よく知らない町、初見の寿司屋さんに飛び込んで一人酒。できんのかーッ!・・できたーッ!しかもうまくて安い、大勝利! 魚芳(須磨区・板宿駅)

神戸の用事もだいたい終わって、時計を見れば夜の7時半。お昼に続いて板宿の商店街をフラッとして、気になったお店で一杯ひっかけるとしましょうか。見つからなければ駅前でフライドチキンでも買ってホテルで食べればよろし。

ピンと来た焼き鳥屋さんは満席だ。夜はメシより酒なので、洋食屋さんはちょっと違う気がするし・・困ったな〜。いよいよケンタッキーボムかな?

まてよ・・お寿司屋さんでちょいと一人飲みなんて、アダルトタッチでアリじゃないか?ヘイSiri、この辺の寿司屋は?ふむふむ、ここに行ってみようか。

駅前も駅前、それこそKFCのすぐ近くにあったのは「魚芳」さん。いかにもご近所の方が利用する町のお寿司屋さんといった風情で・・その・・一見のよそ者がココで一人カウンター寿司?できんのかーッ!

迷わず行けよ、行けばわかるさーッ!ガラガラガラ、すいません一人なんですが・・あ、大丈夫ですか。ほら入れた、その一歩が道となる!

L字の10席くらいのカウンターがメインで、奥にお座敷がありそうです。カウンター席の一番端っこに通してもらいました。2席ずつアクリル板で仕切っているので、一人には広々スペースだ。

にぎりは1カンからの明朗会計、しかもお手頃価格のようですね。見切れましたが、最高値ゾーンでもおどり550・あわび550・中トロ660・大トロ880円というところ。

よこわがあるのが珍しい。たしか本マグロの幼魚でしたよね。シメに頼んでみてもいいかもしれない。

やはり初手は造り盛り合わせ1300円をお願いして、お酒をなめつつ後の作戦をたてるべきだろうか。ところでツマミ系メニューはどこだ。

あ、ホワイトボードにいろいろあった。一人鍋もアリだよね。テッチリ・かき鍋・魚チリ3種どれも同じ金額なのが少し不思議。

流れ子煮ってトコブシだっけ。寿司屋で煮物なんてちょっと乙な気がするので、小芋煮なんかお願いしちゃおう。お酒に合わせるなら酢がきもいいな。造り盛り合わせはやめて貝盛りで・・あれ、てっさもあるの?じゃあそっちだ。

金額表示がないフグは少々恐ろしいようですが、テッチリのお値段からして目玉が飛び出すことはない、と思う。

お酒は日本酒450円・冷酒700円とシンプルだったので冷酒をお願いしました。黙っていても菊正宗の生、神戸だねえ。

ビールは大ビン600円で生が500円。ランチにぎりが赤だし付き1100円だそうです。全体的に安くて嬉しいね。

大将はひたすら握り、ぼくの目の前の職人さんがその他の巻物・ツマミ・飲み物から会計まで担当のようです。奥のお座敷に呼ばれたり常連さんのボトルを新しくしたり、てんてこまいの様子ながらも手早く牡蠣や芋を盛りつけて、ホイホイホイと皿を並べてくれましたところ・・

うわあ、なんだかすごいことになっちゃったぞ。

小芋煮はうす口醤油なのかな、見るからに上品な。温かさとほっこりした味付けが嬉しい。

酢がきの粒は小ぶりですが、数もポン酢もたっぷりしていてツマミ的に大当たり。

ドカンと盛り合わせで来たのは・・え、コレがてっさ?菊の花のちょこっと盛りじゃないんだ。すごい迫力だなあ。

まずは湯引きを。クニュクニュして楽しい〜。小ネギ入りのポン酢がやたらとうまいな。コレはサイズ的にテッチリと同じ仕様と見た。つまり一人鍋シリーズも確実にうまい。

フグの身は小ネギを巻いて・・うむ、下関がなんだとかではなく、なんだかフレンドリーなフグだ。心地よい弾力とじわりとにじむ旨味。

まさか白子がどっさり来るとは思わなんだ。コクはあれど澄んだ後味で、まさに日本酒天国よのう。というわけで、冷酒がポンポンなくなってしまう。

いや〜、なんか楽しくなってきたじゃないの。よし、焼き物もお願いしちゃおう。

きんきの一夜干は強火の遠火でじっくり焼かれての登場です。ぽっこりした白身はもちろん、目玉から頬の下まで極上の肴。ちょっとむしっては飲み、ほじっては飲み、しゃぶっては飲みと、た〜のし〜い。

職人さん「冷酒はこれでおしまいです」

やや、冷えたお酒のありったけを飲んでしまったか。では最後の一本でシメの握りといきましょう。アワビに中トロにサバをください。

大将「あ〜、アワビが終わっちゃいましたね」

あら残念。では穴子・・焼きと蒸しがあるのか。焼穴子を願いま〜す。

ふわ〜、大ぶりのネタで飛び出す迫力!焼穴子なんて一口で食べるのが難しいようだ。でもご飯は小さめで割としっかり握られているからかな、いざ口に入れると食べやすい。

サバのあっさりシメ加減が素敵。中トロは大トロ5秒前で、酢飯と悪魔合体!キリリと焼き締まった穴子は海苔と山椒の香りでナイスおつまみ。やっぱり寿司ってウマいよなあ!

あまりに良いサバなので、持ち帰りの松前寿司をお願いしちゃいましょう。鯖スキーの友人にお土産だ。

そろそろお酒も尽きようという頃、大将が小さなお皿を出してくれました。

大将「1カン分は取れなかったんですけど、アワビ。こちらはサービスで」

まあ、なんとかわええ手まり寿司サイズ。嬉しい〜!フチはシャッキリ白いところはむっちり、うめえ〜。何より大将の心がうめえ〜!!

最後はもちろん熱くて濃い寿司屋さんのお茶。スズ・・とすすりつつお会計を・・え?1マンをちょっと出たくらい?お酒とお土産だけで5・6千いくでしょ?寿司3個で千円ちょいで・・キンキとかフグがおいくらなのよ、安すぎる!

翌朝友人と分けた松前寿司、昆布で包んだ鯖寿司ですね。鯖寿司としては珍しくバッチリとワサビが効いて、脂ノリノリの鯖が引き立つこと。サビ抜き寿司が幅を利かせる昨今にこれは嬉しい。

お会計が全く怖くない、そして美味しいカウンター寿司飲み。帰りしなに「これからもお世話になります」と言ってしまったのも無理はないのでした。

魚芳 兵庫県神戸市須磨区平田町2-3-22

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