妻籠宿で山菜とソバの美しき田舎料理をお得にいただこう 御食事処 音吉(おときち) (木曽郡南木曽町・妻籠宿)

岐阜県で工場経営と作業をやりつつスマホゲームを作っている超人、Iさんから飲み会のお誘いがありました。岐阜のIさんを拾って京都で飲み会・・だと・・?私は群馬ですよ?飲み会といえばホイホイ行くヒマ人だとでも思っているのでしょうか。

Iさん「オーヤマさんが関西三大美女の一人と言っているMさんも参加します」

なぬっ、神戸の餃子屋さんにいるヴィーナス以上と言われるMさんが・・?えーと、Iさんは岐阜県の馬籠宿方面でしたね。今行きます。

はい、岐阜に着きました。ちょうどお昼時ですので何か食べましょう。美味しくて雰囲気の良い店を教えなさい。さあ教えなさい。

Iさん「じゃあ岐阜でなく長野になっちゃいますけど、妻籠宿の方に向かってください」

妻籠宿に入ってほどなくして、細い道に入ってたどりつきましたのは・・「御食事処 音吉」さんですか。

Iさん「ソバが好きと聞きましたので。馬籠宿にもソバ屋はいっぱいあるけど混むからこっちの方がいいかなーと」

馬籠が岐阜で妻籠が長野なのですね。

Iさん「もともと両方とも長野だったんですが、10年くらい前に岐阜が市町村合併のついでに馬籠側を奪い取ることに成功したんです。観光収入をまるっと持って行かれた長野はカンカンみたいですけど」

うむ、群馬もうまいこと軽井沢の旧軽ゾーンを長野から奪い取ればウハウハですね。

確かに馬籠より落ち着いていて、なかなか好みのタイプですが・・それでも有名観光地ですよね。そこでこんな立派な店構え、お高いお店なんじゃないですか?

Iさん「そこなんですが、実はよく知らないんです」

なにっ、カンか!

Iさん「消防団の集まりでしか来たことないので個人用のメニューはよく知らない」

工場経営とゲーム作りの上に消防までやっているのですか?困ったタフガイだなあ。

店員さん「靴を脱いでいただくのですが、間違ってはいけないのでこの親子札をつけておいてください。それではお席にご案内いたします」

入口からすぐのテーブル席に案内してもらいました。ほうほう、5月連休中なのでメニューが一部違う・・あ、今日ってGWか。1ミリも渋滞なしで岐阜まで来たから気がつかなかった。

Iさん「一応GW中で一番マシっぽい5月の1・2日を選んでみました。平日扱いの会社も多いですから」

・・・だから平日でも釣れそうな私に声をかけたのですね。納得。

メニューは定食がメインなのかな。いわな塩焼紅鱒刺身・・・この辺は酒がないとイカんメニューなので目の毒です。見なかったことにしてざるそば定食にしましょう。

Iさん「じゃあそれを2つで」

店員さん「ご飯は白いご飯とタケノコご飯のどちらか選べますが」

そんなもんタケノコご飯ですよ!白飯頼む人いるの?

そば類は単品もあるのですね。

店員さん「山菜の単品もたくさんございますよ」

あ、ホントだ。しかしこんなの酒が欲しくならないはずがない・・危険だ。

Iさん「私は昨日タラの芽天ぷらをこれでもかと食べましたので、今日はいいかな」

郷土の人が郷土料理屋に来た時にありがちな現象ですね。うーん、せっかくなので好物であるわらびおひたしください。

とりあえず出てきたのは・・むむ、これは小豆のとっかん

Iさん「ウチの子はとっかん大好きで永遠に食べます」

ポリポリ。ほんのり甘くて上品なアンコを干したような味。へー、Iさんのお子さんはコレが好き・・ということは、この辺ではメジャーなオヤツなんですね。

Iさん「えっ?コレって全国版じゃないの?なんかいつも食べてますよ!」

いやいや、全国版でも将星録でもありません。実は飛騨がメインだと思います。たぶん。

おお、わらびおひたし到着。キュコキュコとした歯ごたえが残る素晴らしい茹で加減。テキトーにアクというか風味も残って、当たり前ですが水煮とは勝負になりません。これは非常に・・その・・・

Iさん「これからまだ運転がありますからお酒はなしですよ」

うわーん。こんなモノ注文したの誰だ!誰だ?俺だ!

