北関東からやってきたマシュー、T氏とめぐる北海道、つづきです。
T氏「俺の好み100%の北の国からロケ地のあとは、あんたの好みだろ?どこに行くんだ?」
私の好きなところに行ってくれるの?よかったわ。行ってくれないって言うのなら、行きたくない理由を片っ端から頭の中にならべたてていたところだったの。
T氏「・・ど、どうした。熱でも出たのか」
これから「カナディアンワールド公園」に行くの。すてきだと思わない?カナダのプリンスエドワード島に来ているんだって、想像できるもの。
T氏「カナディアンワールド公園?検索するか・・えーと、赤毛のアンのテーマパーク、本物そっくりのグリーンゲイブルズがある・・なるほど、赤毛のアンの聖地に行くから、脳内がもうアン・シャーリーなんだな!」
コーデリアって呼んでちょうだい。ああ、日本にあるグリーンゲイブルズに行けるなんて、夢がかなったわ。想像していたことが本当になるなんて、素晴らしいと思わない?
あっ!あの、T氏、今わたしたちが通った看板・・あれはなんなの?
T氏「そうさな、入場無料の看板のことを言ってるんだろうね・・・確かに、ちょっとかわいいな」
かわいい?かわいいなんて言葉じゃだめ。美しいもだめ。ああ、素晴らしかった・・素晴らしかったわ。妄想力で補う必要のないものを見たの、これが初めてよ。
T氏「無料な上に死ぬほど広いんだな・・さて、どこから見るんだい?アン」
コーデリアって呼んではもらえないのね?ならせめてAnnじゃなくてAnneって呼んでちょうだい。
T氏「そうさな、日本人にはちょっと難しい注文だな。ああ、あそこに時計台っぽい塔があるぞ。行ってみよう」
まあ!こんなに高い塔って見たことある?まるで天まで届いてしまうみたい!私たちが住む東武伊勢崎線沿線になんて、絶対にこんな塔はないわね!
T氏「そうさな・・・いや、スカイツリーといってだな・・まあいいか。展望台になってるみたいだから登ってみるか」
T氏「上に行く階段にアンが描いてあるぞ。なかなかかわいく描けてるじゃないか。ほらアン、見てごらん」
まあ、かわいいけどやっぱりそばかすは描かれてしまうのね。でもいいわ、こんなにかわいく、なによりも大事、髪を黒く描いてもらったのですもの。そばかすなんて気にしないわ。鼻ぺちゃだってお気にいりよ。
T氏「おちびちゃん、キャラがブレてるよ」
うわあ、きれい!もう紅葉がはじまっているのね。もう少し秋が深まるとどんな色になると思う?想像力をふくらませるまでもなく、とんでもなく素敵にきまっているわ!
T氏「そうさな、確かに綺麗だけど、とにかくこんなに広い所とは思わなかったよ。グリーンゲイブルズがどこにあるのか見当もつかない。どのくらい歩くんだ?ここから見えるかな」
だめ、私に探させて。私が見つけてみせるわ。
T氏「そうさな、よく考えたら俺、グリーンゲイブルズの形を知らないしな」
あ、あれかしら?ちょっと歩くみたいね。行きましょう。
こんな素敵な道を歩くのって楽しいわね!寒さなんて忘れてしまうわ!
T氏「そうさな、でも俺は寒いし歩くのはいやだぞ。しかし誰もいないなあ・・・こんなにきれいなところなのになあ。しかしなんで無料なんだろ?」
よくわからないけど、有料のテーマパークだったけどはるか昔に倒産して、今は芦別市の持ち物なんですって!壊すのも改修するのもお金がかかるから、とりあえず無料開放してゆるやかに放置みたいなポジションみたいよ。実はまだあるか心配だったの。
T氏「せちがらい事情に詳しいアンもちょっとイヤだな」
ほら見て!マンホールにも私がいるわ!こんな素敵なことってある?
T氏「そうさな、これを見ると、確かにすごく力を込めて作ったテーマパークだったんだろうな。当初は」
ほら、この看板のシルエット、まるで私じゃないみたいに素敵よ!なんかこのままゲームとかボカロのPVなんかに使えそうなくらい素敵だわ!
T氏「アンや、ちょっと地のヲタおっさんが顔を出してるよ」
まあ、リンドのおばさんの家?レストランですって!おいしいイチゴ水があるのかしら?
T氏「・・うーん、少々朽ちはじめてるな・・リンドさんたら引っ越したかな?」
絶滅危惧テーマパークって素敵と思わない?以前行った新潟のトルコ村とロシア村、両方バッチリ潰れていたのよ。今回のカナダ村(?)、間に合ったのは奇跡だわ!
