
砺波で富山湾鮨をいただいた後は、北陸自動車道で金沢方面へ。

金沢にも寄りたいけど通り越してしまって、能美市の九谷陶芸村まで来てしまいました。九谷焼の美術館と、全国唯一である九谷焼のショピングモールがあります。
器を見ると動悸息切れを起こしてしまう人間をこんな所に放りだしてしまってはいけません。散財まっしぐらだ。

そしてありがたいことに、九谷陶芸村から車で5・6分でいしかわ動物園もあります。器と動物をいっぺんに楽しむことができるとは。こちらの動物園はコロナだわっしょいの頃に来て当然のように休園だったので、軽くリベンジ気分でもあります。
暑いし平日だしということでさすがにお客さん少なめ。アシカさんは飼育員さんと色々練習をしていました。

ユキヒョウかわいいよユキヒョウ。
空調の効いた場所から動物を見ることのできるコーナーも多くて快適なんだけど‥やっぱり移動のたびに暑いな。カンガルーさんとかみんな日陰にいるもんな。夏は動物園より水族館の方が良いのか。
もうちょっと見るか、そろそろ出るかとゲート前に来たのは2時45分。今から宿へと向かえばちょうどチェックインできる3時くらいじゃないかな?早々にひとっ風呂浴びてゴロゴロしましょうか。
ナビに宿を入れると、あれれ?縮尺そのままで1画面に収まっているぞ。到着予想はおよそ3分後。動物園から1kmちょいと想像よりはるかに近かった。

3時ちょっと前に着いてしまったのは「金沢辰口温泉 まつさき」さん。立派な庭に広い駐車場、これなら車の中で数分待っていても迷惑はかかるまい‥
ありゃ誰か飛び出してきた。お荷物をお運びしますですって。若干フライング気味にチェックインOKのようです。ありがたい。

部屋などは次回に朝食とまとめるとして、話はいきなり夕食へ。
旅館のお楽しみスポット「広縁」が進化したようなスペースで部屋食となります。部屋付きの仲居さんがいちいち料理を運んでくれるオールドスクール。良い、良いぞ。

食事の前に飲み物を決めないとね。おやワインコーナーにシャブリグランクリュですって‥何が出るんだろ。ウィスキーの所には響とか書いてあるしすごいね。

でもね、それ以上に地酒の揃いっぷりがすごいのですよ。シャブリも素晴らしいだろうけど石川に来たら石川のテロワール。この宿から車で10分の場所で醸している手取川 山廃純米の300mlを願いま〜す。

見るからに涼しげな姿で登場。しかもお酒や料理を運んでくれるのは可憐な仲居さん。天国っておおむねこんな感じなのかもしれません。

さあ、見事な前菜が揃いましたよ。
柚子酒・和風とうもろこしスープ・鯵棒寿司・無花果胡麻クリームがけ・金時草お浸し・赤ずいき酢浸し。
鯵寿司のうまさにニヤニヤしてしまう。そして、

抹茶滝川豆腐の美しさに目を白黒。「温泉付きの部屋があって料理がおいしそうな旅館」を狙って選んだのですが、どうやら正解一発ツモ。

能登もずく真薯と蓴菜のお椀。Wヌルヌルパワー、ゆずと三つ葉のW香りパワー。

お酒に続いて涼しげな器でお造りが登場。右からスズキ・甘エビ・シマアジ・ナメラ。醤油とポン酢のお好みで。ナメラってマハタのことですよね、白身最強の一角じゃありませんか。ポン酢でいただくとたまらんねえ。
昼がお寿司で夜に刺身にも関わらず、どちらにもマグロが含まれないのが北陸感満載ですね。

コース半ばでトマト仕立てのそうめんとはサプライズな。
さらにサプライズ、女将さんが部屋まで挨拶に来てくれました。毎日全部の部屋を回られているのでしょうか?

石川に来たからには飲まねばいけないのが菊姫or天狗舞。天狗舞の限定金沢酵母純米大吟醸を二合デカンタでお願いしましょう。

メインは黒毛和牛かのどぐろが選べるプランだったので、1秒も悩むことなくのどぐろ塩焼き!
近江町市場あたりなら1匹5,000円を超えるであろうビッグサイズ!切り身とはいえ食べごたえバッチリ間違いなし。

分厚いビッグボディからほとばしる脂、そなたこそ白身のトロの名にふさわしい。のどぐろは塩焼きか炙り握りがベストなんだな。このお皿だけで天狗舞が枯渇しそう‥デカンタおかわり願いま〜す。

石川県産トマトのシャーベット。ここで口直しソルベとか、おフランス料理のようじゃありませんか。

のどぐろ登場のタイミングで火が入った鰻柳川風鍋がポコポコといい感じになってきたよ。
土を感じる川魚と土そのものであるゴボウ。玉子が両者のクセだけ隠して風味を底上げ。柳川って本当によくできているなあ。鰻美味し柳川〜♪

食事もの前に酢の物ということで、つぶ貝と夏野菜の水貝仕立て。スッキリおいしい出汁に色々な食感の野菜が入って楽しいじゃないか。
鰻で満腹度が跳ね上がったところで、スッと胃を下げてくれますね。これは素晴らしい一皿。
なんだか辛子味噌マヨネーズが不思議なほどにお酒を呼ぶぞ。何かもう一杯‥石川以外ではまず見ない農口五彩 本醸造なんてあった。ください!

食事はとうもろこしご飯にモロヘイヤと油揚げの味噌汁。お新香の芥子茄子が良い塩梅だ。

ラストの水菓子は金沢スイカと桃コンポート。やあ、もうシャインマスカットなんか出ちゃうんですね。
料理が素晴らしいという噂でしたが間違いなかった。特にのどぐろと水貝仕立てはいつまでもお酒が飲めるデンジャラスメニューでした。
そして仲居さんも甲斐甲斐しく運んでくださって、やっぱり温泉旅館はかくあるべし!思わず食後という変なタイミングで心付けを渡しちゃったよ。遠慮せずサっと受け取ってくれたのも高ポイントでした。
さすがにお腹いっぱいだ、寝よう寝よう。ぐー。
金沢辰口温泉 まつさき 石川県能美市辰口町3-1
九谷陶芸村 石川県能美市泉台南22番地
いしかわ動物園 石川県能美市徳山町600