京都でゲームを作っている友人が死の行軍中。それでも少し息抜きの時間ができそうなので、ゴールデンウィークにどこか行こうとなりました。しかしヘタな所に行ったら気晴らしどころか疲れちゃうよな〜。
そうさな‥新潟なら大丈夫じゃないか？前橋より北の高速は大きな事故がなければ大丈夫、と思う。よし決めた。
まずは京都から新幹線で宇都宮まで来てもらって現地の友人と合流。3人で飲んで、翌日朝にぼくの車で新潟へ行くとしよう。
乗り換えに極めて弱い友人なので心配でしたが、なんとか来宇成功。人生初の栃木だというので宇都宮名物の餃子行列なんて見てもらいながら、夕食のお店に向かいます。
初めての栃木食を選ぶのは責任が重いな。間違いなく楽しんでいただけるお店として「かもし家」さんを予約してみました。え、餃子じゃないのって？餃子像と餃子通りを見せたからクリアでいいでしょ。
かもし家さん、ハモしゃぶやすっぽん鍋等で何度かお世話になりました。栃木らしいかどうかはともかくとして、こちらの味とホスピタリティなら満足してもらえること疑いなし。
「おまかせコースの土鍋ご飯を鯛めしに変更」というのを一度味わってみたい。でも本日は季節のお鍋コースでお願いしました。
春の鍋が桜鯛と春野菜のしゃぶしゃぶ鍋だそうなので、冬に食べられなかったブリしゃぶの恨みを晴らすのだ。
3名で鍋ということで久しぶりに個室をいただきました。まずは飲み物ですね。お二人は生からスタートですか、ぼくは‥
店員さん「限定ドリンクのメニューをここに置きますね」
なんと渡りに船なタイミング。よし、佐賀の裏鍋島を‥どうせお二人も飲むでしょうから二合、おちょこも3つくださいな。
はいおつかれ〜かんぱ〜い。りんごのようなブドウのような、フルーツ盛り合わせかという清涼な甘味。鍋島のお酒はどれも華やかで綺麗だな。
見事な前菜盛り合わせが登場。上から時計回りに作りたて胡麻豆腐・蒸し鶏ゴマソース・ホタルイカ山椒・焼きそら豆・ホンモロコ佃煮・ツブガイ。
そら豆の香りに春を感じ、できたてプルプルの胡麻豆腐に打ち震え、蒸し鶏からの鍋島に喉を鳴らす。かもし家さんの前菜はまことにうまい。
たちどころになくなる裏鍋島。次はお造りだから柔らかな口当たりで行くか。秋田の春霞を願いま〜す。これって6号酵母なの？秋田だけに新政の酵母をお使いなのですね。
お造りはホンマグロ・マダイ・タコ。かもし家さんの刺身は、ただ切っただけでは説明がつかない深い深い旨味。どうしてこんなにうまいんだ。海なし県であることを忘れてしまいそう。
柔らかいお酒が続いたのでキリリと引き締めましょう。福岡の繁桝。キレキレながらコメのうまさも感じる、まさしく食中酒。欲しいけどどこで売ってんだろ。
カセットコンロと鍋が運ばれてきて、いよいよ桜鯛と春野菜のしゃぶしゃぶ鍋の開始です。ダシの時点で素敵な香り‥鯛を泳がせたらどうなっちゃうの？
春に旬を迎える真鯛は、その季節と色から桜鯛と呼ばれます。まさに食べ頃のところをたっぷり厚めに切ってしゃぶしゃぶで食べるとは！
はじめて およいだ なべのそこ。ほの白くなったところで、おじさんつばをのみこんで食べちゃうぞ。
出汁と熱の力で、刺身よりはるかに旨味がアップしてしまった鯛！皮の裏の脂とポン酢がピッタリでお酒を呼ぶのなんの。牛や豚はもちろんのことブリやアワビといった魚介まで、あらゆる食材がうまくなる魔法。それはしゃぶしゃぶ。
鯛を何切れか泳がせて出汁の旨味がエラいことになったところで、豆腐や野菜もいただきま〜す。はえ〜うめえ。特に豆腐、お前主役だろ！ってくらいうめえ〜。
だが真の主役はシメの雑炊。その前にお腹に余裕があるようなら、何か一品二品追加をお願いしましょうか。
本日のおすすめ黒板を持ってきていただいて、そうさな‥
友人「鯛みそ！」
鯛攻めか、いいじゃありませんか。ぼくはケンケン鰹を食べたいな。鰹好きなんです。
友人「ケンケン鰹って？」
ケンケン釣りという引き縄漁で一匹ずつ釣り上げた鰹らしいです。高級ブランド鰹なんですよ。
鯛味噌カマンベールチーズは予想と違った。まさか沢口靖子さんが作ってくれそうなオードブルスタイルとは。
鯛の旨味たっぷりの味噌と熟成の旨味たっぷりのチーズ。和洋のうまいものタッグは龍艦砲の破壊力。
和歌山ケンケン鰹のレアステーキ サラダ仕立て。鰹タタキはワッサーっと薬味をのせればのせるほどうまくなる。そこでサラダに仕立ててしまうなんて味とおしゃれの両立じゃないか。
春の鰹らしい締まった赤身！いや知っている鰹よりさらにビシッと引きしまっているぞ。これがケンケン鰹の実力か。
ただでさえ香ばしくウマウマな鰹にとんでもない旨味が‥おろした大根と玉ねぎにポン酢とニンニクと大葉を加えた贅沢ソースがうまい、うますぎる！
マスター「鰹や野菜だけでなくお肉にも合いますからね。和風おろしだれとして販売もしています」
なんですって？じゃあ帰りに3本ください。
鰹を満喫したところでお待ちかね、締めの雑炊タイムです。
鯛や野菜の味たっぷりの出汁にご飯と卵。ふあ〜、この時のために鍋を食べている気がしてならない。幸せだ。
さすがGWの夜、代行がなかなか来ないので鯛もなかアイスなんて食べながら待たせていただきましょう。
京都の友人「代行ってなに？」
えっ、運転代行をご存知ないのですか。車社会の北関東では必須ともいえるサービスです。そういえば京都で代行車って見たことないな〜って調べてみたら、全国一のレベルで数が少なかった。グンマ栃木茨城はもちろんたくさんあります。ぶっちぎりで多いのは沖縄‥うん、なんか納得。
なんと5・6月限定の鍋コースは栃木しゃもですって。鶏肉好きとしては見過ごせませんが、困ったことに飲みの予定が詰まっているんだなあ‥秋か冬にもう一丁鶏の鍋をやってくれないかしら。でもその頃はハモやフグなのか。
あ、代行来たぞ。それでは明日の朝8時に迎えに行くので、お二人ともちゃんと起きてくださいね。
かもし家 栃木県宇都宮市中央5-17-20