そしてざるそば定食!なんとなんと、1080円税込みでコレですか!観光地価格はどこに行ったのでしょう。良心的すぎやしませんか?

Iさん「自分ですすめておきながら驚きました!」

ざるそばと定食の、こっちが定食ゾーンになるわけですね。タケノコや山菜の煮物にタケノコの山椒あえ、なんか謎の山菜のおひたしにタケノコご飯、味噌汁!

そしてざるそばゾーンはしっかりした盛りのざるそばに漬物!やっぱりおかしい。観光地でなくてもこの内容で1080円はなかなかありません。お得すぎ!

Iさん「実はこの辺の通貨は日本円ではないのです」

はっ、確か蜂の子(ヘボ)ザザムシがものすごく高価で売られていたから、もしかしたら虫が日本円の上位概念として・・?つまりこれは1080円じゃなくて1080ヘボなのか!!

Iさん「前から言おうと思ってましたけど、あなたが言うほどムシは食べないですからね。岐阜も長野も」

この小鉢ゾーン、真ん中の名前は聞いたけど忘れてしまった山菜のおひたしもほろ苦シャッキリで美味しかったのですが

タケノコの山椒あえがとんでもなくウマかった!掘りたてのタケノコでないと出ない味・・と思う。

Iさん「でも田舎はこの時期ねえ・・」

そう、竹がある家はどこも生えすぎて困るから、ひたすらもらうんですよね、タケノコ・・・毎日青椒肉絲とか春巻きとか若竹煮ですよね・・・

メインのざるそばにいきましょう。ほっぺたが赤い丸顔の女の子のような、見るからに田舎風なビジュアルです。最近江戸モドキなそばばかり食べていたので、こうした黒いそばは久しぶり。

女の子と言ったばかりですが、まことに男らしい太打ちでした。ずるずるといただきましょう。おお、見た目通りなかなか香りが強い!そして見た目よりのどごしが良い!甘味がちょっと強めのツユをドップリめにつけるのが似合うそばです。うん、なかなかおいしい。ずるずる。

しかしさっきからずっと箸についているピンクのヤツ、何なのかしら・・お盆の中を見渡してもこんなのないのに。

禁断のダブル炭水化物ですが、タケノコご飯は好きなので仕方ない。ラーメンチャーハンより油がはるかに少ないということで良しとしましょう。

そばつゆの味から甘めのご飯を想像していましたが、ほんのりとした味つけでタケノコの風味が引き立ちます。あー、これはウマいや。

Iさん「おかわりもできるそうですよ」

大丈夫です。こう見えて少食ですし、一応ダイエット継続中ですし。

Iさん「うーん、どうしようかな。夜は肉なんですよね。ここはおかわりはやめておくか・・」

そういえばIさんはおっさんのくせになかなか細身でかっちょいいですが、それでも結構食べる方なのですか。

Iさん「本気を出すとなかなかいける方だと思います。太らないけど」

くっ、天は不公平なり。

そして味噌汁。ご当地味噌汁は味噌もダシも未知であることが多いのでお楽しみです。

さすが岐阜は味噌がおいしい・・と思ったら、あらら、味噌汁もタケノコだ!半ばタケノコ定食ですね。これはうれしい。

Iさん「秋にはキノコ、つまり松茸とかあるみたいですよ」

おおー、秋に来いってことですね?中津川市名物栗きんとんの時期でもあるし、いいなあ。

そば湯で幸せにフィニッシュしましょう。安くてウマくて雰囲気がいいとか最強なのか。

Iさん「この席からはわかりませんけど、中庭がドーンとあってすごく長めのいい席もあるんですよ」

妻籠宿にあるというのに駐車場も広いし、やりますね。京都に着く前からいい店に来た!

Iさん「今回お呼び立てしたのでせめてここの払いはこちらで」

なんですって!ならば高くて美味い店の方が・・いや、なんでもありません。ご馳走になります。

営業時間と営業日はこちらになります。春〜秋は無休だそうです。夜は予約制とか。むむ、松茸で一杯の場合は予約か!

Iさん「本当に来る気だよ!この人怖い!」

 

御食事処 音吉 長野県木曽郡南木曽町吾妻橋場1223−1

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