そばヨシ、器ヨシ、天ぷら最高!季節ごとに訪れなくてはいけない蕎麦屋はサイタマの秘境にあり とき庵(比企郡ときがわ町)

「サイボクの豚肉を食べたいからおそば食べに行こう」

いきなり妙な事を言い出すのは母じゃないですか。まあね、サイボクのソーセージ好きですから行きますけどね。そしてあのそばと天ぷらも食べたい。

やってきたのはリアル「翔んで埼玉」な秘境ゾーン、ときがわ町。山と川ばかりの合言葉みたいな町ですが、山の常としてそば屋さんが多数あります。ぼくと母のお気に入りはこちら「とき庵」さん。

11時半開店ですが土日は15分くらい早く開けるのかな?11時15分くらいに着いたらちょうどノレンが出ました。開店待ちをしていたであろう数組がゾロゾロ入っていきます。相変わらず繁盛店だなあ。

席が埋まっては大変、あわてて入店・・の前に、素早く本日の天ぷらをチェックしておきましょう。季節によって変わる野菜天ぷらが非常においしいのです。やったー!狙っていたかぶとプチトマトがあるじゃないか。

テーブルとお座敷が各4卓くらいの店内、お座敷席に案内してもらってメニューを受け取・・ったのはいいですが、だいたいのお客さんは見ないうちから「天もり」って言っている。

そうなんですよね、そういえばこの地山菜の天もり蕎麦しか頼んだことない。

辛み大根のおろしそば・旬野菜のかき揚げ添えをいつか食べようと狙ってはいるのですが、今日はかぶとプチトマトですからね、天もりに行かざるを得ない。母はもう聞くまでもない、天もりを2つ願いま〜す。

感染症以降はセルフになったお茶にほうじ茶があって嬉しい。そしてこの湯呑み!こちらの器はときがわ町で作陶をされている弓立窯さんの作品です。見た目も使い勝手も素晴らしいので自宅用にいくつか持っていますよ。

1巡目で入れたとはいえ後半だったので、待つことおおむね30分。お腹がグ〜といった頃合いに天もり蕎麦の登場!相変わらずビューティフルだ〜。待った甲斐ありすぎ!

挽きぐるみであろう蕎麦は色が濃くて太い、見た目はいわゆる田舎そば。でも切り幅は均一だし角はピンとしてクリアだし、大変なワザが込められていることがわかります。

さらにこの天ぷら!360度どこから見ても達人のワザ!エビなんか不純物といわんばかりの潔いメンバーも素敵です。

普通の蕎麦屋では天ぷらを頼まないけど、ここに来たら食べないという選択肢がない。

そば豆腐と天ぷら用の塩もただならぬオーラを放ちます。

薬味はネギとわさびと極々シンプル。汁は徳利なしですが、たっぷりした器に入っているので薄まる気遣いはないでしょう。

そばを軽くつまんでツルルっとね。おうおう、そばの粒子は荒いはずなのになめらか!軽く噛んで香りを楽しんだらスルルーっとノドを降りていくナイス蕎麦!初めて来た時の数倍おいしい蕎麦になっているような。

汁はどっしりと腰を落とした構えのような重厚さ。香り高い蕎麦にピッタリです。

天ぷらはまず楽しみであったかぶから。シャキシャキの葉っぱ、ぽくぽくして甘い実。もしかして天種としてすごく優秀なのでは・・と思ってウチで揚げれば失敗疑いなし。

こちらはわらびですね。ナムルのクニクニ要員と思いがちなわらびさん、ナマを上手に揚げればシャッキシャキで香り高くてたまりません。

プチトマトは熱で味が濃くなって上品なトマトソースのようだ。こちらのお店は柚子とか柿とかトマトとか、汁たっぷりのものを揚げて味を濃くするのがお得意です。

ズッキーニはモロッコいんげんに替わったようです。さやいんげんの天ぷらは好きなのでこれは嬉しい不意打ち。

さらにうれしや、こちらも好物の大葉。昭和天皇がパーティーの天ぷら屋台で「あなごとしそを」所望されたことがあるそうですね。だからなんだって・・なんでしょう。なんか思い出したので。

車内で母と本日の天ぷら予想をした際に、両者とも挙げたジャガ芋はやっぱり出た。新ジャガの時期ですからね、旬のものは外さない!さすが!

どれも秀逸ですが、特にかぶとジャガ芋が素晴らしかった!両者を3つずつくらい並べて飲みたし、飲みたし!

そういうわけにもいかんので蕎麦湯を飲む。蕎麦粉を入れて濃くしてあるタイプですね。蕎麦湯で伸ばすとさらにウマくなるからなあ、良くできた汁って不思議だなあ。

本日も大変満足、こんな時期でも繁盛するわけだというところ。次回は秋口あたり、サツマイモと柿が出そうな時期を狙ってみよう。

とき庵 埼玉県比企郡ときがわ町西平756-4

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