
母の強い要望(脅迫)によりやってきた氷見。
アホみたいな量の氷見うどんと、これでもかという量の氷見牛を自宅に送る手配を済ませ、ホテルにチェックインです。
ついでに17時50分にタクシーをお願いしておきましょう。

フロントもタクシードライバーもよくご存知で、店名を言えばすぐに伝わる「すし屋の城光」さん。ここで飲むためだけに氷見まで来たのです。
ちなみに氷見唯一かもしれないビジネスホテルからはタクシーで4・5分、千円くらいで着きますよ。

カウンターの右側二席をいただき、注文はもちろん店主おまかせコース7,700円!
お隣は若夫婦とお子様。まだ小学校低学年くらいの子が鉄火巻きなんか食べています。今からそんなお寿司を食べちゃって、将来友だちと回転寿司なんか行けるのか?
‥‥氷見にはきときと寿司とかあるから大丈夫か。

おっとお酒を忘れてはいけない。母は生ですね。ぼくは県外ではなかなかお目にかかれない勝駒 純米吟醸を二合願いま〜す。

正しく二合のでっかい徳利、当然のように出てくる和らぎ水。酒好きの心をいきなりわしづかみです。

ホワイトボードを見て本日の肴を予想しましょうか。
ほうほう、本日は生イクラが仕込み済みか‥軍艦で出るか小鉢で出るか。焼き物は西京焼きが本命◎であろう。

手早く整えてくれました、前菜盛り!これで一人一皿たっぷり出ます。
岩もずく・アズキガイ・サバ燻製・ホタテ味噌漬け焼き・タコやわらか煮・カラスミ・カズノコ味噌漬け。
とれとれの魚介にひと手間かけた佳肴たちに、二合徳利はたちまち底をつく。
普段貝の煮たのやカラスミなんかは食べないはずの母もペロリと完食。おかしい、おこぼれに預かれるはずだったのに。

お造りはホンガツオ・アオリイカ・オキアジ。もちろん全て氷見のお宝です。
母「イカってこんなに甘いものだったの」
イカ刺し界の覇王・アオリイカは恐ろしいうまさですよね。旬まっさかりのオキアジも日本海に迷い込んだカツオも、天然のイケス富山湾ならではの味。

アジの磯辺巻きとメジナの昆布締め。ポン酢風味のジュレがかかります。
アジやイワシを薬味と共に海苔で巻いた磯辺巻き、大好きなのよ。富山のアイデンティティである昆布締めも楽しめて、なんてお酒の進むお皿でしょう。

焼き物は予想通りサワラ西京焼きでした。城光さんの西京焼きは初めてですが、まろやかな味噌の味とプッカプカな身がたまりませんって。

そろそろ握りタイムになりそうなので、サポートおつまみとしてこのわたをお願いしておきましょう。握りって、ツマミとしての燃費はあまり良くないからね。
冬場になると自家製が出るそうですが、この日は瓶入りの物。でもイカを入れてくれることでおつまみパワーがグーンとアップ!
お寿司用の台が出てきてガリが置かれ、握りタイムのスタート。

嚆矢はまた登場しました、イカ刺しの覇王アオリイカ。塩と柑橘でさっぱりと仕上げられ、甘くねっとりした身がご飯と絡み合う。
そうだ、ご飯のうまさで思いだした。富山は米どころでもあったんだ。こちらのご飯はしっかり粒を感じる食感が頼もしく、シュッとした酸味がサカナの甘味‥特に白身魚なんかの味を引き立てる感じです。

高級魚キジハタだ!とれとれきときとではなく少し熟成させたのか、旨味と歯ごたえのバランスがすごい!
こちらのお店は味をつけて出してくれるので醤油は不要です。しかも煮切りだけではなく、タネによって味が違うんですよ。

さらに高級白身であるアラ!城光さんのせいでアラを見ると買ってしまう病になったのですが、やっぱり本家で食べるのがいっとううまいね。

昆布締めと並ぶ富山のアイデンティティである白エビと、日本海の人気者甘エビ。
白エビをこんな綺麗に剥いてくれるだけでお寿司屋さんは神。
そして隣のお子さんにも同じモノが出て、ニコニコ甘エビを食べています。そりゃうまいでしょうが、やっぱり将来が心配です。

つみれの味噌汁がほっこり沁みわたる。お寿司屋さんの汁物はうまいのだ。

赤い本にも写真が載ったスペシャリテ、バイ貝胡椒。どう考えてもビールに合う味なので母はエビス顔。日本酒にもバッチリなのでぼくも大黒顔。

生イクラは軍艦で登場だ!とれとれイクラをごく軽い味付けで。まさに頃合いの卵はわずかな抵抗の後にプチリと破れて、うますぎる汁がトロ〜リと!

生姜とポン酢でキリリとうまいアジ。青魚、ああ青魚、青魚。

握りのトリを飾るのはカツオです。マグロはなしの潔いリアル地魚コース。驚いたことに、母がコース全品平らげてしまいましたよ。
母「おいしいものはがんばって食べるんだよ」
珍味系あたりはおこぼれに預かれると思っていたのですが‥いや大したものです。もっと大したものなのは、このコースが7,700円という驚愕の事実ですよ。
銀座ならウン万とかよく言いますが、こちらは銀座では決して食べることのできない地物が勢揃い。それも全てに工夫をこらして価格を抑えてくれている。愛想がいいのか悪いのかわからない大将(実は超いい人)、すごいウデマエだ!

さてコースは終わりましたが、ぼくはもうちょっと飲みたい。芋のロックとおつまみ用カラスミを追加願いま〜す。

そして青魚評議会議長として、サバを追加せねばなりませんでしょう。
ごく浅締めのぴかぴかなサバ。エビス大黒ダブルピース顔になってしまうね。

あっ、デザートまでいただけるんですか?やっぱりお値段の設定をお間違えではないでしょうか。
富山まで来た甲斐のある素晴らしい夕べでした。これで母も思い残すことは‥え、今度は寒ブリの時期にブリしゃぶを食べたい?いやお寿司屋さんですよ?ブリしゃぶなんてメニューにない‥
大将「もちろんできますよ!」
ええっ?じゃあぼくも食べたい。すごく食べたい。ブリが丸々太った頃合いにまた来ます!
すし屋の城光 富山県氷見市間島1-50