ちたけナスやネギマ鍋などつつきながら、ずらりと並んだ佳醸芳醇が飲み放題!宇都宮に酒徒の楽園アリ〼 國酒の仕業(宇都宮市・宇都宮駅)

「日本酒好きにはたまらないお店があるって聞いたんだけど」

おや宇都宮の友人、どうした急に。宇都宮で日本酒・・小耳に挟んだことある。たしかコクシュとかなんとか・・

友人「そうそう、そこ!」

宇都宮の東横インから徒歩5分ですし、行かない理由がありませんね。さっそく予約の電話を入れましょう。

店員さん「ご予約ですね。1階と2階どちらがよろしいですか?」

1階2階で何か違うんですか?・・ふむふむ、そういうことですか。そんなの2階で決まりです、はい。

JR宇都宮駅西口から徒歩10分、店舗はご当地名産大谷石の蔵!雰囲気に満ち満ちた「國酒の仕業」さんにやってまいりました。

店名といい杉玉といい、もう日本酒を飲ませる気しかありません。

予約名を告げると2階へどうぞと促され、蔵らしい急な階段を登ります。

座卓が3つほど並んだ室内。壁にはお酒のラベルがずらりと飾られていて、いやがうえにも盛り上がるじゃありませんか。

店員さんがやって来て、2階利き酒コーナーの説明が始まりましたよ。

「お料理はここに並んでるものと、後で何かもう少し出ると思います。冷蔵庫のお酒は錫のぐい呑みに自由に注いで飲んでください。お燗もできるので使い方がわからなければ呼んでください。階段が急なんで、飲みすぎて落ちないようにお願いします。それでは今から2時間、楽しんでください」

このズラリと並んだ料理を食べつつ

冷蔵庫に並ぶ日本酒の全てが2時間飲み放題で5400円!どういう天国ですか?

飲み放題の日本酒といえば、カブト虫も逃げそうな砂糖水モドキと思うでしょう?ところがホラ、ちょっと見ただけでも選ばれし佳醸芳醇ばかりですよ。もう一度言います、どういう天国ですか?

1階は山形の郷土料理で色々なお酒を楽しむ居酒屋のようです。SSRクラス、幻の秘酒なんかもあるとか?

まずはご当地栃木は真岡の辻善兵衛からいただきましょう。錫のぐい呑みにたっぷり注いで、かんぱーい。

あら甘いと思わず口に出るほど優しい口当たりだけどシュッと切れる。なんとフレッシュな。いきなり好きだなあ。

ちなみに瓶の後ろにチラっと見えるように、和らぎ水は大量にあります。ありがたいありがたい。

マグロの漬けにこれでもかと薬味がふりかかるカツオのたたき。こいつは力強いビッグボディなお酒が必要ですね。

会津の泉川 ふな口本生でいきますかーっ!しぼりたてのパッツパツなお酒!ふわあ〜!

友人「ああっ、ちたけだ!ちたけとナスを一緒に煮たら一生食べられるやつだよ」

これは嬉しいご当地のお惣菜。へ〜、ちたけって蕎麦の出汁だけじゃないんだね。ナスにちたけの香りと旨味が染みわたってウマいもんだなあ!ちたけさんは全てを出し尽くして文字通りダシガラになっちゃうのも面白い。尊い自己犠牲です。

旨味たっぷりのちたけナスにはまろやかな熟成うすにごり、会津のかすみロ万ですかね。

おおそうじゃ、鍋に火を入れないと。ネギがバッサバッサと入っているけどなんの鍋だろ。ポコポコ煮えてきて立ち上る海の香り・・これはにゃー・・じゃない、ネギマだ!冬に最高じゃないか!

煮えたてのネギは食べ方注意、鉄砲仕掛けですからね。醤油控えめでお酒とマグロの出汁が効いて、これは汁が値打ち!いや〜、抜群にうまい!いけない、こんな美味しい汁では早くお酒を持ってこないと。

ネギマに合わせるのはダリ、いわゆる灘の生一本らしいですが、どうやらこちらのお店は栃木と東北のお酒がメインの模様。ご当地小山の雄東正宗 秋あがりといきますか。

ちょっと飲んで甘味を感じるお酒が続いたところで、腰の座ったキリリとしたお酒。汁を吸ったネギの青いところをちょっとかじってからキューといくと、胃の腑にストンと落ちてからパワフルな風味が湧き上がる。う〜む、醤油樽を持てい。

これまた冬の使者、白子もあるじゃないか。もちろん大変お酒に合うけど、今考えたらネギマの汁でしゃぶしゃぶしても良かったね。

いい感じに回ってきたので名前で選びはじめタイム。秀鳳 特別純米酒 酔いどれジョージです。ふざけた名前だけど山形限定販売のバリバリにレアなお酒・・なんでこんなのまで飲み放題なんだ?

風味の口直しには菊のおひたし、食感の口直しはキクラゲ。どこまでも酒を飲ませる仕様が心憎い。

また名前で選んでしまったじゃないか、世は満続!最初の辻善兵衛さんと同じ酒造のお酒です。華やかに入ってきてスッと切れて食中酒にピッタリ、うん、やっぱり善兵衛さんだわコレ。

ナメコおろしはもはやナメコでなくナメタケであった。ネギマの汁とコレで永遠に飲める気がする。

山形は酒田市で「純米大吟醸」のみを醸し続ける変態勇者、楯野川さん。

おまかせ配達を頼んでいた酒屋さんが必ず入れてきたので、個人的にはすごくお馴染みの味なんですが・・そのお店が閉店してしまったので久しぶりの再会。旧友よ、君はいつだってウマいな。山形ってお酒も料理も好みなのよね、だしとか冷たい肉そばとか。

店員さん「追加のお料理です。なんだっけ、ああ卵焼きの天ぷらです。あとお鍋が済んだなら雑炊セットを持ってきますね」

え!全部飲んじゃって鍋は空っぽですよ。だってウマいんだもの。

店員さん「いいですいいです、お出汁も一緒に持ってきます」

これは喜多方のささまさむね特別純米秋あがり・・ホントに東北、しかも今日は福島特化な感じね。ふうわりと軽く料理の邪魔をしない。料理の味を支えてくれるナイス縁の下です。

お出汁とご飯とタマゴを持ってきてくれて、自分の好きな加減で勝手に食べろということですね。好きだなあ、このお店の距離感。

店員さん「もうすぐ2時間ですが、30分1,100円で延長もできます。どうしますか?」

え、そんなサービスもあるの?この雑炊があれば30分など軽いな。延長願いま〜す。

会津の中将は初めて。吟醸とは書いてないのに華やかな香りだなあ。福島はお酒大国だね。

この後は今までで美味しかったお酒をおかわりなんかして、夢のような150分をたのし・・ところで友人は大丈夫ですか?よく考えたらぼくと同じペースで飲んでいたよね。

友人「今のところ大丈夫・・でも明日の予定は全部ダメだねこれは。こんな美味しいお酒ばかり飲み放題なんてお店が悪い。わたし悪くない」

なるほど、これが酒のせい、つまり國酒の仕業ということか。お酒と料理はホイホイ入れ替わるようなので、季節を見てまた来るとしましょう。

國酒の仕業 栃木県宇都宮市大通り5-2-8

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。