なんとなく肉続きな気がするのでサカナ食べたい。でも海なしグンマから出にくい世の中。しかたない、今日も今日とてステーキを・・
まてよ・・
昔から続いている、つまり老舗のお寿司屋さんなら熟達の目利きと技でグンマでもオーサムなサカナを食べさせてくれるのでは?うむ、それだ!
気になってはいたけれど、雰囲気がありすぎで入りにくかったお店が館林市にあったので行ってみましょう。
館林駅から徒歩5分の「魚恵寿司本店」さん!築百年はゆうに超えるであろう店舗はもう見ただけで老舗!・・ほらね、なかなかふらっとは入れない感じでしょう?でも今日は入っちゃうんだから。
お店の外にメニューが貼ってあるので予習してから入りましょう。並1100円からとお手頃な感じで、決して敷居が高いわけではなさそうです。
ランチメニューの記載は見当たらない…日曜だからか、そんなものは最初からないのか、どっちなんだろ。
ガラガラ〜と引き戸を開けると、まさに熟練、包丁一筋ウン十年といった年頃のご主人が優しくお出迎えをしてくれました。店舗から勝手に老舗と判断したけど、どうやら本当だったようですね・・うむ、期待度がさらに倍!
店内はカウンター数席、テーブル1卓、小上がり席1・2卓というところ。カウンター席に座ると、たぶん奥様であろう方がおしぼりとお茶を持ってきてくれます。
お酒と何か切ってくださいという言葉をググッと飲み込んで、店主おすすめにぎりをお願いしましょう。だから寿司屋に車で来るなと何度言ったら。
「本日のおすすめはこちらになりますが、苦手なものとかありましたら言ってください」
どれどれ…あらやだステキ、カレンダーの裏じゃないの。このエコ大将!
店内の黒板に書いてあった煮はまぐりがすんげ〜気になっていたのですが、バッチリ出るようですね。好物のこはだとしまあじもある。ぜひこのままでお願いします。
カウンターに角皿をコンと置いて、ガリをざっくり置いて、握り開始!寿司の最初に何を頼むか論争をあざ笑うかのように、スタートからまぐろ赤身!では小皿に醤油を・・
「タレがついてますからそのままで大丈夫ですからね。足りないようなら醤油を使ってください」
えっ?あ、表面のこれはもしかして煮切り醤油?うわ〜、ガチガチに老舗の技じゃないですか。いただきま〜す。
・・ふぉお、この豊かな旨味は食べごろの本マグロですかね?口に入れるとちょうどほどけるシャリと混ざって絡まってさあ大変。いきなりジャブどころでない大技が炸裂だ!
ちゃちゃっとテンポ良く次を握るご主人。いかの甘味は感は煮切り醤油でさらに倍、こはだは素晴らしいシメ加減と美しい包丁で腕の冴えを見せつけてくれます。
この辺で出てきた白身の吸い物のうめぇこと。いい感じのアブラが浮いてお酒を呼ぶスタイルですが、寿司と寿司の間の口直しにもピッタリです。
お次はえび。寿司ネタとして軽視されがちな茹で海老、正直自ら寿司屋で注文はしたことない。ところがこの色鮮やかにしてシャッキリとした食感はどうだ。茹で海老ってばこんなにイカした寿司ネタだったのだな。今までスマン。
お次はたい。皮と身の間がたまりませんよ。いや、これはタレの力もあってすごくツマミになってしまう白身だ・・まこっち飲みたいぜよ。
ほたて貝もここは下北かというご立派サイズ、シャリがうまいので口の中が七色のお甘味で満たされます。黙々と食べていますが心の中では猛烈に感動しているっ!
「こちらで前半が終わりです」
前半からのラッシュでもうフラフラだというのに、ここからさらにたたみ込んでくれちゃうのですね。
口直しかな?厚焼き卵が2片。海苔弁のかたすみにあると泣いて喜ぶ甘いタイプです。よし、一切れはシメにとっておこう。
後半スタートでいきなり寿司の横綱まぐろとろが登場だ!結びの一番じゃないんだ!
これはもうあいぽんのカメラの力でウマさが伝わってしまいますね。口にしたら全力でニッコリ、青江かというくらい。
珍しい形状に切られたこちらはしまあじですか。高級ネタの連チャンだ!青魚と白身魚のいいとこどりというのか、ぐむぅと唸ってしまうじゃないか。黒板にしまあじ刺身の文字がチラッと見えてしまった・・刺身で飲んで同じネタを握ってもらうという野望がムクムクと・・うう・・
煮あなごと煮はまぐりという江戸前寿司の極み2つが同時に現れた!これぞ老舗の仕事だ!
好物のあなごはふっくらとしてニコニコ必至なのはもちろん、煮はまが!うま!すぎる!
ぷっくりした身を噛むと貝のウマ汁が出てきて甘いツメとシャリと絡み合っちゃうのですよ、うわ〜い。
束ねた海苔をスパッと一閃で両断、いったいどんな包丁なんだとビックリしていたらいくらとうにのダブル軍艦が登場、陸奥と長門は日本の誇りとか思わずつぶやいちゃう。
「こちらでおすすめはおしまいです。足りないようなら何か握りますよ」
いやもう、胸もお腹もいっぱいです。満ち足りました。また来ます!
タイヤ屋の星取表なんかとは一切縁がない、地元のたまに食べるご馳走のお店だ!酔っ払いお父さんがお土産の折りを持って帰るかもしれん。というかここで酔いたい。
自然にまた来ますと言ってしまって、そしてホントに行ったのでそのうちまた書きます。
魚恵寿司本店 群馬県館林市本町2-12-10