五反田のフレンチ名店、夏のスペシャリテはキンキンに冷えたガスパチョに鮎、そしてハト!うまい 鳩 うまい フレンチレストラン メイ(品川区・五反田駅)

関西の友人が東京に来るというので迎撃せねばなりません。都合を聞くと18時くらいに品川近辺が良いですか、なるほど。

その友人は確かフレンチ好きだったはず。品川といえばアウトバックにアンナミラーズ、シカゴピザがうまいお店もあったな・・あれれ?アメリカンなお店ばっかりじゃないか。

Googleマップで品川付近のフランス料理店を検索してみたところ、五反田に2軒気になるお店がある。品川からタクシーでちょいちょいで行けるな、よしよし。

というわけで気になる2軒のカタワレである「フレンチレストラン メイ」さんを予約してみました。エントランスから上品さと非日常を感じさせますね・・アロハで来たけど大丈夫なのか。

入店するとやはり上品ですが、明るくてカジュアルな雰囲気もあって、なんだか居心地がよさそうです。ゴルフウェアみたいなおじさんもいるし安心だ。

ディナーコースは9,900・13,200・16,500円の3種類ありまして、今回は真ん中の13,200円コース・MAYでお願いしました。

店員さん「こちらのコースですと、メインのお肉が牛フィレと小鳩をお選びいただけます。鳩が今月限定の当店のスペシャリテとなっておりますのでオススメですね」

スペシャリテと聞いたらいただきたいところですが、友人はハト大丈夫な人でした?

友人「ハトでもウサギでも、カエルでも大丈夫ですよ〜」

なんと頼もしい。ではぜひ鳩でお願いします。

飲み物は6種のペアリングをお願いしました。9,000円くらいだったかな。

まずはスパークリング。ブリュン・セルヴネイ メロディ・アン・セー、だったと思う。蒸し暑い日だったので一気に飲み干してしまいそうな爽快感。いや待てビールじゃないんだから。

最初の一皿は「一口のお楽しみ」。スプーンの方は焼いたイワシとスプラウトの梅風味。左はキーマカレー・チーズ・米で作った葉っぱの組み合わせ。手で食べるカレーをイメージしたそうです。

イワシを魚と感じさせない泡ってすごい。うまい。そして一口カレーがズルい。欧風でなく、まさしく手で食べるインドのソレな風味でやめられない止まらない。横に10個くらい並べてひょいぱくしながら延々と泡やら白やらを飲みたいなあ。

夏のスペシャリテの一つ、キンキンに冷えたガスパチョ!「キンキンに冷えた」を含めて正式名称らしいです。具にはオクラと冷凍モロヘイヤが入り、スイカのシャーベットで味変をするビックリ仕掛け。

まずはスプーン上の一口カプレーゼをいただきます。くりぬかれたミニトマトの中にクリームチーズ・トマトジュレ・ドライトマト・バジル・エディブルフラワーと味が詰まりまくって大変だ。さっきのカレーとコレをズラッと並べれば永久機関の完成だ。

そして空いたスプーンでガスパチョをすくいます。頭も割れよと冷たいトマトが胃の腑に染み入る蝉の声。夏だ〜!シャーベットを投下して冷たさと甘味を加速!

焼き色も美しいバゲットは今のところ見ておくだけにしておきましょう。

オリーブオイルとバターも来た。あれ、バターに塩がふってある。つまり無塩バターか、面白いね。

ジュリアン・スカール エヴィデンス・シャルドネという南アフリカのワインが登場しました。酸味が強くてフレッシュな果物感満載、夏の栄養ドリンクだ。直しだ(違う)。

静岡産じゃがいものヴルーテ・下には川俣シャモのジュレ。ウニと甘エビとボタンエビが具として入ります。本当はカニらしいけど、事前に言っておいたので海老にチェンジしてもらえました。

滑らかで甘いじゃがいもとエビのプリ甘がピッタリで。もしかしてエビさん、カニよりウマい十三里半?ウニとシャモのジュレの旨味も強力で、シャルドネの酸味とケッコンケッコンしているじゃないか。これでいいのだ。

ソムリエ「次は日本酒になりますけど大丈夫ですか」

日本酒!むしろ望むところです。やって来たのは・・お前、栃木だろ!

ソムリエ「はい。仙禽のオーガニック・ナチュール貴醸酒です。もしかして飲んだことありましたか?」

仙禽はよくいただきますがコレは初めて、問題ナシです。水のかわりに酒で仕込んだ貴醸酒だというのに、アルコール度数低めで変な甘味はナシの食中向き。不思議〜、仙禽さんちの醸しマジック!

この日は土用の丑前日ということで、浜名湖うなぎととうもろこしの発酵バターパイ仕立て。つまりリアルうなぎパイ!上のモシャモシャはヤングコーンの髭ですって。

バルサミコソースと発酵バターとうなぎに貴醸酒、みんなじゃじゃ馬なはずなんだけど、みんな違ってみんないい。強すぎて孤立していたはぐれ者たちが強敵(とも)に出会った・・?

