小松でイノベーティブにもほどがある素晴らしい食事をいただきました。そして本日は「氷見でお寿司を食べてから京都に戻って夕食を食べる」‥自分で予定しておきながら、お前は何を言っているんだ?
小松から氷見は1時間くらいだからいいけど、そこから京都はついででもなんでもないじゃないか‥とか言っても決めたのは自分だ。腹を括って出発するとしましょうか。
道の駅氷見から車で3分といったところにあります「すし屋の城光」さん。来る途中でブルーシートも目にしましたが、城光さんの被害はそれほどでもなく、早めに営業再開できたそうで何よりでした。
店舗西の道を挟んだ空き地みたいな所が駐車場になります。いちおう三角コーンが置いてあるのが目印。
席数が少ないので予約推奨です。
「いらっしゃい!あれ、お一人で良かったですよね?」と大将。
不審に思うのもごもっとも、いつもは母と来ますからね。今日は内緒で来てみました。
大将「そういうことですか。じゃあ次にいらした時は黙っておきます。12貫でよろしかったですね」
コースで一杯やりたいと願うこと数年、しかし今日も車で来てしまったので12貫でお願いします。
さて、あのホワイトボードから選ばれし十二使徒は‥?
ここでおまかせコースを注文したらしい紳士が冷酒を片手に「ホタルイカ出るの?」と質問。
大将「2匹くらいつけますね。今は生で出せないんでね〜。ウチはルイベにしてあるから肝も楽しめますんで」
なななな、なんだって〜?丸干しでない肝入りホタルイカ!そんなの飲みたい!やはりタクシーでもなんでも使って夜に来るしかない‥でもホタルイカはもうすぐ終わりか〜くそ〜。
アワアワしていたら最初の握りが目の前に置かれました。
大将「まずはスミイカですね、そのままどうぞ」
こちらのお寿司は醤油不要。煮切りを塗るだけでなく、それぞれのサカナに合わせた味をつけて出してくれます。
塩で甘味がグーンとアップのスミイカ!イカとゆでエビは紅白の色合い担当とかマグロの露払いにされがちですが、ここではそんなことはない。一貫めから千両役者の登場です。
旨味をしっかり引き出した地物のマダイ。小ぶりでホロリとほどけるご飯と一緒になるとうまいのなんの。タイの刺身とご飯はベストコンビですねえ。
なんと氷見のトラフグ!ポン酢と一味でいやがうえにも「てっさ」気分です。
香ばしい皮目、あふれる脂。城光さんのクロムツはまことにうまい。ノドグロと同じくらいうまいのにバカ高くないので出しているそうですが、最近は味がバレて高くなってきているとか。
富山湾の至宝・白エビと日本海のお宝・甘エビ。白エビの美しさを損ねず、しっかり味がついている繊細な技。
ふぉぉ?今日の甘エビは思わず変な声が出ちゃったほど甘い。甘エビの名は真実だ。
城光さんの看板メニュー、胡椒を振ったバイ貝!隣席の京都から来たというご婦人が「ああこれこれ!食べたかったの」とか言っておりました。
コリコリ以上、ゴリンゴリンの活きが良すぎるバイ貝にピリリと胡椒、ビールも日本酒もたまらないんだろうな〜。
なお左右のお隣さん両方が京都の方で、ぼくを挟んで京都話が始まってしまう勢いでした。真ん中のぼくが「今日の夕食は京都」なんて言ったらさらにややこしくなるな。黙っているに限る。
ここでお味噌汁の登場。出汁もうまい、つみれもうまい。お寿司屋さんの味噌汁とお茶は最高だ。
富山といったら昆布〆ですね。本日はヒラメ。もちーりとした舌触り、昆布の旨味‥道の駅で昆布〆用のデカ昆布買って帰ろうかな。
光り物、アジだ!この季節、アジかイワシは必ず食べたいところだからありがたいですね。
カツオといえばヒラソウダやマルソウダが多い城光さん。でも今日は普通のカツオです。時期的に脂控えめ、お酒が欲しくなる赤身のおいしさ。
大将「今の時期は夏マグロって言いましてね、氷見のあたりで網にかかることがあるんですよ。昨日まではその辺で獲れたやつで、グミみたいなすごい歯ごたえでしたけどね。今日のは沖縄の夏マグロです」
うわ〜昨日来るべきだった‥?と口にしてみれば、いやいや、沖縄の夏マグロもとんでもなくうまいよ!確かに知っているマグロより身がしっかりしているような。
ホンマグロ特有の渋味に近い旨味より、とにかく甘味が際立っている。極上のインドマグロみたい、うま〜い!もう4個くらい食べた〜い!
えっ、お寿司屋さんのカウンターでまさかのサーモン?
大将「氷見のサクラマスですね〜」
押さないで握っちゃった「ますのすし」ですか!サーモンの「俺ってこってりだろ?」とは違って、古めき静かにコク深い。夏マグロに続いて素晴らしいな。
ああ、もうおしまいか。何か1個だけ追加するか。
クロムツもいいけど、衝撃のうまさだった夏マグロかサクラマスを‥ん?白身のアイツがおまかせに入っていませんでしたね。よし決まった!
ホワイトボードにあったら食べたい、白身の最高峰たるアラ!
あっさりなれど深い旨味、ビシッと締まった心地よい歯ごたえ、白身魚のお手本のようだ。ああうめえうめえ。
もう2・3個頼みたいけど、夜がコースだからね。ここは腹九分くらいでおさえて余韻を楽しむとしましょう。ごちそうさまでした。
大将「そうだ、加賀屋さんにはしばらく行けないみたいですね」
そうなんですよ。再開は2026年とか‥城光さんと加賀屋さんはセットみたいなものなのに。というわけで、母を連れてくるのは2026年になりそうです。その間にぼくはまたコッソリ来ますのでよろしくお願いします。
大将「そんなこと言わず、ぜひ一緒にいらしてください」
やっぱり?それでは氷見牛の買い出しか何かで連れてくるとしますか‥
すし屋の城光 富山県氷見市間島1-50