ニコタマに曜変天目と希少部位焼き鳥が揃う時ありと予言を聞いて…いやはや、すげえ街でしたよ 酉たか(世田谷区・二子玉川駅)

静嘉堂文庫美術館が移転、最後の展示の目玉はなんと曜変天目茶碗。こちらの稲葉天目を見ればこの世に三つの曜変天目全てを見たことになるので行くしかありません。

人も少なく、めちゃめちゃ近い位置でじっくり拝見できました。噂通り三つの中で一番キラキラ度が高かった。いや〜、いいもん見た。

さて、美術館に行ったら現地の焼き鳥屋で感想戦を行うという暗黙のルールがあります。最寄駅は二子玉川駅・・ニコタマか〜、用賀のパチ屋は何度か行ったけど、こっちはよく知らんのよね。

ちょいちょいと調べたら大人気のお店があるみたいじゃないですか。こんなご時世でも予約必須らしいのでしっかり確保して、と。

その人気店というのは高島屋近くにあります「酉たか」さん。ミート矢澤の特約店やら名店酉玉さんの流れを汲むやら、ウマそうなエピソードには事欠かないお店らしいです。そりゃ予約しないとダメだよね。

アクリル板でしっかり分断されたカウンター席に案内してもらい、さてメニューを見ましょうか。1人1コースの注文は必須らしいので、せっかくだから7本の酉コースですかね。それでも足りないようなら1・2本追加するなりシメにいくなり。

とりあえず日本酒ということで本日のお酒を見せてもらいましょう。ふむふむ、大好きな花邑があるけど焼き鳥にはちと甘いかしら。南部美人の純米大吟醸を二合いただきましょう。

いかにも好みの片口で来てうれしい。では小声で稲葉天目にカンパイ。

突出しにあたる三品は左から鶏ハムマリネ・もやしの和風ナムル・ウドの和え物。鶏ハムの酸味が効いた味わいが酒を奪うなあ。ウドもクセがいい方向に出てうめえなあ。

こっちはお通しか口直しか、とにかく大根の鬼おろし。そのままでよし、だし醤油をかけてもよし。焼き鳥の合間のおろしは格別ですよね。

最初のひと串はソリレース!ソリレスとも言いますね。なんでもフランス語で「残すヤツはバカ」って意味だとか・・

どれどれと大口を開いてガブっと言ったらさあ大変、トリの汁がびゃーって出た、びゃーって。この歯ごたえと汁、モモ肉の一番いいところか!うん、これを残すヤツはバカだ。いいぞフランス人、ブロワイエ。

卓上には七味と山椒の他にもろみと辛味噌があるのでお好みでどうぞということです。

もろみの大豆の形が残った部分がすごくウマくて、なめるだけでお酒がホイホイ行けてしまう。

こちらがひざがしら。その名の通りひざ軟骨なのかな?武藤敬司にはない部分だ。コリコリはもちろん楽しいのですが、周りの肉の味が濃いのなんの。これは今まで食べた軟骨でもトップクラスに好きだぞ。

お次は野菜串でアピオス。天ぷらは食べたことあるけど串は初めてかもしれん。むかごのような野趣あふれるイモの味で酒がすすむな。お会計のことは忘れてバンバンお酒の援軍を呼びましょう。

わーい、好物のハツモトが来たぞ。たぶん太い血管であろう部分の脂のりとクニュっとした感じがたまらんのですよね。血管を食べれば血管が丈夫になるはずだ、たぶん。

やった、最近すっかり好物になったつくねだ。お高めの焼き鳥屋さんでは五平餅みたいな形状が多い中、古式ゆかしいだんご三兄弟スタイルでの提供。軟骨やネギなんかも入っているのかな、和風ミートボールといった塩梅でいいぞ。

ハツモトの本体であるハツが来た。学生の頃はハツが好きで好きで注文の半分くらいがハツだったような。歯ごたえと血の風味がいかにも内臓を食べている気分で最高。

7本コースのラストはそろばん!つまりアレだ、せせり!せ・せ・り!せ・せ・り!

まあムチムチとご立派な首ですね・・トリ界のミホノブルボンのようなマッチョな方だったのでしょうか。もう語彙なんてありません、ひたすらウマい。

さて、お腹もいい感じになってきましたね。肉と野菜をひと串ずつと軽いシメメニューをお願いするとしましょうか。

酉玉さんや酉たかさんの紹介を見ると必ずや出てくるちょうちんは食べねばなりますまい。

キンカン部分をかじればパチンとはじけて黄身(予定)がとろけ出す!うわ〜い、この部分は見事に半ナマなんですね。いや、タマゴの黄身より味が濃厚なんじゃないか。こいつはたまらん。

ヒモの部分もたくましくやはり濃厚な旨味。これは若鶏でなくベテランめんどりさんなのかな。

アスパラかヤングコーンか悩んでいたら「今日の空豆はいいですよ」ということでそちらに決定。とれとれの空豆を炭火で焼いて岩塩をつけて食べるなんてそりゃ幸せでしょうよ。

シメに親子丼かスープが欲しいが一人前はちと多いかなと思っていたら「茶碗を出しますんで親子丼をシェアしたらいかがですか。スープも2つお出ししますから」とありがたいご提案をいただきました。なんて気のつく店員さんだろう。

その親子丼がこれですよ。もう見た目だけで感想なんかいらないアレです。」

2つ出してもらった濃厚鶏スープも文字通り濃厚で、こいつはラーメンかクッパにしないといかんやつだった。

こんなご時世でも予約のない人が断られている姿を数回見ましたが、この味でこの接客なら納得です。また予約して来なきゃと思うけど、ニコタマになんか用事って・・ないよな。でもなあ、ウマいしなあ・・ここだけのために来てしまうのもアリかもしれん。

酉たか 東京都世田谷区玉川3-21-21 ハイムカワベ 1F

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