香り、コーヒーよりはるかに目が覚めますって。
実のところ、コーヒーで目が覚める感覚を受けたことない。利尿作用はテキメンなんですけど‥みなさん効くの?
根室のウニと明石の海苔佃煮をひと匙で!これは見るからにダイナマイトですが、食べたらさらに上のゼリグナイトであった。佳肴という言葉はこのために。煮たばかりの海苔って山岡も必殺技にしていますよね。
佳肴には佳醸だ!ここで岡もとさんの故郷広島のお酒、雨後の月をいただきます。地元でよく行く焼肉屋さんはコレが必ずあるので、ぼくの中ではヤキニクザケです。
しかしここは佳肴岡もとさん、ニクではなくサカナ。もしかしたら肉よりパワフルかもしれない白甘鯛松笠焼きにカブのすりながしだ!白甘鯛のウロコがよく立つように揉んでいた。メモしておこ‥いや、ウチで焼くことはまず無いわな。
ザクっと気持ちいい歯ごたえの下からあふれる澄み切った脂。しっとりポックリとした白身と脂とカブが渾然一体、美味しんぼ初期の東坡肉も尻尾を巻くようなコンビネーション。うううう、うまい。
そろそろお食事ものタイムなので芋をお願いしましょう。本日は小鹿酒造の本にごり くろ。さつまいもを無理やり液体化したような濃厚さに随喜。
おなじみ鯖寿司は実山椒とスグキ入りの二種。食事モノだというのにお酒が欲しくなってけしからん。
やはりおなじみ、シャポーンコンソメにフカヒレと玄米麺。このシャポーン先生の肉をいつか食べてみたいもんです。
デザートは金柑と塩アイス。なんかクリームチーズを感じるお味。ちべたくてほろ苦しょっぱ甘と大忙しで楽しいなあ。
目の前で包んでふかしあげるまんじゅう。こちらに通うようになって、すっかりまんじゅうとお茶が好きになりました。結局ここのが一番うまいんですけどね。
思うところあって1月から日ごろのお酒を減らしたところ、胃の調子が盛大に良くなりまして‥今までは鯖寿司の前あたりから苦しかったのが、最後までバクバクと美味しくいただくことができました。
こいつはいいや。この調子で普段は控えて、岡もとさん等に来たらしっかり飲むのパターンで行こう。
佳肴 岡もと 京都府京都市東山区常盤町470-4