神戸の裏ダンジョンをとっとこ歩き倒そう モトコー・メトロ神戸・新開地一丁目(神戸市元町〜高速神戸〜新開地)

神戸のハーン兄弟ことOさんとTさんに案内されてしまう神戸、続きです。

昼メシの中華(前回参照)は素晴らしかったですが、さて、これから夜飲むまでの間はどんな感じなのでしょう。

Oさん「実はノープランなんですが、せっかくなので神戸をオシャレと思っているOLだったら泣いておしっこを漏らすようなコースをご案内しようかと思います」

Tさん「そうするとモトコーとか?いいね。しっかり落胆して帰ってもらおう」

モトコー?港町神戸だから元町の港とかそういう意味かしら?しかし泣くとか落胆とか、何の相談をしているのでしょうか。

Oさん「ではだいたい決まったので、とりあえず歩きましょう」

やあ、立派なアーケード街。ははーん、ステキな商店街で神戸のオシャレさをアッピールしようというのですね。なんだかんだ言ってちゃんとした案内じゃないですか、このツンデレたちめ。やあ、あの店はステキっぽいぞ!

Tさん「なにやってるんですか?こっちですよ。こんな所は通過するだけです」

えっ?またそのパティーンですか。

トコトコと歩いて高架下に・・すれちがいがやっとの狭い通路の両脇に、2・3畳しかない店舗がミッチリ・・・あのー、なんですか?この活気がない闇市のような不審なマーケットは。

Oさん「それはそうでしょう。闇市からそのまま商店街に進化した元町高架下通商店街、通称モトコーです」

げげーっ!モトコーのコーはでなく(架下)でしたか!しかし見事にシャッター通りですね。

Oさん「たまに開いている店もありますよ、ホラ。ファッション、古本、中古家電が多いと思います。あとなぜか知りませんがワープロ専門店が多数」

ワープロ専門店!究極のガラパゴス家電であるワープロに需要があるのかしら。そしてこの営業中の店はファッション担当ですか。「バッタ商品」と自ら声高らかに謳っておりますが、大丈夫なのでしょうか?

バッタの定義は正規のルートで仕入れたものではない正規品・・・うーん、ちょいグレーか。

Oさん「いや、ここモトコーで何を売っているのか明示しているだけでも大したものです。ちょっと前は合法ハーブの店も・・」

OOPS!ブラックが基本の街でしたか!じゃあグレーなんて優良店舗ですね。ああ、あの店なんか旧帝国軍の軍服とかサーベルとか売っておりますよ。もしかしてあなた方愛用の世紀末肩パッドとか汚物消毒用火炎放射器はここで買ったのでは?

Tさん「・・・・(⌒-⌒)」

あれ?まさか本当だった・・?

(参考資料:地域の浄化に余念のないTさん)

どんどん暗くなってきましたよ・・・今って日曜の昼間ですよね。こんなに暗くてどこも営業していない観光商店街ってあるのでしょうか。たまにやっている店ではドリームキャストとかメガドライブの本体とソフトを売っていたけど、誰も買いませんよね。

Tさん「とか言いつつ、メガドラ本体の前で2分くらい悩んでましたね」

あれは危なかった。ソーサリアンマイトアンドマジック3が一緒にあれば確実に買いました。あ、そうだ。ところでトイレってあるのでしょうか?

Tさん「たまーに男女兼用の公衆トイレがありますよ」

あれかな?では失礼して・・・・うわーー!!

Tさん「あれ、やっぱり便器から手が出てきましたか?それとも花子さん?」

そんなの出るのか!いや、まあごく普通の和式トイレでしたが、カギとか中の造りがあれで男女兼用なのかと・・確かに神戸にオシャレ感を期待して来たOLは泣いておしっこを漏らすかもしれません。

Oさん「でも一応商店街ですから食堂とかもありますよ。中華もあります」

まあ食べたばかりなのでいいですけど。しかしなぜメニューが英語ローカライズされているのでしょう。

Oさん「実は今さらモトコーに来る日本人は少ないらしいです。しかし色々なメニューを無理やり訳しているのに餃子はなぜGYOZAのまんまなのでしょう」

酢豚のSWEET SOUR PORKはなんとなく秀逸なんですけどねえ。

1番街から7番街まであるみたいですが、数字が増えるごとに暗さと怪しさが増していく雰囲気です。だんだん恐怖度が上がっていくとか、まるっきりゲームのようだ。最終ステージ7面にいたっては、もはや不審すぎて何屋かもわからない看板があります(大人のおもちゃ屋らしい)。

Oさん「こんなですが、実はかの震災でほとんど被害を受けなかった奇跡の商店街だったりします。でももうすぐJRにつぶされてしまうらしいですよ」

そうなんですか?こんな貴重な通りを。なんともったいない。

Oさん「モトコーは以上です。そしてモトコーのゴールは高速神戸駅。このままメトロこうべに行きましょう。高速神戸〜新開地間のステキな地下街、つまりダンジョンですよ」

神戸って高架下地下街しかないのかしら。事前調査では確かこんなでしたが。

Tさん「ナニコレ、こんなの信じるとかどんなリテラシー?話になりません。ここは横浜じゃないんですからやめてください。異人館?ハーバーランド?知らん」

そ、そうだったのか・・・!するとメトロこうべって何があるのですか?

