
朝からスーパーくいしん坊を数冊読んでしまった。ビッグ錠先生の料理マンガはブラックカレーばりに中毒性が高い‥ああ、黒焦げとんかつやタワーリングカレー食べたいな‥アイス弁当もいいな‥
「はなちゃんを狂犬病の注射につれてって」
すこしふしぎなビッグ錠ワールドに浸っているところを現実に引き戻すのは母じゃないですか。狂犬病?もうそんな時期か、行きましょう。

お医者いやですと駐車場から動かないイッヌをなだめすかして、狂犬病の注射とフィラリアの血液検査完了。
ふう疲れた‥家に戻れば11時、お昼の時間じゃないか。今日はすっかりスーパーくいしん坊な口だけど、あまり再現性のあるマンガでもないんだよな。比較的現実に近いメニューといえばなんだろう。

調理過程で黒焦げになるだけで、中は普通だった「とんかつ」なんていいんじゃないか?というわけで、やってきたのは「かつはな亭 太田矢島店」さんです。
がってん寿司系列のグンマ埼玉に広がるとんかつチェーン。とんQとかかつくらとか、ローカルなとんかつチェーンは良いものです。

あっ、ランチにリブロースかつがあるぞ。高級部位のリブロースが180gで税別1,390円はお値打ちでしょう。ご飯味噌汁キャベツお新香おかわりOKという大特典までありますからね。

牛かつ!赤きレアの牛肉はうまいでしょうが、悲しいかなスーパーくいしん坊にそんなものは出てこない。泣く泣くパスしちゃおう。

え、とんかつの定食だけでなく、かつ重や親子重まであったのか!一気に「三丼フライ」や「親子丼対決」の機運が高まってまいりました。

アッーー!三元豚ロースかつカレー定食!ビッグ錠先生といえばカレーだよ!有無を言わせず即決、即決〜。

まずはボウルにたっぷりのキャベツが届きます。
キャベツの千切りは、同じビッグ錠先生でも包丁人味平の方ですね。味平が切ったキャベツのようにフワフワ食感、かつはな亭さんのキャベツはうまいんです。

キャベツ用のドレッシングも素晴らしい。なんてうまいんだと裏を見たところ、足利が誇るソース会社「月星食品」さんが作った物じゃないか。そりゃ北関東民の舌に合わぬはずはない。
少し有名な太田焼きそば。月星ソースの赤い幟旗があるお店で食べれば間違いないのでお試しください。

キャベツを食べ終えた頃に三元豚ロースかつカレーの本隊が到着だ。

お茶があるにもかかわらず水がついてきた。素晴らしい、カレー最高の薬味は水という味平の教えそのままです。

ご飯とカレーの境界線にロースかつ。かつの三分の一ほどかかるカレー。ご飯にそっと寄り添う赤い福神漬け。素晴らしい美意識じゃありませんか。

ロースかつは小ぶりですが、これはカレー用に最適化されたサイズと見るのが正しいのでしょう。
かつはな亭さんのサックリとしながらフワフワ軽く、口内を攻撃しない衣は非常においしい。生パン粉由来のふわっと感はカレーを吸わせても映えるタイプなのですね。

しかしドレッシングがそうならソースもきっと月星、カレーがかかっていない白雪の野にかけない手はありません。
左側だけでとんかつ定食としても楽しめ、カレーと合わせればさらにおいしい。かつカレーってなんて贅沢で楽しいんだろう。

味噌汁はしじみ汁と豚汁が選べたので、もちろん豚汁です。一人で来ている、つまり孤独で食べるからには豚をカブらせなくてはいけない‥ちょっとマンガが違うね。
うまい豚汁だな。やはり鍋がデカいというスケールメリットでしょうか。

かつも豚汁もいいけれど、思った以上にカレーがうまいなあ。もっと定食屋然としたおうちカレーを想定していたけど、非常にフルーティーかつスパイシー。まるで洒落た洋食店のような‥
まてよ‥
甘酸っぱいベースのおかげでスパイスの風味が引き立つカレー。もしかしてアレに近いのか、玉ねぎとパイナップルによる、スーパーくいしん坊の「必殺水なしスープの特製カレー」に!
味っ子もパイナップルにカレーをぶちこんでいたように、マンガカレーにはフルーツの甘酸っぱさが必須なのだ。こんなマンガチックカレーに当たるとは春から縁起がいいねえ。
おかげさまで、思った以上にビッグ錠先生のエキスを味わうことに成功しました。いや〜、とんかつチェーンのかつカレーは盲点だったな。他のチェーンでも食べてみようかしら。
かつはな亭 太田矢島店 群馬県太田市東矢島町1036-1