魚屋さんが定食屋さんをやるのは反則です(もっとやれ) 庄司鮮魚店(館山市)

母と行く春の房総、続きです。いつもポピーを摘んだ後は館山ファミリーパークさんから車で5・6分のところにある「鮨芳」さんと決めております。これがまた素晴らしい寿司で、本当に毎年楽しみなのですが・・

母「ちょっと、臨時休業って書いてあるよ!」

驚きましたね。いちご餅屋さん(事前に電話して知っていた)だけでなくこちらもお休みとは・・館山市でどんなイベントがあるのでしょう。

母「これじゃ今年は春が来ないよ!どうするの?海ほたるでサザエさんワッフルだけ食べて帰るとかちょっと嫌だよ」

こんなこともあろうか、とかいったわけではありませんが、実はすぐ近くでデキそうな店のオーラを感じ取っていたのです。そこに行ってみましょう。車で1分も戻れば着くかと。

この日替り定食ののぼりと海鮮丼の看板を見てちょっと気になっていたのです。海の近くの鮮魚店がやっている定食屋なんて、外れを引く方が難しいと思いませんか?

母「この旗と看板を運転しながら気にとめてたの?我が子ながらバカじゃないのかしら・・フランケン博士の気持ちがわかるような」

ブツブツ言っているヒマがあったら入りますよ!フンガー!

4台くらい置けそうな駐車場に車を置いて入店しましょう。右が鮮魚店、左が定食屋の入口のようです。店名はズバリ「庄司鮮魚店」さん!

外から覗いて見るとカウンター4・5席、テーブル2・3個の小さなお店のようです。なんとなく空席が無いようにも見えるけど入ってみましょう。

えーと、二人ですが大丈夫ですか?

店員さん「もうちょっと待っていただければ・・」

先客の老婦人「ああ、こちらにどうぞ。もう食べ終わりましたから。さあどうぞどうぞ」

え?今まさに食後のコーヒーなうではないですか。とんでもない、待ちますってー。

老婦人「いえいえ、どうぞどうぞ。ゆっくりしていってくださいね」

ああ、立ち上がっちゃった。では失礼してお席をいただきます。なんと素敵な常連さんがいる店だ・・・ではメニューを拝見。やっこあつあげエイヒレ・・・まるで居酒屋のよう。

店員さん「そちらは夜のメニューです。夜は半分居酒屋なの」

おお、道理で。ランチメニューは隣のホワイトボードですか、どれ。

日替り定食がこの日は8種類、あとは海鮮丼・鮪丼・海鮮漬丼ですね。日替り定食の内容は?と他の席を素早く盗み見したところ、選んだメインの品にマグロとカツオっぽい刺身二点盛り、それに小鉢二品に飯と汁といった感じか。さすが魚屋さん、必ず刺身はつくのですね。それがオール880円でコーヒーが120円!つまり「あら煮・刺身・小鉢の定食コーヒー付き」で千円ジャストってこと?あら煮とかやけにデカく見えるし、少々お得すぎやしませんか?

母「でも私は海鮮丼。お寿司な気分だったから」

そうなんです。私もすっかり寿司気分だったので、天然ブリ塩焼あら煮も気になって仕方ないですが海鮮丼でいきましょう。

ほどなくしてやってまいりました、海鮮丼!おおー、グッドルッキングではないですか!

なおご飯大盛りもOKとのことでしたが、私も母も少なめでお願いしております。二人とも胃袋はアルコール駆動なのです。

まずは小鉢というのかなんと言うのか、しらす香の物。しらす!ご飯の配分を間違った時の最終兵器ですね!

こちらは味噌汁・・と思ったら、あら出汁の吸い物というかスープというか、ウマい汁物でありました!大きなあら、ワカメに豆腐と具だくさんで嬉しい。

こっちの小鉢はあら煮?なんだ、結局あら煮にはありつけるのね。なんとなくあら祭りの様相を呈してきましたよ!好物だから大歓迎。

では主役の海鮮丼をいただきましょう。ものすごくフォトジェニックです。小鉢その他もろもろ付きで1380円の面構えではありません。

母「あまりご飯少なめに見えないね。大盛りとか恐ろしいことになりそう。でもすごく美味しそう!」

本当に・・・!これ見よがしに甘エビ・イクラ・マグロが乗った海鮮丼などを見ると、一つも近海物ではないので海の近くで食べる意味ないのではと寂しくなりますが、これは近海も遠洋もまんべんなく入っている!七つの海はもらった!

丼の北半球はブリ・カツオ・白身はこれはヒラメだったかな?もう開き直ってメモは一切取っておりません。初ガツオが嬉しい季節となりました。カツオ大好き。

そして南半球は中トロ・たぶんこれまたヒラメ・イカ、そしてピンクのヤツはなんだったろう、ビントロっぽいけど南房総だからカジキだったりして・・・とにかくこれは楽しい。

ブリはもちろんウマすぎますし、初ガツオは死にたてピッチピチ!白身もまさしく食べごろのタイミングですので、少し酢が強めの酢飯と一緒に食べるとデキる寿司屋で食べているような気分になります。これは素晴らしい!あらまほしき海鮮丼です。

母「ご飯少し残そうと思ったけどこれは食べちゃうね。おいしい」

箸休めどころかメインにもなりそうなあら煮をいただきましょうと思ったら、あらやだ、下にもう一切いた。もはや小鉢でなく中鉢です。

母「上手に煮えていておいしいね。魚屋さんであら売ってたら買ってウチでも煮ようか」

似て非なるモノができそうですが、あったら買ってみましょう。

毎度言っている気がしますが、誰ですか?ご飯少なめなんて言ったのは・・・でも配分を無理やり算段いたしまして、なんとかしらす用のスペースを確保いたしました。酢飯にしらすもなかなか合う。これはまいった、観光市場によくある食堂のソレよりはるかにウマくて安くてボリュームがあったぞ!

母「なんか常連さんばっかりみたいな雰囲気だけど、確かにこんなお店が近くにあったら来るよね。アジフライ定食とか食べてみたい」

うむ、海なし県群馬にはちょっとマネできないレベルでした。

すっかり気に入ってしまったので、隣のような同じ建物のような魚屋さん側にも寄っていきましょう。晩のつまみを買うのです。

母「あらもあれば買おう」

いわゆる丸魚の姿は無く、カツオやマグロのサクがずらり。あとはブリ切身に活〆ヒラメ、やあ、ブリカマもブリあらもありますよ。

母「ブリ切身が安くておいしそうだからこっちにしよう。あとカツオ美味しかったし安いから買おう」

おや、私の好物である干物もありますよ。ムロアジがムロアジと思えない迫力の大きさ。

店員さん「冷凍でない干したての干物もありますよ」

先ほど定食屋のレジにいたご婦人がいつの間にかこっちにいて、干物を並べて見せてくれます。小ぶりでおいしそうなアジがあるではないですか。1枚130円?安いな、ください。

発泡スチロールの箱に氷と一緒に詰めてくれました。なんて素晴らしいお店なんだろう。

というわけで、帰ってから干物を焼いてみました。アジの干物はデカくて脂くさいやつではなく、小ぶりで香りが良いものが好きなのですが、これはまさに好みど真ん中。ちょっと塩が強めなところがお酒を呼びます。頭も骨も食べちゃえ。バリバリ。

母「これはビールがすすむよ!安いしもう10枚くらい買って冷凍しておけばよかったー!来年はこの店でサカナと干物を買ってからお寿司を食べに行こう!」

母の中では来年の春まで来てしまったようです。めでたしめでたし。

 

庄司鮮魚店 千葉県館山市大神宮75

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