Tさん「ほとんど何もないですね。サラリーマンの心をえぐるポスターがあるゲーセン卓球場がメインイベントかなー、くらい」

た っ き ゅ う じ ょ う ?・・・いや、地下街なんですよね?地下プロレスは聞いたことあるけど、地下卓球

ホ、ホントにあった・・・!しかもカコカコと景気よくピンポン音が聞こえるということは、繁盛しているのか!スマッシュが決まったのか何か知りませんが、ウェーイ!!的な掛け声まできこえるるる!ボーリング場的なノリで地下卓球!?

Oさん「そんな生易しいものではありません。神戸っ子はここで殺人卓球を学んで悪役卓球選手となり、賞金の半分をここに納めるのです。人呼んで卓球虎の穴。出身者としてはナントカ愛ちゃんとかが有名ですね」

卓球の知識は卓球戦隊ぴんぽん5稲中くらいしかない私ですが、ナントカ愛ちゃんは仙台っ子かつ善玉卓球選手のような。

でも「地下にあって金網で仕切られた卓球場」というのは確かに秘密道場っぽい。数えたら11卓もありますよ。料金は1時間で1卓税込800円。道具も借りることができるので安いのでしょうか・・・その辺の相場はよくわかりません。しかしですね、さっきからちょっと困ったことがありまして。

Oさん「言いたいことはわかります。熟女好きの俺にはとうてい理解できませんが、JKっぽいコが短パンで元気よく卓球をやっているので、フトモモが目の毒というわけですね?」

さすがです。なんでもお見通しマンですね。

Oさん「そこでさらにヒートアップしてもらいましょう。通路の反対側をご覧ください」

反対側ですか?おや、なんだか渋い書店がありますね・・・ん?うわっ!ふはーーー!!

Oさん「気づいたようですね・・JCやJKが爽やかに卓球で汗を流しているその裏では!今どきUFOキャッチャーの景品にもならないような、すさまじく低品質っぽい中古エロDVDが堂々と販売されているというこの倒錯した事実!!」

ま、まいったーー!!メトロこうべ、すごい・・・

Oさん「ここでサラリーマンの心をえぐるポスター満載のゲーセンに到着の予定だったのですが」

うーん、金網しかありませんな。

Oさん「残念ながらつぶれて撤去されたみたいですね!あのポスターは最後の抵抗でしたか。興味ある人は『メトロこうべ ポスター』で検索どうぞ」

まあ今もほら、金網デスマッチとかピットファイティングの会場みたいでいい感じですけどね・・・

Oさん「先に金網から出てきた方が勝ちの巌流島ルールですね?わかります」

Oさんと話しているとプロレス話か下ネタになってしまうから困るな。

地上に上がるとここは・・「ええとこええとこ新開地一丁目」ですか。新開地・・おお、ポートピア連続殺人事件たけしの挑戦状で名高い新開地!とうとう実際に足を踏み入れた!!しかも今日は雨ですから、「あめのしんかいち」だ!

Tさん「感動してもらっているとこになんですが、少なくともこの通りはめし屋とパチ屋と雀荘しかないですよ。そしてあのゲートみたいな看板を抜けるとソープ街」

なんと神々しい、これが天国への門ですか。意匠、路地の美しさ、行先の欲望の渦巻きっぷり、全てが最高です。パチンコや麻雀の勝者のみ、このゲートを抜けて高級中華やソープ街にたどりつくのですね。

Oさん「負けたヤツらは立ち食いソバ屋か一膳めし屋でとっとこ食ってここっと帰るという、このギャンブルカースト制度!」

素晴らしくわかりやすいシステムのステキな街ですが、これはわからない。ギャルマージャン?なんですかこれ?中で脱衣麻雀でも行われているのでしょうか。

Tさん「よくわかりませんが、どうやら店員さんがオール女性である雀荘らしいです。脱衣はないみたい」

確かに1卓1時間900円は風俗としては安すぎるので、わりとマトモな雀荘なのでしょう。地下卓球より高いけど。いや、冷静に分析してどうする。

Oさん「まあそんなわけで、神戸のハラワタともいえる部分を紹介してまいりました。どうです?ステキな街でしょう」

なんやかんや言って、ものすごく楽しかったのが悔しい。

Oさん「そうでしょうとも。あなたの好みはわかっています。では電車で三宮まで戻りましょう。晩ご飯には少し早いので、軽くつまんで飲める神戸名物をご紹介します」

つづく

 

元町高架下通商店街(モトコー) 神戸駅〜元町駅高架下

メトロこうべ 高速神戸駅〜新開地駅直結

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