まあほら、見て!とうとうグリーンゲイブルズよ!どんなに素敵なのかしら・・・
T氏「リンドさんちを見るかぎり、劣化が激しそうな・・ゲフンゲフン」
まあ、これこそグリーンゲイブルズ・・・かしら?もしかしたら様々なブログや記事等でも初かもしれない、グリーンゲイブルズの後ろ写真ね!これは貴重だわ!
T氏「人の家の裏側を見るなんて、まったく失礼でばかげたことだよ」
まあT氏、マシューだけじゃなくてマリラの役もこなせるのね。
表にまわったら、ほら、見て!私たちのグリーンゲイブルズよ!そのまますぎなくて?そういえば原題はAnne of Green Gablesだったわ!村岡花子先生はどうして赤毛をフィーチャーしたのかしら?
T氏「そうさな、訳して『緑の切妻屋根のアン』では大工の話か何かわからないからだろうな」
そしてグリーンゲイブルズの正面!ついにここまで来ました・・・やはり少々ペンキ等がアレですが、気にしないことにしましょう。
T氏「あれ?アンっぽくなくなったな」
はあ、体内の女子力ストックが尽きたのと、読む方もめんどくせーかなと思いまして。
立派な木があって、二階の窓を覗いています。おお、これがかの有名な桜の木、その名も「雪の女王」か!と思いましたが・・・うーん、針葉樹ですね。
T氏「北海道だからなあ。寒いから広葉樹は厳しいのかな」
では中に入ってみましょう。いきなりのお出迎えはアンの衣装(ヅラ付き)です!うむ、着たいところですが、サイズが合わなすぎることは着る前からわかります。T氏ってばちょっと似合いそう!
T氏「だが断る」
とりあえず一階の部屋・・まあ、なんだか現代でも余裕で心地よく暮らせそうな素敵な部屋です。はっきり言えば、私の部屋の5倍くらいいい感じ。
T氏「やっぱりいいとこに住んでないんだなあ。でも確かにこれはなんとなく住みたくなる部屋だな」
そしてマシューの部屋ですが、片付いているんだろーなとは思っていましたが、想像以上に小綺麗なお部屋ですね!生活臭がないというか、趣味がよくわからんと言うか。
T氏「単にディテールが甘いだけじゃないのか?」
まあ、せっかく作ってくれた部屋ですから、そういう唐竹割りな意見はまた後ほど・・・
こちらはマリラの部屋です。片付いているんだろーなとは思っていましたが・・
T氏「こっちは結構想像通りじゃないか?逆にモノがなくて生活臭がないところがまたそれっぽい」
・・・・そうさな、実はT氏、なんだかんだで赤毛のアンを読んだことあるのだな。
そしてメインディッシュであるアンeの部屋!すごくどうでもいい話で恐縮ですが、赤毛のアンとあしながおじさんは私の聖書なのです。どこかにあしながおじさんの聖地がないかしら・・・
まあ、これがアンeの部屋ですか。なんとかわいらしい!そして脳内イメージに近い!!カイオウの魔闘気のごとく女子力が吹き出しています。椅子のクッションまでアンeっぽいような気がします。「赤毛のアン」での後半、15歳前後の頃の部屋ですかね?おにゃのこの部屋とか入ったことないからよくわかりませんが。
あのベッドの上にあるのは・・ま、まさか・・マシューがアンに贈ったパフスリーブのドレス!!茶色だし!!うわー、素晴らしい!感動した!これだけでもう来たかいがあったかもしれません。
そしてみんな大好きなあの帽子に・・あっ、ギルバートの頭を破壊した石板まである!なんて芸が細かい!いやー、T氏、ここに来てよかったです。
T氏「そうさな。それはよかったな」
あ、もうマシューのマネは不要ですよ。
T氏「おおそうか。なんか結構しっくりきてたんだが」
帰り道になんとはなしに舗装を見ていると・・おおっと!ハート型の石まではめこんであるじゃないですか!これは楽しい。まだここが元気だった時に来てみたかったなあ。
T氏「・・今検索してみたら、往年は入場料2000円だったんだってさ」
むむ、結構お高い!そう聞くと今になってから来てよかった。でもなんとなく先が長くなさそうですので、日本のプリンスエドワード島を楽しみたい方は少し急いだ方がいいかもしれません。
T氏「あ、そろそろ暗くなってきたな」
夕暮れはやさしく、鐘の音はもっと・・・うん、何も聞こえないぞ。
T氏「もう宿に行こうや。温泉入るぞ温泉!」
はい、やはり我々オサーンは温泉が一番!というわけで次回は旅館にチェックインです。
連れてゆくのね 連れてゆくのね(温泉へ)
カナディアンワールド公園 北海道芦別市黄金町731番地
脳内にハリリーナ嬢しか浮かばないんですけど
あなたもそう思って?わたしもなんだかデジャブな感じがするわと思ってたの。ハリリーナさんだったのね(もうやめろ)