焼き鳥デカうま、野菜たっぷり、満腹おまかせコースが4,000円!太田が誇る名店の「宴会」はあまりにも宴だった! 串ひで(太田市・太田駅)

夜中にSMSの通知音。また迷惑メールか‥おや、ご丁寧に学生時代の友人の名を語っているじゃないか。よく調べたな、読んでやろう。

「◯大洋弓部で同じ釜の飯を食べたNです。明日仕事で太田駅近くに泊まるので、久しぶりに飲みませんか?決して宗教や選挙やマルチじゃありません」

むむ、◯大洋弓部うんぬんというのは、友人たちと使っていたゴルゴ13由来の合言葉‥つまりこれってホンモノじゃん!うわ〜久しぶりってレベルじゃないよね。飲もう飲もう。

とは言ってもな、グンマに友だちいないから地元の飲み屋さん知らんのよね。そもそも太田駅周辺はえっちなお店ばかりだからな‥それでも機会があればと行こうと思っていた焼き鳥の有名店があるから行ってみるか。

さて翌日。駅近くで待ち合わせ、電話で空席確認してみたところ二人OKだって。シャッターとネオンが交互に現れるメイン通りから一本裏の路地にひっそりと佇んでいるのは「串ひで」さんです。

靴を脱いで上がる式の店内は広く高級感があり、大きなカウンターと座敷席に分かれています。二人だからカウンターかなと思ったら、電話を入れておいたからでしょうか、座敷のテーブルを用意してくれていました。

さあ乾杯だ。日本酒は群馬泉一合、冷酒の赤城山300ml、八海山純米吟醸720mlの3択‥ちょっと選択肢が少ないね。まあいいや、朋有り遠方より来るは一番の肴、四合瓶などたちどころであろう。八海山を一本願いま〜す。

メニューは串焼きがズラリとあって、

あとは名物というホイル焼。

焼きおにぎりにぬか漬けとサラダ、別ページに鶏鍋と大変シンプルです。焼き鳥屋なんだから串を食えということか、いいじゃないか。

でも初見のお店なので、串が出るペースとかサイズ感とか諸々がよくわからない。ここはひとつお店に委ねてみるか。4,000円の宴会コースって二人でもできますかね?

店員さん「大丈夫ですよ。サラダとかぬか漬けとかつきますけど、苦手だったりしませんか?」

ぬか漬けは大好物ですありがたい。ではコースで願いま〜す。

八海山は氷を忍ばせた徳利がついてきた。いいね。では十数年ぶりにかんぱ〜い。

お通しその1は大根おろしということでしたが、ヌルヌルめかぶやシラスも入って楽しいね。

お通しその2は鶏と根菜の煮物です。小鉢というにはあまりに大きい器にたっぷりと。

こりゃうまい!いかにも上州らしく醤油の効いた郷愁の甘辛!でもただの甘辛だけじゃない、トロトロになった手羽から良いダシが出てますよ〜。

大根サラダと聞いたけど、もはやコンビネーションサラダであった。大根に何か加えなければ気が済まないお店なのか。しかもすごい量で嬉しいね。サラダを分ける専用の割り箸まで用意してくれちゃうしね。

これまた醤油が頑張っている和風ドレッシングが良いお味ですね。多いと思ったけどみるみる減ってしまうよ。

ここで焼き物の第一便、ササミの梅じそ辛子明太が登場です。安心安全、しっかり中まで火が通っているのにしっとり感を失わない完璧な焼き加減。惜しみなく塗られた梅と明太。これでもかとかけられた大葉。まさしくあらまほしきササミだよ、ワサビ焼も食べた〜い。

お次は待ってましたのぬか漬け。これまたたっぷり盛り盛りで嬉しいですね。浅漬けから半歩発酵が進んで、爽やかな酸味と清々しい歯ごたえが同居したベストなお味。

添えられたおろし生姜に醤油をたらすとサッパリ感がアップ!ぬか漬け信奉者としてはコレだけで飲み続けても一向に構わんッ!

名物という鶏ときのこのホイル焼。ガサガサとホイルを開けば鼻腔をくすぐるきのこの香り。鶏もきのこもうまいけど、真の主役は鶏油ときのこの旨味を存分に取り込んだネギのお布団ですね?

串に戻って血肝、すなわちレバー!しっかり甘辛なタレとやけに効くカラシが力強い風味にピッタリ。食感も滑らかで良いレバーだなあ。

つくねねぎまは塩で登場。おまかせにすると塩かタレかもおまかせなんだね。そして塩の時は櫛レモンがドーンとついてくるのも嬉しいところ。

ねぎまの肉に若鶏というにはあまりにたくましい旨味を感じ、つくねの優しい風味に匠の技を感じる。なんたる皿だ。開店焼き鳥で回っていたらコレばっかり取ってしまいそうだ。

手羽先来ました〜!絞ったレモン汁がジュっと言うほど熱々な皮はパリっパリのパリ。骨をつまめばスルリと外れ、脂乗りの良いニクを一筋も残さず味わえるじゃないか。

友人も相当行けるクチ、当然のように四合瓶は蒸発して冷酒を追加モードに入っています。スーっと出てくる和らぎ水がありがたい。

コースの串ラストはもも正肉のタレというお店の看板。ねぎまで味わったあのたっぷりとした肉が、今度は濃厚甘辛なタレで来てしまうとは‥白旗です。ここの焼き鳥はどれもカラシがバッチリだな、うまいうますぎる。

店員さん「コースの串はこれでおしまいですけど、何か追加されますか?」

そうですね、ぼん(テール)もササミわさびも食べたいけれど、何せお肉のピースが大きいからひと串で十分かもしれない。焼き鳥最愛の背せりで願いま〜す。

脂の旨味、適度な歯ごたえ、焼肉でいったらハラミのような特別なポジションであります背せり。せ・せ・り!せ・せ・り!せ・せ・り!せ・せ・り!大好きなんだ〜ぁあ。

店員さん「最後は焼きおにぎりとスープになります。別々で出します?それともお茶漬けにしちゃいます?」

シメに焼きおにぎりのスープ茶漬け?そんなの最高じゃないですか。ドボンと一発お願いしま〜す。

まずはスープだけズズッとすすります。ワハハ、上品な塩ラーメンになりそうな極上鶏スープだよ。都内のシャレた焼き鳥屋さんならお猪口に半分くらい入れて「お通しです」って出してくるヤツだよ。

そんなスープを丼に張って焼きおにぎりを沈めちゃうとは‥気取らないグンマ人の勝ち〜。最高じゃないかありがとう。つき崩しながら食べるおにぎりのコゲにスープが染みこんでな‥ああうまい、コレで飲みたい。焼酎はボトルしかないんでしたっけ?ざんねん。

このコースで4,000円という奇跡、女将さんの気遣い、お店の雰囲気‥お酒の選択肢以外はちょっと考えられないくらいの名店だったじゃないか。太田で客人をもてなす時は第一候補に挙げてもいいね。鍋コースも食べてみたいので誰か太田に来ないかな‥徒歩5分で東横インもあるよ。

串ひで 群馬県太田市飯田町1225-2

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。