お次のワインはオーストリアのノイマイヤー・ソーヴィニヨン・ブラン。こちらのカップリングはどれもたっぷり注いでくれてありがたいです。

「野菜」とメニューにあったのでサラダかしらと思ったら、ビーツ・大根・イモ・ズッキーニ・ゴーヤーとカラフルな野菜たちが登場です。そのまま、もしくはラヴィゴットソースで。

焼いてあったりピクルスだったり、俺はウサギじゃねえんだとか言いそうになってごめんなさい。どれもめちゃめちゃウマい。

レブガルテン ドメーヌ・グロスはなんとアルザスのオレンジワイン。日本酒とかオレンジワインとか、なんて楽しいチョイスだ。しかもアルザスってことはアレですか、次も川魚だったりして。

やっぱりそうだ、和歌山の鮎が春巻きの皮に包まれて登場です。スダチの泡とキュウリのお布団、赤ワインソースとタデのソースでいただきます。

キュウリの香りと言われる鮎をキュウリで食べさせるという香りの連弾。スダチの泡とタデのソースをつけたところにオレンジワインを流しこめば、爽やかな香りの奔流でぼくはしあわせだなあ。アルザスはオレンジまでミネラル豊かな風味になるのだなあ。

さあ、いよいよメイン。岩塩に包まれて焼かれた小鳩を見せてくれます。ドカンと固まりで焼いたものを切り分けてくれるのがフレンチの醍醐味。

ソムリエ「鳩にはシャンベルタンということでこちらをどうぞ」

ドメーヌ・フィリップ・ロシニョール フィサンですって。こんなワインが出るということは、鳩さんったら鴨ばりに力強いということかしら。

小鳩の塩釜焼きの鳩ソース

センターには胸と骨つきの腿、左にはササミ、左上は手羽。万願寺とうがらしのモルネーと自家製塩レモンがつきます。

肉に近寄ってもう一枚。胸肉すげえ!さすが鳩胸と言うだけあって、力強い歯ごたえとべらぼうな旨味!確かに野とか鉄とか血を感じてシャンベルタンがうめえ〜!

ササミは見た目の赤さより鉄を感じないサッパリ風味で、ソースのおいしさがよく分かる。手羽と塩レモンなんて昇天しそうな組み合わせだし、腿肉なんて言わずもがなウマいし、鳩もっと流行るべきだ鳩。ケンタッキーフライドピジョンとか食わせてくれ〜。

万願寺モルネーが付け合わせ以上の極上グラタンでして、なんでも野菜はシェフのご実家とかそういった所から仕入れる極上なモノらしいです。このお皿でバゲットのキープが全部消えました。

鳩はもう一皿あるというのに飲み干してしまった。

ソムリエ「追加でエシェゾーはいかがでしょう。こちらのマルサネはグラン・クリュも近いと言われています」

そんなの追加しますよというわけで、村を挙げて格上げチャレンジ中というシャトー・ド・マルサネ レ・エシェゾー。大らかでたっぷりとした懐の深い味ですね。フォアグラ食いてえ。

小鳩のレバー・ハツ・砂肝入りのラタトゥイユ。なんと鳩のホルモン!なるほど、フォアグラが食べたくなるわけだ。

フランス至上主義のシェフが通い詰めてしまいそうなほどウマい内臓肉。やっぱりもっと流行るべきだ、鳩。

デザートは桃のソルベやジュレにフロマージュブランを中心に、皮付きレモンやアーモンドのチュイルと小さなグラスに色々な甘味と香りが封じ込められています。

ついでに貴腐ワインでも飲んでしまうかと思いましたが、ペアリングのワインが多めだったしな、ちょうど気持ちいいところでやめておきましょう。

年に数度しか飲まない熱いコーヒー。コーヒーは自分でいれるより、人にいれてもらう方がうまいんです。

お茶菓子はチョコバナナのシブーストとピスタチオチョコレート。この辺でシェフが挨拶に来てくれたので、鳩とガスパチョを盛大に褒めた・・気がします。ワインたくさん飲んだので記憶が薄い。

いやあ、鳩おいしかったなあ・・HPをマメに見て、鳩が出る月を押さえないと・・16,500円のスペシャリテコースで事前リクエストすれば案外いつでもイケるのかな?聞けばよかった。

この後に鳩食べたさのあまり「鳩料理」「ピジョン 肉」等で検索かけまくった結果、Yahoo!やTwitterの広告がブラジャーだらけになってしまった。え、なんで?と思ったら、なんとかピジョンって下着メーカーがあるんだね。やれやれ。

レストランMAY 東京都品川区東五反田2-7-7 エルシア五反田 1F

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