
恒例になりつつあります「CACC スネークピットジャパン ちゃんこの台所」さんでのちゃんこ会。嬉しいことに「食べてみたい」との声をかけてくださる方も多く、毎月のように色々な方とちゃんこを囲んでおります。今回は7月の話。

高円寺駅を北東の環七方面へ向けて6分くらい。元小学校だったらしい建物の近くにある‥マンションなのかオフィスビルなのか、飲食店のイメージが薄いビルの2階にあります。この看板がなければ素通りまったなし。

しかし店内は熱い!ほ〜ら、圧倒的プロレス空間ダーッ!CACCドアの奥は道場になっていて、ビシンドシンと熱心な練習音が聞こえます。
6月末に開催された「CACCレスリングマッチ」のアマチュア部門で優勝された戸津選手も汗を流していて、直接おめでとうと伝えることができました。一発でファンになっちゃったんだから。
コースは3,000・3,500・4,000円の金額と、メインの鍋の種類を予約時に指定します。
鍋は伝統の湯豆腐鍋・塩・味噌・キムチ・豚チリ等がありますが、今回は四名以上よりの隠れメニューであるソップ炊きでお願いしました。

プロレス道場名物どんぶりビールや、アントニオ猪木氏推薦のソムリエが厳選したワイン、そして猪木氏が愛した強炭酸水など、ドリンクメニューも一味二味ちがいます。

今回はとりあえず白ワインでかんぱ〜い。鶏も魚も豆腐もなんでも来い、万能選手であるポルトガルのテーブルワイン、キンタ・ド・コーレイヨ。
お隣のテーブルは茨城からよく来る方々だそうです。いや〜本当に各地から人が集まるんだな〜、うまくて楽しいもんね。そういえばぼくはグンマからだし、神戸や京都からも友人が来たからね。

道場の代表にしてシェフの宮戸優光さんが「本日もよろしくお願いします」と持ってきてくださったのは、おなじみになりつつありますカツオの中華風サラダ。
スッキリしたドレッシングにニンニクと香菜が風味をつけ、中華のようなタイのような、なんて素敵にエスニック。
そして海洋王国ポルトガルの白は、カツオにもピッタリなんだなあ。

お次は、もはや大好物となってしまった蒸し鶏ネギソース!しっとり蒸しあげた胸肉の上に爽やか極まりないネギソースがかかります。
低脂肪高タンパク。つまり「おいしくてつよくなる」理想の道場食ということだ。

メンバーのうち一名はここでどんぶりビールに切り替えました。わーっと泡が広がるので、飲み口がマイルドになるそうです。

次は見るからにゴージャスな一皿が登場。関東風豆腐蒸しですって。
ひき肉のような食感ですが確かに豆腐。中には椎茸やエビなど様々な具が。
中華風蒸し豆腐ハンバーグのような、新世紀茶碗蒸しのような、摩訶不思議ながらも極上の味わい。ご飯にかけて食べたらヘルシーかつバカうまだろうね!

ついにソップ炊きの登場です。ソップとは鶏ガラのこと。相撲界でちゃんこの王様といえばソップ炊きと言われているとか。
土鍋でなくでっかいアルミ鍋というのが、いかにもプロレス道場のちゃんこといった風情じゃありませんか。

第一陣は油揚げに鶏団子と野菜とバランスよく取れたぞ。とか言って、実はどこからどう取っても素晴らしい栄養バランスになるよう作られています。
鶏ガラ醤油スープということでラーメン風の味かと思えば、油脂が控えめなのでそうでもない。あえて言えば、根菜の風味のためけんちん汁に近いでしょうか。

食べても食べても飽きないスープ、見事な火加減でシャキシャキ楽しい野菜、一口サイズに切りそろえられた具材。とにかく食べやすく、バカスカと食が進むよう工夫されています。
野菜とタンパク質がたくさん、そしていくら食べても飽きないおいしさ。プロレスラーの強さの秘訣は、ちゃんこのおいしさにもあるのだな。
元お相撲さんがやっているようなちゃんこのお店は、やっぱり商売だから見た目重視の豪華なモノになってしまいがちですよね。本当に相撲部屋やプロレス道場で食べられているちゃんこを楽しめるのは「ちゃんこの台所」だけ!

ソップ炊きに続く特別注文は中華風ローストチキン。
調味料を塗って一夜干しにする北京ダックの技法を使い、揚げてもこうはならんだろというパリッパリの皮と、小籠包もビックリのジューシーな身を楽しむことができます。
茨城からの方々は初めて食べたようで、うまいうまいと感嘆の声を上げていました。

そのままでもしっかり味がついていておいしいのですが、フルーツソースをつけると雰囲気がガラリと一変します。甘酸っぱさで舌がリセットされ、もう一つだけ、ジャストワンモア‥とばかりにやめられない止まらない。

巨大鍋の具をきれいにさらってしまったソップ炊き。思わずスープも飲んでしまう勢いでしたが、シメの雑炊のために残しておいたのでした。
具の旨味が溶け出た鶏ガラスープを全力で吸ったお米。こんなに日本人の胃袋をつかむ食品が他にあるだろうか。

不思議なくらいおいしいオレンジをいただいてごちそうさま。おっと、帰りに「湯豆腐のたれ」を買うのも忘れずに。
宮戸味徳シェフのウデマエは来るたびに輝きを増すばかりです。ビル・ロビンソン先生のCACCと、周富徳先生の中華と、プロレス界のちゃんこ。三つの伝統を確かに伝える素晴らしい道場。
そう、本当はキャッチ・アズ・キャッチ・キャンのレスリングジムです。来る9月1日は二回目となるCACCレスリングマッチ!スピーディーなレスリングの攻防や大迫力の人間風車を目の前で見るチャンスですよ。
CACCスネークピットジャパン ちゃんこの台所 東京都杉並区高円寺北2-15-1 2階