滋賀と京都の間にひっそりたたずむそば屋さん。美しい庭を見ながら極上十割そばと鴨汁・・旅はいいものですね 霞中庵 音和そば(山科区・追分駅)

京都でお気に入りのお店は予約困難店でもあります。みんな美味しいもの好きなんだな。一応予約サイトを見てみるか・・やや、ポンと空いている日を発見。上洛、上洛〜。

渋滞を避けるためフライング気味のスタートを決めてしまいまして、京攻めの際にいつも車を置くびわ湖浜大津駅に到着したのは午前10時前。夕食に備えて早めにお昼を食べておきたいとはいえ、いくらなんでも早すぎだろ。

どうしようかな、喫茶店でモーニングでも・・そうだ、こっち方面で気になっていた蕎麦屋さん、確か11時開店で最寄り駅から結構歩くのであった。のんびり向かえばちょうど開店時間なのでは。

追分という滋賀と京都の境にある小さな駅を降りまして、音羽山方面へテクテクと・・車だったら切ないすれ違いになりそうな道になってきた。おいおいGoogle、ホントにこんな所?と心配しながらテクテク、スタスタ・・

おおむね20分で見えてきた。やったぜGoogle!「霞中庵 音和そば」さんに到着です。開店の11時ちょっと前、ちょうどのぼりを立てているところでした。近くのベンチで休憩しつつ待ちましょう。

もちろん一番乗りで入店すると、着物姿の女性がお出迎えしてくれます。おお、広い店内だ。二人用の小さなテーブル席があったのでそちらへ。

こちらは同じ敷地内の「わらびの里」という料亭が経営されているそうです。つまりこの日替り福徳セットなんか頼んでしまうと、料亭仕込みの天ぷらやら煮物が楽しめてしまうわけですか。

料理人のかき揚げとか春の天ざるなんかも季節感があっていいなあ。

やあ、好物の鴨汁そばもあるじゃないか。京都産の合鴨肉と九条葱を鴨脂身で焼成しました・・ゴクリ。

温かい生湯葉やにしんも京情緒〜!境目とはいえ京都だもんな、アリだよな。

メニューに書いてあるアレコレを読んだところ十割そばとのこと。すると冷たい蕎麦の方がいいのでしょう。よし、鴨汁そばを願いま〜す。

窓から見えるのは料亭の庭。見事だなあ。

美しい庭を見ながら蕎麦茶をすする・・旅はいいものですね。こういうところをひと目母にみせたかった。

おおむね7分で登場しました鴨汁そば。おや、鴨汁はフタつき鍋という珍しいスタイル。

十割という蕎麦は見るからに粗挽き、しかも挽きぐるみでしょうか。色濃くたくましく、すする前から香りそうな勢いです。

数本つまんで蕎麦だけですすってみると、見た目に反して大変なめらか、瑞々しくはじけるようだ。ちょっと噛むとひなびた香りが鼻に抜けてこいつは美味しい。粗挽き星入りの十割でこんなに滑らかな蕎麦になるのか。料亭ってすご〜い。

この蕎麦が鴨汁をまとったら大変なことになりそうだ。フタを開けて・・あっちちぃ!熱々の鍋の下に保温用の石板まで置いてあるじゃないか。

おしぼりを使ってなんとか開ければ、みっちみちに具が詰まっているじゃないの。サービス、サービスぅ!

取り分け用の小皿に汁を移すのが正解なんだろーか。とりあえずレンゲとオタマのあいのこみたいな匙で探ってみると、鴨がネギしょってゴロゴロ。ここまで来ると鴨汁というより鴨鍋だね。

汁に浸してズルッといけば、やっぱりンマーイ!合鴨の脂と風味がたっぷり!蕎麦の温かくなった部分は香りがアップ!良い蕎麦×良い汁×鴨=破壊力!

上品に取り分けている場合ではない!鍋に蕎麦を放りこんでズルズルいくのだ。鴨と蕎麦をまとめていくもよし、鴨ネギコンビでいくもよし。つくねも出てきて楽しいなあ。

ラストはロース一切れにネギ一本と少しの蕎麦を小皿に移して、わんこそばのようにガバッとひと口で。ゲ〜フっ、気持ちいい〜!

お姉さんに蕎麦湯をいただいてバッチリ締めましょう。蕎麦粉を溶かしたもったりタイプですね・・そりゃそうだ、最初の客だもの。粉を入れなきゃ蕎麦湯にならない。

抜きで酒を飲みたいような汁なので、鍋をひっくり返す勢いで最後の一滴まで飲んじゃう。ごちそうさま!

蕎麦湯でホカホカ、なんだか汗まで出るようだというタイミングでふたたびお茶を出してくれます。おや、今度は蕎麦茶ではなくほうじ茶ですか。これは嬉しい、石田三成ばりに気が利く方ですね。

結局貸切状態で至福のひと時を楽しませていただきました。まん防の反動が来たら絶対混むよ、ここ。

さて、また追分駅まで歩いて京都へ・・あ、電車は20分に1本ですか。大丈夫、グンマは30分に1本だったりします。

京都で歌川国芳なんぞ見ながら夜を待つ〜。瀧夜叉ちゃん、か〜わいい。

霞中庵 音和そば 京都府京都市山科区小山中島町40-1

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