おひさまの光をたっぷり浴びた夏の新そばは若々しい香りが弾けるのよ〜。濃厚鴨汁に負けないのよ〜 金山庵(太田市飯塚町)

急に涼しくなったようですが、今回は暑かったお盆の頃の話です。暑いと恋しくなるのがキリッと冷えたそば。夏のそばは犬も食わない?いやいや、気の利いたお店ならそんなこともないみたいですよ。

爆弾ハンバーグやらジョリーパスタやらナントカナルドといった、郊外らしい大きな飲食店が軒を連ねる太田市のラフィエット通り。そこにそば屋としてはやはり大きめなお店を構える「金山庵」さん。たしかここは・・

ほ〜ら、昨年の夏に来た時に覚えましたよ。夏場は鹿沼産の夏そばを使っているんですよね。秋の新そばは寒暖差のためデンプンの出来が良く甘味があり、夏の新そばは日光をたくさん浴びることで色と香りが良い、らしいです。何かで読んだ。

テーブルや小上がりが多数ある広いお店ですが、一人なので壁に向かう形のカウンター席に陣取ります。卓上のセットメニューを見たらかつ丼が食べたくなった。こちらのかつ丼はウマい上に美しいんです。食べた時の写真がないけど、三つ葉が映えて絵に描いたようでした。

栃尾揚げを使うというきつね蕎麦も気になるのよね。でも今日は冷たいそばの気持ちで来たので見なかったことにします。

冷たいそばの王道といえば天もりなのでしょうが、なぜかそば屋さんで天ぷらを頼まないんだな。夏らしく爽やかさ極まる葉わさび蕎麦を・・あれ、鴨汁という文字を見たら反射でそっちを注文してしまった。

ちょっと待ちまして、15分ほどで登場しました鴨汁蕎麦。素晴らしい、かつ丼に劣らずナイスなビジュアルじゃありませんか。やはり決め手は三つ葉か。

均一な切り幅、角が透き通るばかりの見事な茹で加減、ざっくりと食べやすそうな盛り、しっかり切られた水。丁寧な仕事だなあ。

そばだけですすってみましょうか。ズルル。うひゃ〜、若々しい香りが鼻に抜けるわ〜。色味も爽やか、これが夏の新そばか!冷水での締めもバッチリで、心地よい流体が喉をすべり落ちていくようだ。

こんな見事なそばにこんな美しい鴨汁をつけてしまっては危険だ、ほっぺたをなくすかもしれん。

見える具材は三つ葉をセンターに鴨とネギ、えのきに油揚げというところですかね。油揚げと鴨のWアブラで食べる前から美味しい確定。

もりの汁がそこそこ当たりが強い感じだったからな、とりあえず半分ぐらいつけてズズっと・・ふわ〜、まずそばの香りが来て、鴨とカツオと醤油の旨味香りがぞろぞろとついて来る。鴨汁蕎麦の醍醐味がここに!

濃厚な汁の合間にキュウリが嬉しい。漬物が出るそば屋さんは期待度が魚群以上です。

鴨とネギを一緒にいただけば、そば抜きの汁で一杯やりたい野望がムクムクと湧いてくる。油揚げもあるし最高のツマミだわね。

鴨の場合はわさびが生姜に変わるのか。ありがたく使わせていただきましょう。

栃木の職人という焙煎七味も使ってみるか。

いいねえ、そばの水切りがいいから後半戦も汁が薄まることがない。薬味を足せば足すほど風味ばかりがブーストされるということだ。汁がなじんだ油揚げと一緒にすすりこむそばのうめえこと。

そば湯は卓上にポットで置いております。湯桶の風情も好きだけど、これはこれで冷めなくていいわね。鴨の旨味がたっぷりの汁、塩分なんて気にしている場合ではありません(しろ)。

涼しくなったら秋の新そばで鴨南蛮かな・・きつね蕎麦までたどり着くのはいつになるやら。もっともご近所さんですからね、何度も来ればいい話です。

金山庵 群馬県太田市飯塚町621-3

葉わさびそばもおいしい

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