昨年の11月末にちょっとした用事で来た神戸。合間にちょっとお昼でも食べようと、板宿の商店街にやってまいりました。
サブウェイで手早くサンドイッチか、最近神戸に増殖中のひょうたんで味噌ダレ餃子か、洋食屋さんもちょこちょこあるんだよな〜とフラフラ。商店街って楽しいよねえ。
おや、道に看板があるぞ。なんの店かな?
ガンバッテマス!値段もそのまんま!味もそのまんま!悪いけどオッサンもそのまんま。
なんだなんだ、こんなコピーを見せられては素通りできないじゃないか。「お好み焼・うどん 鳴戸屋」さんですか。
シ‥シブい!なんてイカした店舗だ!真ん中がめくりあげられたのれんがユーザーフレンドリー。
お好み焼とうどんを出すお店って関東ではあまり見ないよな。どんなもんか食品サンプルを見ると・・やや、さらに関西感アップのお好み焼定食があるじゃないか。話はよく聞くけど実際に食べたことはない。これは実績解放の時が来た!
勇んでお店に入るとテーブル5卓くらい、そしてお好み焼の焼き台がデーンとセンターに。2人用のテーブル席に小さくなって腰かけましょう。
奥の厨房にいる人は・・おお、似顔絵のオッサンそのまんまだ!
値段もそのまんまとあったけど本当だ、安い!うどん450円、そして50円プラスでかやくうどんになっちゃうのよ。かもなんばんより肉うどんが高いとか、どういう世界よ。
この手のお店のきつね丼なんてたまらなく美味しいんじゃないかな・・でも初志貫徹でいこう。お好み焼定食をくださいと優しそうな店員さんにお願いします。
店員さん「そしたらお好み焼を選んでね」
選ぶ?とは?
なるほど、裏がお好み焼メニューなのですね。ちなみに「そば焼」はいわゆる焼きそばらしいです。もちろん定食にもなります。
豚・肉・イカ・エビにそれぞれ玉子の有無か・・よし、イカ玉焼定食でお願いします。税込760円なり。
センターの焼き台で店員さんが調理を開始。大将はうどんや丼もので、お好み焼は奥様とおぼしきこの方の担当らしい。
しかしかっこいい焼き台だなあ。蒸らすためのフタや底が平たいヤカンの機能美よ。コロナ前はこの卓を囲んで直接お好み焼を食べていたのかもしれない。
はいお待たせと出てきましたよ、イカ玉焼定食!お好み焼とご飯!デンプンvs炭水化物!ソースの香りに食欲はオーバーザレブリミット!
極めてシンプルなイカ玉焼はいわゆるピザ切りですね。ふっくらと仕上がっていかにも美味しそう。
ご飯に漬物、そして味噌汁・・じゃない。え、ネギが浮いたお湯?すすってみると吸い物と言ってはアレな、そう、ダシそのまんまだ。お好み焼の粉を溶くダシにちょっと塩味をつけたヤツでしょ!なんて素敵な始末の心でしょう。
ではイカ玉をちょいと切って、ライスにトン、パク、ふわっ。
うわわっ、すんごくふわっとした生地だ。香ばしい表面をかじると軽くフワ〜ン。イカのむっちり感との対比がいいなあ。「べちゃもそっ」のはるか上を行く極上食感。これはベテランの技ですよ。
想像以上に上品なお味だったので、ご飯と合わせるには追いソースがあった方がいいな。あとそうだ、せっかく小袋がついているのだから半分くらいにマヨネーズを・・こんなもんかな?
うん、バッチリ!メシうめ〜!キャベツ・モヤシ・イカ・玉子とたまらなくシンプルだけど、たまらなくうめえ〜!しっかしふんわり軽くてウマいな、何枚でもいけちゃいそう・・はっ!
2枚も3枚もいけちゃいそうな軽さ、それゆえにズシンとくるご飯を呼ぶわけか!たこ焼きも美味しいやつはふわっと軽いし、そういうこと?関西の粉もん定食の謎が少し解けた、気がする。
ちなみに神戸の友人が「焼きそばをはさむのにコッペやロールでは力不足、いいから食パンで食べてみて」と力説していたので、単に「ソース味と白い主食を合わせるのが大好き」なだけかもしれません。でもアイツは偏りすぎだしな!真相を探るために、さらなる関西の深淵へ・・向かいません、怖いから。
鳴戸屋食堂 兵庫県神戸市須磨区前池町2-4-1